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赤ちゃんの平熱・発熱・高熱・微熱の違い、病院を受診する体温

赤ちゃんが発熱!体温で対応は変わる

ある日、ママが赤ちゃんの体温を測ると、「えっ!38℃!大変、病院行かなきゃ!」

赤ちゃんの突然の発熱は珍しくありませんが、もし初めての育児で初めて赤ちゃんが発熱した場合、ほとんどのママはオロオロします。

ところで、赤ちゃんが発熱したときにどのような対応をすればよいか、体温が何℃のときにどのような対応をすればよいかわかりますか?

小児救急電話相談(#8000)や病院に電話をして、「うちの子高熱が出てるんです!」と言ったら、きっと「お母さん、まず落ち着いてお子さんの様子を教えて下さい。」と言われるでしょう。

ママは、これから自宅でどのような対応をするときも、赤ちゃんや子供の発熱を電話口で伝えるときも、まず発熱やそれ以外の正確な状況を把握する必要があります。

そこで大切なことは、赤ちゃんの発熱・高熱・微熱が何℃か知っておくこと、そして、発熱・高熱・微熱のときに落ち着いて正しく対応することです。

今回は、赤ちゃんの発熱・高熱・微熱が何℃なのか、また、様子を見るべき体温とすぐに受診した方が良い体温の目安についてお話したいと思います。

赤ちゃん・子供の発熱・微熱・高熱とは

大人は、自分の平熱や発熱時の体調をある程度把握しています。平熱が36℃前後の低めの人は、37℃ちょいでフラフラになりますし、平熱が36.8℃など高めの人は、37℃台は割と平気だったりします。

一方、赤ちゃんは大人に比べて体温が高めなうえ、その日の体調や状況・環境・時間帯によって、体温の上下幅が大きいため、体調の見極めが難しいですよね。赤ちゃんの発熱・微熱・高熱は以下のように定義できます。

赤ちゃん・子供の発熱とは

発熱とは、病気などで体温が37.5℃以上になった状態を言います。医学書では腋の下の温度=腋窩温(えきかおん)で37.5℃以上とされますが、平熱+1℃が病気とする説もあります。

人の身体が発熱するのは、体温を上昇させて免疫系の活性化を促したり、体内に侵入したウイルスの増殖を抑える温度に体温を上げるためです。

一般的に、発熱は乳幼児(0-6歳)も含めて、体温が37.5℃以上というのは同じ基準で考えます。そのため、赤ちゃんの体温が37.5℃以上を1つの目安として、ママは病院や保育園・幼稚園などと連携した対応が必要になります。

MedicalNote_子どもの症状

赤ちゃん・子供の高熱とは

高熱とは、体温が38.0℃以上になることを言います。厚生労働省が定める感染症法では38℃以上を高熱と定義しています。そのため、平熱にもよりますが、おおむね38.0℃以上を高熱と考えれば良いでしょう。

一般的に高熱が出るということは、体温を上げなければ死滅できないほど強いウイルスが体内に侵入しているということです。

赤ちゃん・子供の微熱とは

微熱は厳密に定義されていませんが、乳幼児期であれば37℃台と考えれば良いでしょう。たとえば37.3℃だと発熱とは言いませんが、平熱が低い子の場合は「微熱がある」と捉えて、赤ちゃんの微熱の原因を考えます。

ちなみに、保育園・幼稚園の登園を控えるのは、一般的に発熱(37.5℃)からです。そのため、検温した際に37.3℃でも、平熱が低い大人と同じように考える必要はありません。

赤ちゃん・子供の平熱とは

発熱、高熱、微熱の定義を説明しましたが、これらは単なる定義で、もっとも重要なことは赤ちゃんの平熱を知ることです。

平熱とは、病気で発熱をしていない健康な状態で、食後やお風呂の後などではなく、安静にした状態で測った体温のことです。温度は35℃後半から37℃前半くらいで、個人差があります。

たとえば、ある条件の平熱が37.1℃の赤ちゃんを検温して37.5℃だったとしても、それが”発熱”なのか環境による体温上昇なのかは、その場にいるママにしかわかりません。

一般的に、人間の平熱は起床前が最も低く、夕方から夜にかけて高くなります。そして、平熱は人によって1℃近く差が出る場合もあります。もちろん、赤ちゃんも時間帯や環境によって体温が異なります。

そのため、赤ちゃんは起床前、昼食前、午後、就寝前の4回検温を行い、日々記録することでといざというときに備えましょう。

赤ちゃんは何℃の熱で病院に連れて行く?

もし、赤ちゃんが熱っぽいと感じた場合、何℃以上の熱なら病院に連れて行けば良いのでしょうか。

病院に行く熱の判断1.微熱(37℃台)の場合

赤ちゃんは、生後3ヶ月くらいまでは体温調節機能が未熟なため、洋服の着せ過ぎや空調温度の上げ過ぎ、授乳の後、泣いた後など、すぐに37℃台まで体温が上がってしまいます。

また、以下のように赤ちゃんが健康でも、1日のうち朝は体温が低めで、夕方を過ぎると体温が上がります。これを日内変動(にちないへんどう)と言います。

乳幼児男女の平熱目安

テルモのデータを表化したもの

環境など体温が上がる要素が重なった微熱の場合、赤ちゃんの機嫌は普段と変わらないはずです。まずは半日-1日ほど様子を見て、こまめに体温を測り、場合によって少し多めに水分補給(母乳やミルク授乳)をしましょう。

もし赤ちゃんの機嫌が良く、微熱から平熱に戻れば受診の必要はありませんが、再び熱が上がってきたら、赤ちゃんの機嫌に関係なく1度病院で受診しておきましょう。

また、熱が37℃台でも機嫌が悪かったり、寝付きが悪かったり、母乳を飲まなかったり、ぐったりして苦しそうなときもすぐに受診しましょう。

病院に行く熱の判断2.発熱して微熱に下がった場合

赤ちゃんが発熱(37.5℃以上)した場合は、それから微熱に下がったとしても、発熱した原因があると考えます。

生後3ヶ月くらいまではとくに体調管理、体温管理が難しい時期なので、赤ちゃんの熱が一旦下がっても他の症状が現れる場合もあります。

そのため、診療時間内であれば病院に行き、診療時間外の発熱であれば次の日の診療予約を行うなど、早めに受診するようにしましょう。

病院に行く熱の判断3.38℃以上の高熱の場合

まず、生後3ヶ月までの赤ちゃんであれば、38℃以上の高熱のときは必ず病院で診てもらいましょう。「うちの子平熱が高いから~~」というのは、もう少し慣れてからの方が良いと思います。

もちろん、生後3ヶ月以降の平熱が高い子でも、病院で診てもらうに越したことはありません。診療時間内であれば、すぐに病院に連れて行き、診療時間外であれば、次の日の朝に病院の予約をして一晩様子を見ます。

高熱でも赤ちゃんの機嫌が良かったり、母乳をしっかり飲んでいる場合は問題ないという人もいますが、個人的にその判断は赤ちゃんの発熱を何度も経験してから、徐々にそういう対応をしていくものだと思います。

発熱から入院!?赤ちゃんは大丈夫?

突発性発疹、インフルエンザ、尿路感染症、嘔吐下痢症、中耳炎など、発熱を伴う赤ちゃんの病気はたくさんありますが、乳児期の病気は症状から病気の特定が難しいはずです。

さらに、単体ではそれほど問題がない発熱でも、体力がなく免疫機能や回復機能が未熟な赤ちゃんは、他の病気を併発する可能性があります。

そのため、赤ちゃんの発熱による病院での検査は慎重に行われ、場合によってはすぐに検査入院の措置がとられることもあります。

もちろん、「赤ちゃんの身体なので慎重に」という意味も含まれた入院も多いため、ママは「赤ちゃんは入院する可能性がある」という認識を持っておきましょう。

ちなみに乳幼児の医療費は、市区町村によって「通院費に適用される助成」「入院費に適用される助成」「両方に適用される助成」の3パターンがあります。こちらも先に知っておくと心の準備ができますね。

赤ちゃんの発熱で救急外来を使う目安

ドラマなどで赤ちゃんが急に発熱し、ママが赤ちゃんを抱えて、慌てて病院に駆け込むシーンを見たことはありますよね。わたしも子供が夜中に発熱する経験は何度かしていますが、昼間の発熱よりもドキドキします。

赤ちゃんが診療時間外の夜中に発熱した場合、まずは慌てずに赤ちゃんの様子を観察してください。

仮に赤ちゃんが高熱でも、生後3ヶ月以降で比較的機嫌が良く、母乳やミルクを飲んで寝付きも良いようであれば、慌てて救急外来を使わなくても問題無いでしょう。

基本的には以下の通りです。発熱をしたのが赤ちゃんでも子どでもママの対応はそれほど変わりません。

子供の発熱でママがすること
1.体温計で熱を計測
2.症状の確認
3.おむつのおしっこ・うんちの確認
4.症状に合わせて着替え
5.水分をこまめに補給
6.とりあえず布団を用意
7.体温より体感温度に合わせた調節
8.小児科の予約をする
9.小児救急電話相談(#8000)の利用
10.救急外来を利用

ただし、赤ちゃんに緊急を要するかは、熱の高さだけではなく、赤ちゃんの様子や全身の状態を見て判断しなければいけません。

以下の症状を伴った発熱の場合は、たとえ37℃台だったとしても緊急性が高い可能性があるため、すぐに病院に向かうか、救急外来や救急車を利用してください。

子供に緊急性が疑われる症状
・元気がなくぐったりしている
・呼びかけても反応がない
・顔色が青く、呼吸が荒い
・母乳などの水分を摂取できない
・生後0-3ヶ月の赤ちゃんの高熱
・血便や血尿が出た
・嘔吐や下痢が激しい
・熱性けいれんがあり、5分以上続く
・熱性けいれんが何度もある
など

明確な判断がつかなければ、小児救急電話相談を利用してください。プッシュホンの「#8000」でつながります。スマホからもつながりますが、ダイヤル回線・IP電話・光電話からはつながらないので注意しましょう。

小児救急電話相談は都道府県によって利用できる時間帯が異なるため、以下で確認してください。対象年齢は生後1ヶ月から6歳までです。

基本的には病院で診てもらう対応でOK!

赤ちゃんは平熱が高めの子が多いため、微熱であれば基本的に問題はないと言われています。ただし、一概に熱が高いから重い病気、熱が低いから軽い病気というわけではありません。

たとえ赤ちゃんが微熱でもママが気をつけるべきことは、母乳などで水分補給ができているか、ぐったりしていないか、うんちやおしっこに異変はないかを観察することです。

もし、熱が上がったり下がったりを繰り返す場合は、なるべく早めに病院に行き、現在の状況を医師に説明してください。「何となく大丈夫かな。」とは考えないよう。

生後間もない赤ちゃんは、何か異変を感じたら基本的に病院で診てもらう対応でOKだと思います。わたしたちは医療の専門家ではないので、基本的な水分補給に気をつけて、病院に連れて行くなり、電話で判断を仰ぐなりになるでしょう。

ただし、ノロウイルスなどによる嘔吐下痢症の場合は水分補給をせずに、すぐに病院に連れて行く必要があります。判断が難しければ、小児科や小児救急電話相談に電話してください。

なお、救急外来は小児科医だけが担当するわけではありません。あくまでも救急なので、救急外来を利用した次の日には小児科を受診して、「昨日救急外来に行って、このような処置をされました。」と話してください。


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