まーさ
子供がいるとお金に代えられない幸せを感じますが、お金の心配なく赤ちゃんを産める女性は少ないですよね。
妊娠から出産までにかかる費用は、主に妊婦健診と入院・出産の費用です。ただ、入院・出産の費用は以下の通り「出産育児一時金」である程度賄えます。
そして、妊婦健診の費用も「妊婦健診費の助成制度」で賄える分があります。
妊婦健診費の助成制度を知らないと、妊婦健診費用で損をする可能性もあるので必ず押さえておきましょう。
注意全て2016年4月時点での情報です。
目次
妊婦健診費用の助成制度の仕組み
まーさ
厚生労働省は、妊婦健診は14回受けることが望ましいとしています。ただ、妊婦健診は14回前後で15万円以上の費用がかかります。
この妊婦健診費用を軽減するために、自治体が14枚前後の受診券(補助券)を発行しています。受診券(補助券)はサービス引換券や割引チケットのようなもですね。
受診券で賄える妊婦健診費用は自治体によって違いますが、賄える目安は10万円前後です。つまり妊婦健診費用15万円が、受診券を使えば5万円で済むということです。
受診券と補助券
受診券とは妊婦検査の検査項目が記載されている券のことで、サービス引換券の役割です。厚生労働省発表によると、受診券方式の自治体は1,476(84.8%)あります。
補助券とは医療機関で使える補助金額が記載されている券のことで、割引チケットの役割です。厚生労働省発表によると、受診券方式の自治体は265(15.2%)あります。
妊婦健診費の助成金額の違い
全国の市区町村の妊婦健診費の平均的な助成額は98,834円です(厚生労働省|平成26年度)。ただし、以下のように自治体でかなりばらつきがあります。
上記を見ると、助成額が12万円以上ならラッキーですが、4万円台は厳しいですね……。都道府県別の平均で見ると以下の通り。
都道府県名 | 公費負担額平均 | |
---|---|---|
1 | 青森県 | ¥118,920 |
2 | 岐阜県 | ¥117,882 |
3 | 山口県 | ¥116,315 |
4 | 長野県 | ¥116,214 |
5 | 徳島県 | ¥113,880 |
6 | 高知県 | ¥110,380 |
7 | 福島県 | ¥110,158 |
8 | 香川県 | ¥109,800 |
9 | 三重県 | ¥109,590 |
10 | 秋田県 | ¥108,428 |
11 | 宮城県 | ¥108,377 |
12 | 愛知県 | ¥106,725 |
13 | 島根県 | ¥106,036 |
14 | 新潟県 | ¥104,848 |
15 | 鹿児島県 | ¥102,050 |
16 | 宮崎県 | ¥101,887 |
17 | 福岡県 | ¥101,300 |
18 | 埼玉県 | ¥100,780 |
19 | 滋賀県 | ¥100,731 |
20 | 大阪府 | ¥100,209 |
21 | 長崎県 | ¥100,000 |
22 | 富山県 | ¥99,410 |
23 | 沖縄県 | ¥99,100 |
24 | 茨城県 | ¥98,451 |
25 | 佐賀県 | ¥98,370 |
26 | 岡山県 | ¥98,297 |
27 | 福井県 | ¥97,590 |
28 | 石川県 | ¥97,414 |
29 | 和歌山県 | ¥96,848 |
30 | 熊本県 | ¥96,600 |
31 | 大分県 | ¥96,600 |
32 | 奈良県 | ¥95,782 |
33 | 栃木県 | ¥95,000 |
34 | 鳥取県 | ¥94,756 |
35 | 北海道 | ¥93,821 |
36 | 群馬県 | ¥92,920 |
37 | 千葉県 | ¥92,665 |
38 | 岩手県 | ¥91,620 |
39 | 静岡県 | ¥91,200 |
40 | 広島県 | ¥91,184 |
41 | 京都府 | ¥90,730 |
42 | 山梨県 | ¥88,348 |
43 | 山形県 | ¥82,790 |
44 | 兵庫県 | ¥81,927 |
45 | 東京都 | ¥80,550 |
46 | 愛媛県 | ¥79,400 |
47 | 神奈川県 | ¥64,319 |
検査項目の実施状況
妊婦健診の検査項目は、国が推奨するレベルとして「A・B・C・記載なし」に分かれています。()内は実施割合です。
- 推奨レベルがAの検査項目
血液型等の検査|1,476市区町村(100.0%)
B型肝炎抗原検査|1,476市区町村(100.0%)
C型肝炎抗体検査|1,476市区町村(100.0%)
HIV抗体検査|1,414市区町村(95.8%)
梅毒血清反応検査|1,476市区町村(100.0%)
風疹ウイルス抗体検査|1,457市区町村(98.7%)
HTLV-1抗体検査|1,476市区町村(100.0%) - 推奨レベル記載なしの検査項目
血糖検査(2回)|1,290市区町村(87.4%)
血算検査(3回)|1,260市区町村(85.4%)
上記1-9の血液検査全て|1,068市区町村(72.4%)
超音波検査(4回)|1,141市区町村(77.3%) - 推奨レベルがBの検査項目
性器クラミジア検査|1,476市区町村(100.0%)
B群溶血性レンサ球菌検査|1,449市区町村(98.2%) - 推奨レベルがCの検査項目
子宮頸がん検診|1,228市区町村(83.2%)
「記載なし」は検査が推奨されていないわけではなく、実施が複数回あるため記載が省かれているものです。
受診券の検査項目事例)品川区
受診券に記載がない検査項目は自己負担です。必要な検査やトラブル時の検査は受けなければいけませんが、不必要な検査を行う必要はないです。
そこは「なるべく受診券(補助券)の範囲に抑えてください。」とあらかじめ話すなど、相談しながら妊婦健診を進めましょう。
ちなみに、品川区は通常の妊婦健診の受診券に超音波検査の受診券も合わせて、以下の内訳で15枚もらえます。
- 初回妊婦健康診査受診券8,450円上限×1枚
- 2-14回妊婦健康診査受診券5,150円上限×13枚
- 妊婦超音波検査受診券5,300円上限×1枚
内容は自治体で変わるため、気になる人は事前に調べてください。また補助券の場合、健診健診費用が上限より安くても返金はありません。
妊婦健診費の助成制度の手続き
まーさ
妊婦健診費の助成を受けるには、自治体に申請する必要があります。
病院もらった妊娠届出書、本人確認書類(免許証など)、印鑑を持って自治体に行くと、「母子健康手帳」と「妊婦健診費助成の受診券(補助券)」がもらえます。
受診券(補助券)は、次の妊婦健診から使うため忘れないで下さい。妊娠届出書の詳細と母子手帳のもらい方は以下で確認してください。
受診券(補助券)のもらい方・使い方流れ
妊婦健診の受診券(補助券)は、1回の健診(検査)につき1枚の券を病院に提出して使います。もらい方・使い方の簡単な流れは以下の通りです。
- STEP.1自治体で受診券をもらう病院に行き妊娠が確定したら、自治体に妊娠届出書を提出して母子手帳と妊婦健診費助成の受診券をもらいます。
- STEP.2受診券(補助券)の準備受診券を隅々まで読んだら、受診券の記入欄に住所氏名など必要事項を記入します。
- STEP.3妊婦健診で受診券を使う妊婦健診時に受診券を持参して、会計時に受診券を窓口に提出して病院に記入欄を埋めてもらいます。
- STEP.4補助券は自己負担があるかも補助券は金額記載のものもあります。もし不足分が出た場合は差額を自己負担で支払います。
妊婦健診費の助成制度の注意点
まーさ
妊婦健診の受診券はいつから使える?
妊娠が発覚しても、継続が確定しないと妊娠届出書をもらえないことがあります。その場合、次の来院は妊婦健診ではありません。妊娠届出書をもらった次が妊婦健診です。
里帰り出産でも受診券(補助券)は使える?
受診券を使えるのは同都道府県内など制限があるので、里帰り出産時は自治体に確認しましょう。先に自己負担で後から口座振り込みなどルールがあります。
引っ越ししても妊婦健診の受診券は使える?
引っ越しすると前の受診券は使えない可能性があります。その場合、引っ越し先の自治体で受診券・補助券の交換をします。ただし前の自治体と健診内容が違う場合があります。
妊婦健診の回数を増やすことはできる?
どの自治体でも受診券は14-15回が上限だと思います。もし妊婦健診の回数を増やしたい場合は、すべて自己負担です。
妊婦健診の受診券を失くしたらどうする?
受診券・補助券を失くしても再発行されません。その後の妊婦健診は、保険が効かないため全額自己負担です……。絶対に失くさないでください。
妊婦健診は医療費控除の対象になる?
妊婦健診の自己負担費用(受診券・補助券で賄えずに足が出た費用など)は、医療費控除の対象になります。
妊婦健診の受診券を忘れたらどうなる?
妊婦健診を受けたときに受診券・補助券を忘れた場合は、一旦自己負担になります。その後、自己負担分との差額の払い戻しがあるかどうかは自治体のルールによります。
また受診券・補助券の発行前に妊婦健診を受けた場合も、自治体のルールで払い戻しを受けられる可能性があります。
妊婦健診の受診券が余ったらどうする?
受診券・補助券が余ったとしても返金(現金化)はできません。
病院・診療所・助産院は事前に調べる
出産にかかる費用は病院・診療所・助産院によって違います。評判も対応も違いますが、人気がある病院は早めに予約をとらないといっぱいになってしまいます。
そのため、妊娠前にある程度出産場所の絞り込みをしましょう。
出産場所を選ぶ基準は妊婦の扱いを重視して欲しいんですが、妊婦健診の費用も大切なことです。出産場所選びは慎重に行ってください。