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妊娠から産休・育休申請・給付金支給までの手続きと必要な書類

ikujilog

働く女性が妊娠したら、会社に対して産休・育休の申請が必要です。

現在、産休と育休の両方を取得して活用できている女性は、平成29年度で88.5%(厚生労働省「平成29年度雇用均等基本調査(確報)」)です。

一見多い数字に見えますが、10人中1人以上の女性が満足に産休と育休を取得できない状況だとも言えます。

さらに、この調査には従業員10人未満の企業が含まれていません。少し古いデータですが、総務庁統計局「事業所統計調査報告」によると、2001年度の従業員10人未満の事業所数は5,081,715事業所もあります(会社の数ではない)。

これは当時の全事業所数の80%にあたります。そのため、産休と育休の両方を取得できている女性は、実際はもっと低い数字だと予想します。

また、男性の育休の取得率はグラフで見ると右肩上がりですが、平成29年度で5.14%しかありません。

平成29年度育児休業取得率の推移_男性

厚生労働省「平成29年度雇用均等基本調査(確報)」

産休や育休は国が行う少子化対策ですが、あまり活用されていません。その理由の1つが、産休・育休の取得方法や給付金支給の流れなどを個人・会社が把握できていないことです。

そこで今回は、産休の申請から育休の終了までをの流れとそれぞれの手続きに必要な書類の紹介をします。

妊娠から職場復帰までの流れ

働く女性が妊娠をしてから、産休と育休を取得して、仕事に復帰する場合の簡単な流れは以下の通りです。

  1. 妊娠が発覚(妊娠4-6週ごろ)
  2. 会社へ妊娠の報告(妊娠16週ごろ)
  3. 産休・育休の申請(妊娠16-27週)
  4. 産前休業の開始(妊娠33-34週、多胎妊娠は25-26週)
  5. 出産・産後休業の開始(一般的には妊娠40週)
  6. 産後休業の開始(出産日の翌日から)
  7. 育児休業の開始(産後9週から)
  8. 職場復帰(産後9週から子が1歳までのどこか)

まず妊婦が行うのは、妊娠安定期(妊娠5ヶ月)に入った後に会社に妊娠を告げ、産休と育休の申請をすることです。安定期に報告する理由は、妊娠の継続が不確定だからです。

会社は産休と育休に必要な書類を用意します。また手続きに必要な書類などの準備を促されます。必要な書類などをまとめて、会社に提出するのは産休1ヶ月以上前が一般的です。

では、それぞれの手続きに必要な書類などを流れに沿って解説をしていきます。

産休・育休申請、給付金支給の流れ

妊娠が発覚

妊娠が発覚するのは妊娠4-6週ごろが多いです。その後妊娠7-10週に出産予定日がわかり、母子手帳をもらいに行きます。

母子手帳は自治体で交付されますが、もらうには妊娠届出書が必要です。母子手帳の交付方法は以下を参考にしてください。

妊娠届出書とは、病院でもらう妊娠報告をするための書類です。

妊娠届出書を受け取ったら必要事項を記載して自治体の窓口に提出することで、母子手帳や妊婦健診の受診券(妊婦健診の助成)を受け取れます。

会社に妊娠の報告

妊婦は安定期(妊娠16週以降)に入ったら会社に妊娠を報告し、産休と育休を取得する可能性がある旨を伝えます。

産休1ヶ月前までに産休と育休の申請を行うよう決められている場合が多いので、さらに1ヶ月前の期間から余裕を持って申請できるようにしましょう。妊娠27週までが目安です。

注意点は産後休業は義務ですが、産前休業と育児休業は任意だということです。そのため産前休業と育休の日数を申請までに考えましょう。制度詳細は以下で確認してください。

産休・育休の申請

産休・育休の申請は会社に行い、その後会社が「健康保険組合」「年金事務所」「ハローワーク」に対して所定の手続きを行います。

そのため産休・育休申請に必要な書類は、会社様式による「産前産後休業申請書」「育児休業申請書」です。これらの書類は会社が把握するために必要になはずです。

出産手当金に必要な書類

会社に妊娠を報告すると、産休期間に応じた出産手当金申請の必要書類を提示されます。以下の書類などを会社が指定する期日までに会社に提出(または会社が用意)します。

出産手当金に必要な書類など

  • 出勤簿(タイムカード)の写し
  • 申請期間と期間前1ヶ月分の賃金台帳の写し
  • 母子健康手帳の写し
  • 健康保険証の写し
  • 健康保険出産手当金支給申請書
  • 添付書類

出勤簿と賃金台帳の写しは会社が用意し、健康保険証と母子健康手帳の写しは自分で用意します。

「健康保険出産手当金支給申請書」は病院証明欄の記載が必要なので、出産後に病院に記載してもらってから会社に郵送します。その後、会社が健康保険組合に提出します。

添付書類は条件に該当する人のみ必要な書類なので、会社が必要だと判断した場合にもらえます。添付書類の内容や出産手当金の各種詳細は以下を参考にしてください。

育児休業給付金に必要な書類

会社から育休期間に応じた育児休業給付金申請に必要な書類を提示されます。以下の書類などを会社が指定する期日までに会社に提出(または会社が用意)します。

育児休業給付金に必要な書類など

  • 出勤簿(タイムカード)の写し
  • 申請期間と期間前1ヶ月分の賃金台帳の写し
  • 母子健康手帳の写し
  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
  • 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書

「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」は会社が記載する書類ですが、記載事項に相違がないことを被保険者が確認して押印or自筆の署名が必要です。

「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」は、育休開始から4ヶ月を経過する日の属する月の末日までにハローワークに提出しなければいけないので、出産後に「健康保険出産手当金支給申請書」といっしょに会社に郵送します。

社会保険料免除に必要な書類

会社から社会保険料免除の手続きに必要な書類を提示されます。以下の書類などを会社が指定する期日までに会社に提出(または会社が用意)します。

社会保険料免除に必要な書類など

  • 健康保険・厚生年金保険産前産後休業取得者申出書
  • 健康保険・厚生年金保険育児休業等取得者申出書

産休期間と育休期間で必要な書類が違います。どちらも必要事項を記載して会社に提出すれば、残りの手続きは会社が行って年金事務所に提出してくれます。

会社が年金事務所に社会保険料免除の申請する期限は、産休分は産休期間中、育休分は育休期間中となっています。詳しくは以下を参考にしてください。

産前休業の開始

産前休業は出産予定日を含む42日間(6週間)なので、出産の1ヶ月半前から産休が始まります。産休期間中はとくに手続きはないので、出産に向けて体調を整えて気持ちを作りましょう。

出産・産後休業の開始

産後休業は出産日の次の日から始まり(予定日ではない)、56日間(8週間)続きます。

その間にしておいた方が良いのは、「健康保険出産手当金支給申請書」と「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」を会社に郵送することです。

どちらも遅れると出産手当金、育児休業給付金の振込が遅れてしまうので、忘れずに郵送してください。

産休・育休と関係ないですが、産後に必要な手続きは出生届の提出児童手当の申請出産育児一時金の申請乳幼児医療費助成制度の申請健康保険証の申請などがあります。

どれも今後必要なものばかりなので、早めに申請や手続きを行ってください。もちろん全ての手続きを旦那さんに任せても良いと思います。

育児休業の開始

産後休業が終了すると育児休業が始まります。育児休業の期間中に行うことは、二回目以降の育児休業給付金の支給申請です。

育児休業給付金の振込と二回目以降の申請

初回の育児休業給付金は「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」で会社が申請代行して、育休開始から2-3ヶ月以内に2ヶ月分の振込があります。

たとえば4月10日に育休が始まった場合は6月10日以降に振り込みがあり、その際に「支給決定通知書」「育児休業給付金支給申請書(次回申請書)」が郵送されます。

二回目以降の育児休業給付金の支給申請は、郵送されてきた「育児休業給付金支給申請書」を使います。育休期間中は2ヶ月毎に支給申請を繰り返します。

出産手当金の振り込み

出産手当金は産休終了後に会社が健康保険に支給申請を行います。会社が支給申請した後、数週間から遅くても2ヶ月前後で出産手当金が振り込まれます。

もう1つ育休期間中に考えることは育休期間を変更するか、または育休を延長するかです。

育休期間の変更の仕方

育休期間の変更は「繰り上げ開始」「繰り下げ終了」「1歳以降の育休延長」があります。

「繰り上げ開始」は、産後休業中に育休期間を予定より早く開始するために必要な手続きです。「繰り上げ開始」が必要なのは、予定日より早く赤ちゃんが産まれた場合です。

育休期間の「繰り上げ開始」は、新しく育休を開始しようとする日の1週間前までに書面による変更の申出が必要です。

「繰り下げ終了」は、育休中に育休を予定より遅く終了させるために必要な手続きです。「繰り下げ終了」は理由関係なく、1回のみ育休を終了する日を予定より延長できます。

育休期間の「繰り下げ終了」は、元々育休を終了する予定だった日の1ヶ月前までに書面による変更の申出が必要です。

「1歳以降の育休延長」は、育休期間中に1歳までの育休を最大1歳6ヶ月まで延長するために必要な手続きです。

1歳以降も保育所に入所できない場合、配偶者の病気、死亡、離婚によって子供の養育が困難な場合に延長できます。

「1歳以降の育休延長」は1歳になる日までの育休終了日について、元々育休を終了する予定だった日の2週間前までに書面による変更の申出が必要です。詳細は以下を参考にしてください。

また「1歳以降の育休延長」の期間も、子が1歳6ヶ月になるまでの間なら「繰り下げ終了」を行えます。

育休は子供の育児に慣れるためだけじゃなく、子供の入園や職場復帰のために準備をする期間でもあります。そのため必要な場合は繰り下げ変更などをしてください。

職場復帰までにすることは以下の通りたくさんあります。仕事と家庭の両立を目指すなら、育休中の準備を怠らないようにましょう。

職場復帰

育児休業を終了して無事に職場復帰したら、後は仕事と家庭の両立のためにがんばるだけです。

ある程度育児のストレスや仕事のストレスが溜まることは仕方ありません。まずはこの一連の流れを押さえて、抜け漏れがないようにしてください。

とくに出産手当金や育児休業給付金は申請タイミングで、給付金の支給が大きくズレ込むので、申請だけは忘れないように会社と調整してください。