赤ちゃんが生まれたら、必ずするべきことの1つに「
出生届を区役所や市役所などの地方自治体に提出すると、赤ちゃんは晴れて日本国民の戸籍を得て社会の一員になります。
出生届を提出しないと、その子は
それどころか、予防接種や補助金など無ければ困る制度も受けられません(無戸籍者でも予防接種や教育を受けたり、婚姻届を提出できるように徐々に変化している)。
現在、日本には1万人ほどの無戸籍者がいるそうです。多くの無戸籍者がやむを得ない事情ですが、親の怠慢や政治的主張で赤ちゃんを巻き込むケースもわずかながらあります。
【私は戸籍が32年間ありません】~無戸籍者、国内少なくとも1万人の可能性~
この話はまた別途するとして、要は赤ちゃんが生まれたらちゃんと出生届を出して戸籍登録をしましょうねということです。
今回は、出生届の提出方法や期限、提出が遅れた場合どうするのかなどを簡単にまとめてお話します。
目次
出生届とは戸籍を作るための書類
まーさ
出生届とは、戸籍法第49条から第53条までに定められた法務局の戸籍課が管轄する届出書類のことです。
届出義務者(嫡出子及び認知した私生子の届出は父親、非嫡出子の場合は母親)が出生届を地方自治体に提出して、受理されることで、赤ちゃんは父母等の戸籍に記載されます。
そして赤ちゃんが父母等の戸籍に記載されたことで、初めて出生が公的に認められたことになります。
出生届の読み方
出生届の読み方は、正式には「しゅっしょうとどけ」ですが、「しゅっせいとどけ」と読んでも問題ありません。
日本を「にっぽん」や「にほん」と読むようなものですね(正式には「にっぽん」)。
出生届の提出期限と提出先
まーさ
出生届は赤ちゃんが戸籍を認められて、いろんな権利が発生するために必要な書類です。そのため提出期限があります。
出生届はどこでもらえる?
出生届の用紙は自治体の戸籍課や出産した病院でもらえます。自治体のサイトからもダウンロードもできます。
出生届はA3用紙で「
出生届の書き方は以下を参考にしてください。
出生届はどこに提出する?
出生届の提出先は自治体の窓口です。基本的には夫婦どちらかの住民票がある自治体に提出する書類ですが、以下の自治体に提出しても構いません。
- 夫または妻の住民票がある自治体
- 夫・妻の本籍地の自治体
- 赤ちゃんを出産した病院の自治体
- 旅行中・里帰り出産の場合はその自治体
出生届は、土日祝日問わず24時間365日いつでも提出できますが、自治体の窓口担当者が不在の夜間や土日祝日の場合は夜間窓口や通用口の守衛さんに出生届を預けます。
ちなみに児童手当などの助成金は、親の住民票がある自治体で申請します。里帰り出産だと出生届はその自治体に提出する可能性があるので、赤ちゃんの住民票を移す手続きを忘れないでください。
出生届の提出期限は?土日祝日の場合は?
出生届は、赤ちゃんの出産当日を含む出生後14日以内に、自治体窓口(戸籍課など)に提出しなければいけません。赤ちゃんが生まれた時間が23時59分でも1日と数えます。
14日目が土日祝日・祭日の場合は、提出期限が平日に延長されますが、年末年始など大型連休の場合は対応が変わる可能性があるため、当該自治体に確認しましょう。
出生届の提出期限が過ぎたらどうなる?
14日間の期限を過ぎて出生届を提出した場合は、「戸籍届出期間経過通知書」に遅延した理由を記載して自治体に提出する必要があります。
戸籍届出期間経過通知書とは簡易裁判所に通知する書類のことで、場合によって「
もし事故や天災などで14日間の期限が過ぎた場合は、出産した病院や警察署で「届出遅延理由書」を発行してもらい、届出が可能になった日から14日以内に出生届と届出遅延理由書を提出します。この場合は過料はいりません。
また、14日以内に子供の名前が決まらない場合は、出生届の提出期限内に「子の氏名」欄を空欄にして提出すれば、一旦戸籍が作成されるため遅れたとはみなされません。
その場合、名前が決まった後に「追完届」を提出して戸籍の修正依頼をします。
国外出産の出生届の提出期限と提出先は?
外国で出産をした夫婦が以下に当てはまる場合は、日本の戸籍対象として出生届を提出しなければいけません。
- 日本国籍を持つ日本人夫婦
- 外国人夫と結婚した日本人妻
- 日本人夫と結婚している外国人妻
- 外国人夫と結婚していない日本人妻
国外で出産した場合は、出生届の提出期限は出産日から3ヶ月以内です。3ヶ月以内に日本に戻れないときは、その国の日本大使館や領事館、または夫婦の住民票がある自治体へ出生届を郵送します。
出生届を郵送する場合は、移転手続きを考えると住民票がある自治体に送った方が良いでしょう。
出生届は誰が提出するものなの?
出生届の「届出人」の欄は「父か母」で署名押印が必要です。ただ出生届を自治体に提出する人は、代理人でも問題ありません。
- 同居者(兄弟や両親など)
- 出産に立ち会った医師や助産師
- 法定代理人
提出期限は出産後14日以内なので、普通は父親が自治体に提出するパターンが多いですね。父親が不在の場合は、自治体に問い合わせてどんな方法がとれるか検討しましょう。
出生届の提出には書類以外の持ち物も必要なので、代理人に持っていってもらうことを考えると信頼できる身近な人が良いと思います。
出生届の提出に必要なものって何?
出生届を自治体に提出する際は以下の書類なども必要です。忘れずに確認しましょう。
- 出生届(出生証明書と一対)
- 出生通知書
- 母子健康手帳
- 世帯主の健康保険証
- 届出人の印鑑
- 身分証明書(免許証など)
- 外国人登録証(養育者が外国籍の場合のみ)
世帯主がわからなければ、自治体で住民票を取得して確認してください。出生通知書は、自治体によって必要な場合もあります。出生通知書の詳細は以下を参考にしてください。
印鑑はシャチハタはダメです。身分証明書は届出人の免許証や保険証などです。
母子健康手帳は、「出生済み証明」欄に出生届の受理証明を押印してもらう必要があります。自治体が閉庁時に夜間窓口に預けた場合は、もう一度行かなければいけません。
出生届のついでに児童手当など
まーさ
出産でバタついているのはママだけではなく、家族みんないっしょです。そのため、なるべく必要な手続きはまとめて行いたいものです。
出生届を提出した際に、「児童手当」「出産育児一時金(出産一時金)」「乳幼児医療費助成制度」の申請もいっしょに済ませてしまいましょう。
申請方法など詳細は以下を見て欲しいんですが、おおむね以下の持ち物が必要です。
- 健康保険証(加入者のみ)
- 預金通帳(父・母名義or児童手当等申請者のもの)
- 身分証明書(必要な場合も)
乳幼児医療費助成制度は、赤ちゃんの健康保険証がないときは届いた後に健康保険証の写しを提示します。
児童手当、出産育児一時金の詳細、赤ちゃんの健康保険証の作り方は以下で確認してください。
出生届提出前後の注意点
まーさ
出生届の提出に際して、いくつかの注意点を押さえておきましょう。
ちゃんと戸籍登録されているか
出生届を提出して戸籍登録されることで、家族が1人増えたことを国や自治体が認識できるようになります。そのためちゃんと戸籍登録されているか確認しましょう。
子供の名前・漢字に間違いがないか
赤ちゃんの名前に使えない漢字を書いてしまうと再提出になります。漢字は役所の窓口でチェックされます。
また出生届に記入する名前は公的な手続きなので、一度受理されると変更が難しくなります。たとえ漢字を間違えても、かんたんに修正はできません。
後から改名するには裁判所の許可が必要です。そのため赤ちゃんの名前を決めるときは、以下を参考にしてあらかじめ名付けルールを知っておきましょう。
国外で出産したか
初めから予定して国外で出産すればいいんですが、突然国外で出産になると現地のことがまったくわからずに入院することもあります。
国外出産の出生届の提出期限は3ヶ月ですが、うっかり忘れるかもしれません。そのため先に大使館や領事館に連絡をとって、出生届の手続きを行うなど慌てず対処しましょう。
出生届が再提出になったか
生年月日や使用不可文字などの記載ミスがある場合は、出生届が受理されず再提出になります。面倒ですが仕方がありません。
母子健康手帳を忘れたり、印鑑を間違えた場合も受理されません。出生届の再提出はよくある話なので、14日間の期限ギリギリじゃなく余裕を持って提出してください。
出生届提出に遅れないよう…
出生届の提出期限を軽く考えちゃダメです。提出が遅れても「いつまでだったら許される~」、「何日以内なら大目に見てくれる~」という話じゃないんです。
ましてや、「出し忘れたけど、まぁ何とかなるだろ。」「未提出だけど、出すの面倒だなぁ。」で済ませるものじゃないです。
赤ちゃんを産んで育てようと決断した人が、最低限の社会のルールを守れないと何となく寂しい気持ちになります。
もちろん仕方ない理由で提出が1日遅れるなどは誰でもあることですが、その場合は「戸籍届出期間経過通知書」に遅延理由を記載して、なるべく早く提出してください。
わたしたちが日本で生活を営めるのは、保障が手厚い日本の社会があるためです。恩恵を赤ちゃんに受けさせるのは親の義務。自分のためではなく、赤ちゃんのためです。