まーさ
平成22年6月30日施工の育児・介護休業法の改正より、「両親ともに育児休業をする場合の特例」が定められました。
この育児休業の特例を通称「パパママ育休プラス」と言います。ただ、残念ながらあまり知られてません。
なぜならパパママ育休プラスは、男性が育休を取ることで初めて恩恵がある制度だからです。「育休は俺には関係ないやー。」と考えている男性には関心が薄いんでしょう。
逆に言うとパパママ育休プラスの認知度が高まることで、男性の育休取得率が増えるかもしれません。
ではパパママ育休プラスとはどのような制度なんでしょうか。パパママ育休プラスの特徴と活用の具体例、育児休業給付金の取り扱いなどについてお話します。
目次
パパママ育休プラス制度とは
まーさ
パパママ育休プラスは夫と妻の両方が育休を取得する場合、妻が専業主婦で夫が育休を取得する場合に(逆も可)、育休対象の子の年齢制限が1歳から1歳2ヶ月になる制度です。
夫婦同時に育休を取得するだけじゃなく、交互に育休を取得する場合も含まれます。
勘違いしがちですが、パパママ育休プラスは育休の期間が増える制度じゃありません。延長なしで1歳までの育休期間を1歳2ヶ月にまでに振り分けられるものです。
まーさ
まぁそれだけなんですが、1歳から1歳2ヶ月に伸びた2ヶ月を有効活用すれば、子育ての準備や職場復帰の手助けなど工夫次第で大きなメリットになります。
また育児・介護休業法の改正で、いくつか重要な改正事項がありました。もしかしたらそちらの方が大切かもしれないので、以下を押さえておきましょう。
育児・介護休業法の改正事項
夫は1人の子に育休を2度取れる
以前は「育休は連続した1回の取得」が原則でしたが、以下の条件を満たすと後に期間が空いても子供が1歳までに再度育休を取得できます。これを「パパ休暇」と言います。
- 子の出生後8週間以内に育児休業を取得していること
- 子の出生後8週間以内に育児休業が終了していること
会社は男性の育休を断れない
以前は「子育てに専念できる配偶者がいる者」つまり妻が専業主婦の場合、夫の育休は会社が拒否できました。ところが法改正で夫の育休を会社は断れなくなりました。
パパママ育休プラスの申請条件と疑問点
まーさ
パパママ育休プラスを利用する条件はとくに難しいものじゃありません。以下の条件に当てはまれば利用できます。
- 妻が育休を取得していること、または専業主婦であること
- 夫の育休開始日が、子供の1歳の誕生日以前であること
- 夫の育休期間が合算で1年以内であること
- 妻の育休終了日が子供の1歳の誕生日前日までであること
育休の延長はできる?
パパママ育休プラスを活用して、子供が1歳2ヶ月まで育休を取得した場合でも育休は延長できます。通常通り1歳6ヶ月まで(さらに2歳になる前日まで)が最大延長期間です。
妻が専業主婦でも対象になる?
妻が専業主婦でも、夫の育休取得でパパママ育休プラスの対象になります。
妻が1歳2ヶ月まで育休取得できる?
パパママ育休プラスは子供が1歳2ヶ月までに育休期間を振り分けられる制度なので、夫婦の育休の組み合わせで妻が1歳2ヶ月まで育休を取得することも可能です。
その場合、妻は1度育休ではない期間を挟みます(妻の育休は最大308日間)。
夫と妻の育休に間が空いても良い?
仕事の都合上どうしても両方が育休を取得できない期間があり、その期間は実家に子供を預けたとします。
このように空白期間を挟んでもパパママ育休プラスの条件に合っていれば、問題なく1歳2ヶ月まで育休を継続できます。
パパママ育休プラスの育休期間具体例
まーさ
パパママ育休プラスを活用すれば、いろんな育休期間のパターンを作れます。
これはパパとママが育休を取得していますが、パパママ育休プラスのメリットを活用してない基本的なパターンですね。
妻の育休期間は産後休業終了日の次の日から1歳前日まで、夫の育休期間は出産日から1歳前日までです。そのため夫は妻の産後ケアも含めて、同じ期間だけ育休を取得します。
具体例1.夫婦同時に育休取得
パパママ育休プラスのメリットである1歳から1歳2ヶ月を有効に使うパターンです。この育休の取得方法が家族にとって一番育休が最大になります(育休延長なしの場合)。
具体例2.夫婦交代で育休取得
夫が育児したいけどあまり育休取れない……でも育休期間は長い方が良いという場合のパターンです。夫が育児の経験無しでワンオペするので、事前準備が大切です。
具体例3.夫の育休再取得を利用
連続で長期の育休を取れない夫が、産後の妻のケアと1歳前の育児をしたいときのパターンです。「パパ休暇」があるので、期間が空いても再度育休を取得できます。
同じく連続で長期の育休を取れない夫が、産後の妻のケアと1歳後の育児をする育休パターンです。ワンオペする旦那さんも、1度経験すると取り組みやすいですね。
以下はパパママ育休プラスの休暇パターンが紹介されてるので参考にしてください。
育児休業制度|【平成29年10月1日施行対応】育児・介護休業法のあらまし|厚生労働省
パパママ育休プラスの育児休業給付金
まーさ
パパママ育休プラスに魅力を感じ、せっかく旦那さんが活用する気になっても育児休業給付金が出ないと申請を迷いますよね。
でも安心してください。夫婦が両方育休を取得しても、それぞれの期間に応じてちゃんと2人分の育児休業給付金をもらえます。
夫婦の育休が被っていても支給されますし、以下の条件を満たしていれば、パートやアルバイトでも育児休業給付金を受け取れます。
- 雇用保険に加入している人
- 育児前の2年(24ヶ月)の間で、11日以上働いた月が12ヶ月以上ある人
- 育休期間中に勤務先から給料が支払われる場合、その金額が80%未満である人
- 育休期間中に勤務する場合、1ヶ月の就業日数が10日以下(80時間以下)である人
事前に育児休業給付金がいくら支給されるか計算しておきましょう。
夫の育休は周りの協力があってこそ
パパママ育休プラスで旦那さんの育児が増えると、ママは職場復帰する準備ができますし育児の負担も減ります。
まーさ
というママも1歳2ヶ月までの期間をうまく使えば旦那さんの主体的な育児が期待できますし、ママの職場復帰後に家計も安定しやすいですね。
ただ旦那さんの育休は夫婦だけの問題じゃなく、周りの協力もないと実現できません。
会社は旦那さんの育休を断れませんが、同僚や取引先の心の中まではコントロールできません。実際、パタニティハラスメントの事例も増えています。
旦那さんがママの妊娠・出産を助けることと同じように、ママも旦那さんの育休取得に協力して助けられるようにしましょう。出産後に旦那さんの職場にお礼するとか。