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これで完璧!育児休業給付金の申請方法・条件と支給日、金額計算

育児休業給付金はいくらもらえる?

まーさ

もしわたしが育休をフルで取ったら、育児休業給付金っていくらもらえるのかな?

最近は育休を長く取りやすい会社が増えてきました。育休を長く取っても支障がない仕事なら、できるだけ赤ちゃんとの時間を作った方が良いと思います。

ただ育休を取得したとして、仕事を休んでいる間の生活はどうすればいいんでしょう。「会社が有給として給料を出してくれる?」……そんなわけ無いですよね。

そこで国は育休取得者に対して生活費をサポートをするために、雇用保険から「育児休業給付金いくじきゅうぎょうきゅうふきん」を支給しています。

  • 育児休業給付金ってどういうお金のこと?わたしももらえるのかな?
  • 育児休業給付金っていくらもらえるの?計算方法を教えて。
  • 育児休業給付金の申請方法といつもらえるかが知りたい!

育児休業給付金は女性だけじゃなく男性の育休も対象なので、場合によっては世帯で400万円以上支給されることもあります。そのため、絶対に知っておくべき給付金です。

まだ育児休業給付金をよく知らない人は、この記事を最後まで読んで育休中の生活をやりくりする参考にしてください。

育児休業給付金とは

まーさ

出産手当金ってどんなお金なの?もらえる条件を教えて。

育児休業給付金とは、雇用保険加入者が子供を養育するために育休を取得し、その間会社から一定以上の賃金を受けられない場合に雇用保険から支給される給付金のことです。

育児休業給付金の支給条件

育児休業給付金の支給には条件があります。以下の条件をすべて満たした場合、育児休業給付金を受け取ることができます。

育児休業給付金の支給条件

  • 雇用保険に加入している人
  • 育児前の2年(24ヶ月)の間で、11日以上働いた月が12ヶ月以上ある人
  • 育休期間中に勤務先から給料が支払われる場合、その金額が80%未満である人
  • 育休期間中に勤務する場合、1ヶ月の就業日数が10日以下(80時間以下)である人

雇用保険加入が条件なので、自営業者や会社の代表(一般的には役員も)は対象にはなりません。条件に当てはまる人は、雇用形態にかかわらず育児休業給付金を受け取れます。

反対に以下の条件に当てはまる場合は、育児休業給付金を受け取れません。

  • 雇用保険に加入していない人・できない人
  • 妊娠中に勤務先を退職する人・予定が決まっている人
  • 育休開始の時点で、育休後に会社を辞める予定の人

育休後に会社を辞める予定は、契約社員など期間の定めがある社員の期間満了を含みます。また期間の定めがない社員で、やむを得ず辞めなければいけない人は除外されます。

育児休業給付金はいくらもらえる?

まーさ

育児休業給付金っていくらもらえるの?どうやって計算すればいいのかな。

育児休業給付金の計算式と計算方法

気になる育児休業給付金の支給金額ですが、まず以下はおおまかな金額を知るための計算です。

育児休業給付金額は給料の50-67%ほど

育児休業給付金の支給額は、育休開始日から180日目までは「賃金日額の67%×育休日数」、181日目からは「賃金日額の50%×育休日数」で計算します。

育児休業給付金額=(賃金日額の67%×育休日数)+(賃金日額の50%×育休日数)

育児休業給付金の計算方法

賃金日額・賃金月額とは

賃金日額とは月給の総支給額(残業手当、通勤手当、住宅手当などを含む)を日割りした金額のことです。

賃金日額は、育休に入る月の前月までで賃金支払基礎日数が11日以上ある月の6ヶ月分の賃金の合計額を180日で割って算出します。なお賃金日額は1円未満切り捨てです。

賃金日額=過去6ヶ月の賃金の総額÷180日

また、算出した賃金日額に30日を乗算すると賃金月額になります。

賃金支払基礎日数が11日以上ある月の6ヶ月分の賃金の合計額とは

「賃金支払基礎日数が11日以上ある月の6ヶ月分の賃金の合計額」がわかりにくいですね。以下のように考えます。

まず賃金支払基礎日数は、働いて賃金が発生した日のことです。

6ヶ月分とは育休開始の前月から該当する月の6ヶ月ですが、育休前には産休があるので通常は産休開始月、または産休開始月の前月から過去6ヶ月分が計算対象です(産休に入る月は11日以上働かないように調整する)。

たとえば育休開始月が12月で産休開始月が9月、それより以前の出勤日数と月次賃金が以下のものだったとします。

  • 9月|出勤日数5日で月給8万円
  • 8月|出勤日数15日で月給30万円
  • 7月|出勤日数15日で月給30万円
  • 6月|出勤日数13日で月給26万円
  • 5月|出勤日数14日で月給28万円
  • 4月|出勤日数15日で月給30万円
  • 3月|出勤日数10日で月給20万円
  • 2月|出勤日数15日で月給30万円

「賃金支払基礎日数が11日以上ある月の6ヶ月」に該当するのは8月、7月、6月、5月、4月、2月です。9月と3月は、賃金支払基礎日数が10日なので該当しません。

8月(30万円)+7月(30万円)+6月(26万円)+5月(28万円)+4月(30万円)+2月(30万円)=174万円

というわけで「賃金支払基礎日数が11日以上ある月の6ヶ月分の賃金の合計額」は174万円です。これを180日で割ると「賃金日額=174万円÷180日≒9666円」になります。

育児休業給付金には上限がある

賃金が多い方がもらえる育児休業給付金も多くなりますが、支給額には上限があります。賃金月額にすると449,700円までと決まっています。

※2018年8月1日以降のもので、毎年8月1日に変更される

つまり賃金月額が50万円だとしても、育児休業給付金は449,700円が上限になります。

賃金に含めるものと含めないもの

6ヶ月の月給の総額の計算には、賃金に含めるものと含めないものがあります。

賃金に含めるもの

  • 基本給(時給・日給・月給など)
  • 残業手当
  • 通勤手当
  • 住宅手当など
賃金に含めないもの

  • 退職金
  • ボーナス
  • 営業報奨金
  • 結婚祝い金、弔慰金
  • 解雇予告手当など

育児休業給付金の計算事例

賃金日額が算出できれば、あとはかんたんに育児休業給付金を計算できます。

計算例1)賃金月額25万円の女性が子供が1歳まで育休取得した場合

賃金日額=1,500,000÷180日≒8,333円

  • 1日目から180日目まで|8,333円×0.67×180日=1,004,959円
  • 181日目から308日目まで|8,333円×0.50×128日=533,312円
  • 1,004,959円+533,312円=1,538,271円

育児休業給付金額は1,538,271円です。

計算例2)賃金月額40万円の男性が240日育休取得した場合

賃金日額=2,400,000÷180日≒13,333円

  • 1日目から180日目まで|13,333円×0.67×180日=1,607,959円
  • 181日目から240日目まで|13,333円×0.50×60日=399,990円
  • 1,607,959円+399,990円=2,007,949円

育児休業給付金額は2,007,949円です。

計算例3)賃金月額60万円の男性が150日育休取得した場合

賃金日額=2,698,200÷180日=14,990円

  • 1日目から180日目まで|14,990円×0.67×150日=1,506,495円

賃金月額が449,700円を超えるので全て449,700円で計算すると、育児休業給付金額は1,506,495円です。

育児休業給付金の支給日の目安

育児休業給付金は長期の育休生活を支えるために必要なお金なので、大きな金額になりますね。ここで気になるのは、育児休業給付金の支給日です。

育児休業給付金の支給申請は2ヶ月毎に処理されるので、その度に支給申請が必要です。初回は会社が代行することが多いですが、二回目以降は自分で申請することが多いです。

たとえば育休開始日が4月5日だった場合、6月5日以降に2ヶ月分の育児休業給付金の処理が行なわれ、それから1-2週間後に2ヶ月分の育児休業給付金が振り込まれます。

育児休業給付金の申請から振込まではハローワークによって多少違いがあるそうなので、気になる場合は問い合わせてください。

以上を加味すると、育休開始から初回の育児休業給付金が支給されるまでは3-4ヶ月程度になりますね。

育児休業給付金の支給申請方法

まーさ

育児休業給付金の支給申請ってどうすればいいのかな?

育児休業給付金を受け取るには、「事前の受給資格確認手続き」と「初回の支給申請手続き」が必要です。手間がかかるだけなので同時の方が良いでしょう。

事前の受給資格確認手続き

受給資格確認手続きは、会社が行います。受給資格確認手続き(+初回の育児休業給付金支給申請)に必要な書類は以下の通りです。

受給資格確認手続きに必要なもの

  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
  • 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書
  • 賃金台帳の写し
  • 出勤簿などの写し
  • 母子手帳の写し

それぞれ事前に会社から必要事項の記載、また母子手帳の写しの提出を求められます。賃金台帳や出勤簿は会社が用意します。

会社は上記の書類を揃えてハローワークに提出し、育休申請者に育児休業給付金の資格があるかどうかを確認してもらいます。

初回の育児休業給付金の支給申請手続き

「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」は、初回の育児休業給付金の支給申請手続きも兼ねています。

初回の支給申請は育休開始から4ヶ月を経過する日の属する月の末日までが申請期限なので、受給資格確認手続きも合わせて行うのが一般的です。

また会社が受給資格確認手続きを行うので、育休申請者はいつまでに会社に申請が必要か聞いておきましょう。

ハローワークに受理されると初回の育児休業給付金支給の申請は完了してるので、2ヶ月分の育児休業給付金は育休開始後3-4ヶ月程度で指定口座に振り込まれます。

2回目以降の育児休業給付金支給申請手続き

2回目以降の育児休業給付金の支給申請を行います。支給申請は本人が行いますが、会社が代行する場合もあるので事前に会社に流れを確認してください。

会社がハローワークに申請書を提出して初回の給付金が振り込まれた後、「育児休業給付金支給決定通知書」「育児休業給付金支給申請書(次回申請書)」が郵送で届きます。

2回目以降の育児休業給付金の支給申請は、「育児休業給付金支給申請書(次回申請書)」に必要事項を記入して、会社に郵送またはハローワークに郵送するだけです。

その後は2ヶ月毎に申請を繰り返します。育児休業給付金の支給申請には期限があるので、忘れずに支給申請を行いましょう。

育児休業給付金に関する注意点

まーさ

育児休業給付金について他に注意点ってあるかな?

育児休業給付金にはいくつか注意点があります。

給付金支給まで時間がかかる

育児休業給付金の支給は2ヶ月ごとなので、育休が2ヶ月経過するまでは支給申請の処理が行なわれません。

そのため育休が始まって給付金が支給されるまでの3ヶ月程度は、育児休業給付金をあてしないで生活できる準備を整えておきましょう。

給付金の支給申請には期限がある

育児休業給付金の支給申請は、1回の申請ごとに期限があります。初回の育児休業給付金支給申請の期限は、育児休業を開始した日から4ヶ月を経過する月の末日までです。

育休が8月10日から始まる場合、12月31日までが初回の育児休業給付金の申請期限になり、この日を過ぎると2ヶ月分の育児休業給付金の受給資格を喪失します。

次回以降の給付金支給申請の期限は、ハローワークから届く「育児休業給付金支給決定通知書」に記載されています。上記同様、申請期限までに支給申請してください。

会社が支給申請を代行する場合も「忘れていた」では済まないので、会社に確認するなど十分注意してください。

育休中に給料が出る場合は支給額が調整される

育休中でも給料が出る会社もあります。また育休中に空いた時間で就労して、給料が発生することもあります。その場合、育児休業給付金の金額が調整されます。

育児休業給付金の調整

  • 給料(賃金)が育休開始前の賃金月額の30%以下の場合、育児休業給付金が満額支給される
  • 給料(賃金)が賃金月額の30%超80%未満の場合、「賃金月額×80%」と給料の差額が支給される
  • 給料(賃金)が賃金月額の80%超の場合は、育児休業給付金は支給されない

育児休業給付金のまとめ

育休を取ると生活が心配になります。そんなときは育児休業給付金が大きな助けになりますが、いくらもらえるのかわからないと計画が立てられませんよね。

生活が心配で育休に二の足を踏む人は少なくないです。そのため、ある程度もらえる金額を計算することはとても大切です。

育休を取らなかった男性の中には、後から赤ちゃんの可愛さを知り「育休取れば良かった……。」と後悔する人も多いようです。

赤ちゃんのころは二度と無いので、男性はよーーく考えて育休を検討しましょう。

育児休業給付金は「育休の延長」も知っておく必要があります。育休を延長した場合も1歳から1歳6ヶ月まで、1歳6ヶ月から2歳になる前日までは、給付金対象です。

ただ育休延長の申請と育児休業給付金の延長申請は別なので、間違えないでください。

産休の場合は働く女性の生活保障として、健康保険から出産手当金が支給されます。こちらも支給条件や支給金額、申請方法などを押さえておきましょう。

また産休・育休中は社会保険料の支払いが免除されます。社会保険料の支払いがあるかないかで、生活費の予定が変わります。この話もとても大事ですよ。

このように出産・育児を助けてくれる制度を総合的に考えると、「あれ?育休取ってもそこまで収入減らないんじゃない?」と気付きます。

出産・育児はお金だけの問題じゃないですが、お金も大切な要素です。育児休業給付金などを賢く利用して、夫婦揃って良い子育てができる環境を整えましょう。


ハローワークインターネットサービス – 雇用継続給付

育児休業給付の内容及び支給申請手続について|ハローワーク