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妊娠22週以降の人工中絶手術は法律違反…堕胎罪の種類と刑罰

妊娠22週以降の人工中絶は法律違反

まーさ

なんで中絶手術を受けられる期限があるの?もし期限を過ぎた場合どうすればいいのかな……。

世の中には止むに止まれぬ事情で、中絶する人がいます。ただいつどんな中絶手術をしても良いわけじゃなく、手術が可能な期間は妊娠21週6日までと決まっています。

では妊娠22週目以降は、どんな事情があっても中絶手術を受けられないんでしょうか。妊娠22週目以降に中絶手術を受けたら、罪に問われる可能性はあるんでしょうか。

  • 中絶手術ができる時期を具体的に教えて。
  • 中絶手術ってどういう風にするの?
  • 中絶手術にかかる費用っていくらなの?

中絶手術を受けようか迷ってる人はこの記事を読んでください。決断することは怖いことですが、放置しても何も解決しません。

この記事を読んであなたを取り巻く現状を把握して、中絶をするか出産するかを選択する参考にしてください。

人工中絶手術が可能な時期

まーさ

中絶手術っていつからいつまで受けられるものなの?

人工中絶手術を受けられる時期は、妊娠週数で決められています。現在、中絶手術が可能な妊娠週数は「妊娠満22週未満」です。

中絶手術はいつからできる?

中絶手術がいつから行えるかは、病院によって違います。妊娠がわかる時期が妊娠4週ごろで確定する時期が妊娠5-6週以降なので、中絶手術は早くても妊娠5-6週以降です。

あまり早い段階で中絶手術をすると、子宮壁に傷をつけたり、胎児が小さすぎて取り残す可能性があります。

中絶手術の流れ | 渋谷文化村通りレディスクリニック公式ページ | 婦人科 中絶手術 ピル処方

中絶手術はいつまでできる?

中絶手術が可能な時期は「妊娠満22週未満」で、妊娠21週6日をすぎると行えません。日本産婦人科医会では、リスクがあるため妊娠11週までが望ましいとしています。

人工中絶手術には準備期間が必要です。病院や妊娠週数で準備期間は違いますが、妊娠21週に入ってから病院に行ってもすぐに中絶手術はできません。

妊娠満22週以降に中絶手術を行うと、妊婦や胎児の父親、医師など関係者全員が同意をしていても「堕胎罪」になります。後ほど詳しく解説します。

中絶手術の方法と手術の流れ

まーさ

中絶手術ってどんな方法でするものなの?流れを教えて。

初期中絶手術と中期中絶手術

人工中絶手術は、妊娠週数によって「初期中絶手術」と「中期中絶手術」に分かれます。

人工妊娠中絶について教えてください。 – 日本産婦人科医会

初期中絶手術の方法と詳細

初期中絶手術とは、妊娠11週6日までに行う中絶手術です。

初期中絶手術は、鉗子で子宮内から胎児などを掻き出す「掻爬法そうはほう」、吸引機で吸い取る「吸引法」があり、子宮内容除去術と言います。

掻把法は子宮頸管を広げる前処置がありますが、吸引法は前処置が要りません。どちらも手術は10分ほどなので、術後の経過が問題なければ医師の判断で日帰りも可能です。

中期中絶手術の方法と詳細

中期中絶手術とは、妊娠12週0日から妊娠21週6日までに行う中絶手術です。

中期中絶手術は、陣痛促進剤を投与して分娩のように胎児を娩出した後に胎児の命を断つものです。陣痛を促すので、出産前のような痛みが伴う場合もあります。

中期中絶は初期中絶と違って胎児も成長してるので、妊婦は事前準備と術後の経過観察も含めて4-5日の入院が必要な場合があります。

中絶手術の流れと手順

中期中絶手術は数日の入院が必要です。以下は、中絶手術の流れの1例です。

中絶手術までの流れ

中絶手術を行うには、事前準備が必要です。たとえ初期中絶手術でも妊娠が発覚してすぐに手術できるわけじゃなく、以下の流れで中絶手術を行います。

  1. 現在の妊娠週数を計算してから中絶手術日が決定される。
  2. 必要な場合は手術前の検査を行う。
  3. 中絶手術前に中絶同意書などの必要書類を提出する。
  4. 入院など必要な準備をしてから中絶手術を行う。

中期中絶手術1日目

中期中絶手術を行う場合、事前準備としてラミナリアかんを子宮頚管に挿入して拡張します。2日かけて子宮頸管を拡張する場合もあります。

中期中絶手術2日目

子宮頸管を拡張したら、次は子宮内でバルーンを拡張させて子宮収縮を促します。また陣痛促進剤を投与しますが、陣痛までに10時間以上かかる場合もあります。

陣痛が始まった後に通常分娩で胎児を娩出し、子宮内容除去術で子宮内容物を掻き出して手術が完了します。

バルーン挿入から、実際の胎児の娩出までに数日入院をする場合もあります。

中期中絶手術3日目以降

長い場合2-3日の入院が必要です。中期中絶手術は厚生労働省が定める死産(妊娠12週以降)なので、死産証明書と死産届を役所に提出して死児を火葬しなければいけません。

初期・中期中絶手術費用の目安

中絶手術は、ほとんどの場合が保険適用外で自己負担です。そのため中絶費用はバラバラです。

中絶手術の費用とその他にかかる費用

「中絶手術ができる東京のクリニック比較」というサイトによると、中絶手術費用の目安は以下のようになります。

中絶手術費用の目安

  • 初期中絶手術費用の目安|70,000-150,000円
  • 中期中絶手術費用の目安|200,000-300,000円
  • 妊娠検査|500円-1,000円程度
  • 手術前検査料金|3,000円-7,000円程度
  • エコー|2,000円程度
  • 薬品代|数百円程度

妊娠11週までの初期中絶手術は難しいものじゃないので、それほど費用はかかりません。

妊娠12週からの中期中絶は入院+経膣分娩をするので、ある程度費用がかかります。また母体に想定外のことが起こり、治療が必要な場合はその分の費用も必要です。

人工妊娠中絶の手術費用の目安

健康保険適用のケースは?

中絶手術は保険適用外ですが、特例として保険が適用される可能性があります。

・胎児が子宮の中で死亡し、掻把(そうは)手術が必要だと判断された場合
・妊娠の継続が母体の生命をおびやかすと判断された場合

人工妊娠中絶手術の費用金額の目安・保険は使える? [流産の基礎知識] All About

どちらも緊急手術で、母体にリスクがあると判断された場合です。つまり母体リスクを避ける目的の中絶手術は保険適用になります。

また緊急手術以外では、術後に感染症などの合併症を起こし、それを治療する費用に保険が適用されます。

妊娠22週以降の中絶は堕胎罪になる

まーさ

妊娠22週以降に中絶すると罪になるってほんと?どういう罪になるの?

堕胎罪とは

妊娠22週0日以降の人工中絶は法律違反で、「堕胎罪だたいざい」という罪になります。

堕胎罪とは、人為的に胎児を母体から分離・排出する罪です。堕胎で胎児が死亡したかは関係なく、母体や胎児に影響を与えて堕胎状況を作ったことで判断されます。

もちろん胎児を母体内で殺してしまうことも堕胎罪です。つまり母体を殺傷し、胎児を危険に晒した罪とも言えますね。ただし、胎児の死に殺人罪は適用されません

日本では刑法第2編第29章の「堕胎の罪(刑法212条-刑法216条)」に規定されていて、堕胎罪での検挙数は年間数件あります。

堕胎罪の種類と刑罰の重さ

堕胎罪には複数の種類があり、それぞれ刑罰の重さも変わります。

自己堕胎罪|妊婦本人による堕胎

自己堕胎罪とは妊婦が薬物やその他の方法で結果的に堕胎に至った罪のことで、妊婦は1年以下の懲役に処されます(刑法212条)。

同意堕胎罪|承諾を得た第三者による堕胎

同意堕胎罪とは妊婦から依頼されたり、承諾を得て第三者が堕胎させた罪のことで、堕胎させた第三者は2年以下の懲役に処されます。

また堕胎は妊婦を傷つける行為(妊婦死亡もあり得る)にもあたるので、3ヶ月以上5年以下の懲役に処されます(刑法213条)。

業務上堕胎罪|医師・助産師などによる堕胎

業務上堕胎罪とは妊婦から依頼されたり、承諾を得て医師などの医療業務者が堕胎させた罪のことで、医療業務者は3ヶ月以上5年以下の懲役に処されます。

また妊婦を傷つける行為(妊婦死亡もあり得る)にもあたるので、6ヶ月以上7年以下の懲役に処されます(刑法214条)。医療業務者は身分で刑が重くなる場合もあります。

不同意堕胎罪・不同意堕胎致死傷罪|承諾がない第三者による堕胎

不同意堕胎罪・不同意堕胎致死傷罪とは第三者が妊婦の依頼や承諾なく堕胎させた罪のことで、堕胎させた第三者は6ヶ月以上7年以下の懲役に処されます(刑法第215条1項)。

また故意・過失に関わらず不同意の堕胎未遂も刑罰対象になり、妊婦を傷つけた場合は傷害罪として15年以下の懲役及び50万円以下の罰金が課されます(刑法第215条2項)。

どうしても中絶が必要な場合は?

妊娠22週以降の中絶のことを後期中絶と言い、妊婦本人の申し出の如何に関わらず中絶に至った場合は関係者が堕胎罪になります。

では、妊娠22週目以降で母体に生命の危険が生じて、どうしても堕胎をせざるをえない場合の人工中絶でも堕胎罪になるのでしょうか。

妊娠22週以降の堕胎罪の例外

医療上の理由で母体救命のために中絶手術が必要でも、胎児が生存可能な早産時期なら胎児救出を優先してから母体救命すべきとされています。

ただし指定の医師が胎児の生存の見込みが無いと判断した場合は、分娩途中で中絶をして母体救命の緊急措置がとられます(母体保護法第14条)。

この母体保護法第14条に基づく後期中絶手術を「胎児縮小術」「回生術」「部分出産中絶」などと言います。

つまり妊娠22週以降で母体の危険があったとしても、まずは胎児の生存を考え、特定の医師が難しいと判断した場合のみ後期中絶手術を行うというくらい堕胎罪は厳格なんです。

世界各国の中絶手術の法律はバラバラです。日本ほど中絶手術容認の国は少なく、妊娠22週より短い期間で認められていたり、そもそも中絶手術自体が違法な国もあります。

人口中絶を回避する2つの方法

妊娠22週以降は妊娠6ヶ月目にあたるので、妊婦は胎児の胎動を感じているでしょう。胎動は一般的に妊娠20週前後、早い場合は妊娠14週ごろに始まります。

赤ちゃんの出産を迷っているうちに胎動が始まると、妊婦は心情的に人工中絶手術ができなくなります。

もちろん出産するに越したことはないですが、犯罪に巻き込まれて妊娠する女性もいるので、どんな理由でも妊娠したら赤ちゃんを産んで育てなければいけないとは言えません。

ただ妊娠22週以降はどんな理由があっても人工中絶はできません。誰も人協力してくれませんし、誰にも依頼できません。そのため決断はなるべく早くしてください。

もし決断が遅れて赤ちゃんを育てられない人が出産したら、どうすればいいでしょうか。

自分の身を犠牲にしても満足に育児できない人、精神的・肉体的に親の努めを果たせない人が出産をした場合、赤ちゃんはどうなってしまうんでしょうか。

そこで赤ちゃんを救済する制度として、「特別養子縁組」「里親制度」があります。特別養子縁組と里親制度については、また別途まとめたいと思います。

どちらにしても中絶手術を安易に考えてはダメです。中絶手術に潜むリスクを以下にまとめたので、手術を受ける前に目を通して参考にしてください。