赤ちゃんが生後4ヶ月を過ぎたころに、親から「もうそろそろ、離乳食の準備しなきゃダメよ!」と言われた人はいませんか?
まーさ
今の育児では離乳食は生後6ヶ月から、また余裕を持って生後7ヶ月から始めても問題ないと言われています。
以前は以下のように言われてましたが、現在この考え方は否定されています。わたしたちの親世代の常識とは違うんです。
- 産後6ヶ月以降の母乳は栄養価が下がるため、生後5ヶ月から離乳食にする方が良い
- 生後7ヶ月を過ぎてから離乳食を与えたのでは、十分な咀嚼力がつかない
世界保健機関(WHO)では、生後6ヶ月までの赤ちゃんは母乳摂取のみを推奨しています。そのため、焦って早めに離乳食を始める必要はありません。
妊娠中および授乳期の食品安全と栄養|世界保健機関 (WHO)
もちろん赤ちゃんの成長には個人差があるので、「離乳食も生後何ヶ月からって決められないんじゃない?」と思う人がいて当然です。
というわけで、「そろそろ離乳食始めてもいいかなぁ。」という離乳食開始サインと見極めるポイントについてお話します。
目次
赤ちゃんの離乳食を始める平均的な時期
まーさ
WHOの離乳食の開始時期は6ヶ月以降が推奨なのはわかりましたが、日本の離乳食の平均的な開始時期はいつごろなんでしょうか。
平成17年度乳幼児栄養調査結果から作成された「授乳・離乳の支援ガイド」によると、離乳食開始時期と完了時期は以下のように推移しています。
昭和60年の離乳食開始時期で最も多いのは生後4ヶ月で34.9%、平成7年は生後5ヶ月で43.5%、平成17年はさらに生後5ヶ月が増えて47.6%、また生後6ヶ月も28.6%まで増えています。
つまり離乳食の開始時期は、以前より遅くて良いことが徐々に認識されてきてるんです。離乳食の完了時期も以前より遅くなってますね。
厚生労働省では平成19年の「授乳・離乳の支援ガイド」から、離乳食の開始時期を「生後5ヶ月になった頃」→「生後5,6ヶ月頃」と変更しています。
離乳食を始めるサインと見極め方
まーさ
離乳食の開始時期にあまり神経質にならず、WHOの提言通り生後6ヶ月間は母乳育児で問題ないです。
ただ、新しいことを始めるときは何となく納得できる区切りが欲しいですよね。そのため赤ちゃんに以下のサインがあれば、離乳食を始める目安と考えましょう。
よだれがよく出るようになる
赤ちゃんは離乳食時期になるとよだれ(唾液)が多く出るようになります。唾液は食事に必要な、消化作用と自浄作用を持っています。
消化作用は、よだれ中のアミラーゼという酵素でデンプンをブドウ糖に分解して吸収しやすくします。自浄作用は、口内の食べ物や残差を洗い流して菌の定着を防ぎます。
お座りができるようになる
寝転がったまま離乳食を飲み込むことは難しいです。そのため赤ちゃんの腰がすわって自分で身体を起こしていられるようになれば、離乳食開始の目安になります。
もちろん支え無しでお座りができていると、離乳食はより食べさせやすくなります。赤ちゃんのお座り時期は早い子で生後5-6ヶ月ごろ、平均は7ヶ月ごろです。
ママの食べるマネをする
赤ちゃんが食事するママの口元をじっと見たり、口をパクパク動かすなどの真似をしていれば、食べることに興味があるということ。そのため、離乳食開始の目安になります。
食べ物を見せると口を開ける
食べ真似と同じように、赤ちゃんに食べ物を見せると口をあーんと開ける場合も食べることに興味を持っています。これも離乳食を始める目安の1つと考えられます。
押し出し反射がなくなる
赤ちゃんは、舌に乳首や哺乳瓶以外の固形物が触れると押し出す「押し出し反射」があります。これは、異物を飲み込んで窒息しないための反射です。
押し出し反射は生後5-6ヶ月までなので、消失は離乳食開始のサインの1つです。
離乳食の開始時期で大切なこと
赤ちゃんの離乳食開始サインと開始時期の見極め方はいくつもあります。離乳食開始のサインを見極めることは、赤ちゃんの成長を感じるためにも大切なことです。
ただ生後4ヶ月前によだれが多くなったから離乳食を始めるというのも、生後8ヶ月でもお座りが安定しないから離乳食を待つというのも適切な判断ではないです。
赤ちゃんは、固形物を受け入れられるように胃腸の機能も成長しますが、それは赤ちゃんの外見の様子からはわかりません。
そのため生後6ヶ月を離乳食を開始する目安にして、よだれやお座り、押し出し反射などを合わせて見ることで、ママが納得して離乳食を始めることが大切なんです。
離乳食が始まると、ゴックン期、モグモグ期、カミカミ期、パクパク期など月齢で離乳食の状態や回数が変わります。次回は、離乳食の時期と食事の変化についてお話します。