まーさ
妊婦が出産で1番気になるのは赤ちゃんが健康で産まれてくれるかどうかです。そのため、赤ちゃんの健康を判断する指標が大切なんです。
赤ちゃんが成熟して産まれてくれればいいんですが、そうじゃない場合もあります。出産後すぐに赤ちゃんに医療処置をするには、事前に成長具合を予測しないといけません。
事前に成長を見極めるにはいくつか指標があり、その指標で赤ちゃんの健康を分類します。赤ちゃんの健康を判断する指標は以下の3つです。
- 出生体重
- 妊娠週数
- 発育曲線
今回は、出産したばかりの赤ちゃんの成長具合を見極めるための指標と分類方法についてお話しますね。
目次
出生体重による赤ちゃんの分類と割合
まーさ
早産でも正期産に近い体重の子はいますし、正期産でも体重が軽い子はいますが、生まれる時期関係なく出生体重で赤ちゃんを分類すると以下のようになります。
出生体重による分類
高出生体重児(巨大児)
高出生体重児とは、出生体重が4000g以上の赤ちゃんのことで、一般的には巨大児と呼ばれます。巨大児の出産割合は、出産全体の0.8%ほどです。
正出生体重児
正出生体重児とは、出生体重が2500g以上4000g未満の赤ちゃんのことです。正出生体重児の出産割合は、出産全体の80%ほどです。
低出生体重児(低体重児)
低出生体重児とは、出生体重が2500g未満の赤ちゃんのことで、一般的には低体重児と呼ばれます。低体重児の出産割合は、出産全体の9-10%ほどです。また1500g以上2500g未満の赤ちゃんに限定すると9%弱になります。
極低出生体重児
極低出生体重児とは、低体重児の中でも出生体重が1000g以上1500g未満の赤ちゃんのことです。極低出生体重児の出産割合は、出産全体の0.5%ほどになります。
超低出生体重児
超低出生体重児とは、低体重児の中でも出生体重が1000g未満の赤ちゃんのことです。超低出生体重児の出産割合は、出産全体の0.3%ほどになります。
出生体重別出生数、出生割合の年次推移
厚生労働省の人口動態統計のデータを表化すると、出生体重別の出生数、出生割合は以下のように推移します(平成4年に調査票が改正されているため1995年以降のもの)。上の表は出生数(人)、下の表は出生割合(%)です。
巨大児の出産が減り、低体重児の出産が増えていることでわかる通り、全体的に出生体重の推移は減少傾向です。
出生体重による割合
2014年度の出生数に対する出生体重の割合を円グラフにすると以下のようになります。
妊娠週数による赤ちゃんの分類と割合
まーさ
身体機能や出生体重は関係なく、妊娠の期間(妊娠週数)で赤ちゃんを分類すると以下の4つになります。
妊娠週数による分類
早産児
早産児とは、妊娠22週0日から妊娠36週6日の間に産まれた赤ちゃんのことです。早産児の出産割合は、出産全体の5-6%ほどです。
早産児の中でも、妊娠34週0日から妊娠36週6日の間に産まれた赤ちゃんのことを後期早産児と呼びます。
正期産児
正期産児とは、妊娠37週0日から妊娠41週6日の正産期に産まれた赤ちゃんのことです。正期産児の出産割合は、出産全体の93-94%ほどです。
一般的に赤ちゃんは正産期まで胎内にいることで、生存のために必要な体重と身体機能を備える確率が高くなります。
過期産児
過期産児とは、妊娠42週0日以降に産まれた赤ちゃんのことです。過期産児の出産割合は、出産全体の約3-4%を占めます。
通常、過期産に入る前に陣痛促進剤を投与して自然分娩を促しますが、胎児が低体重児の場合は在胎週数を伸ばして、過期産での分娩を選択する場合もあります。
- 妊娠週数|前回生理初日を起算として妊娠0週0日と数える方法
- 在胎週数|妊娠週数と同じ意味の医療用語
- 胎生週数|受精日を起算として胎生0週0日と数える方法
- 妊娠齢|妊娠週数で表す胎児の年齢
- 胎生齢|胎生週数で表す胎児の年齢
妊娠週数別出生数、出生割合の年次推移
厚生労働省の人口動態統計によると、妊娠週数別の出生数、出生割合は以下のように推移しています。上の表は出生数(人)、下の表は出生割合(%)です。
妊娠37週-41週の割合が増加しているのは、医療技術が進んで正期産をコントロールできるようになったためでしょう。妊娠22-23週の割合が微増しているのも、早産児の命を助ける医療技術が進んだためだと思います。
この統計情報からは正確に読み取れませんが、出産全体の5-6%を占める早産児のうち9割ほどが後期早産だと予想できます。
妊娠週数別の出生割合
2014年度の出生数に対する妊娠週数の割合を円グラフにすると以下のようになります。
このグラフを見る限り、正産期に生まれても正出生体重児にはならないということです。
胎児発育曲線による赤ちゃんの分類
まーさ
妊娠週数と出生体重を比較して、赤ちゃんを分類する方法もあります。それには以下の胎児発育曲線(パーセンタイル曲線)を用います。
胎児発育曲線による分類
パーセンタイル曲線とは、2-7本の曲線を使い何%の赤ちゃんがその値よりも上下に存在するかを表したグラフです。上のパーセンタイル曲線は最も一般的な10%(10th P)、50%(50th P)、90%(90th P)を示したパーセンタイル曲線です。
10%の曲線はこれより下の値の赤ちゃんが10%いるという意味で、90%の曲線はこれより上の値の赤ちゃんが10%いるという意味です。もちろん、50%に近いほうが平均的です。
体重が10%タイル未満
妊娠週数における出生体重が、10%タイルを下回って産まれた赤ちゃんを指します。
体重が10%タイル以上90%タイル未満
妊娠週数における出生体重が、10%タイルと90%タイルの間で産まれた赤ちゃんを指します。
体重が90%タイル以上
妊娠週数における出生体重が、90%タイルを上回って産まれた赤ちゃんを指します。
標準偏差曲線による胎児発育曲線
日本ではパーセンタイル曲線よりも、標準偏差曲線(SDスコア)で胎児体重の推移を見る方法が多く使われています。
健康な赤ちゃんを出産するために必要なこと
胎児発育曲線による赤ちゃんの分類はできませんが、出生体重による赤ちゃんの分類と妊娠週数による赤ちゃんの分類をまとめると以下のようになります。
- 高出生体重児(巨大児)|4000g以上
- 正出生体重児|2500g以上4000g未満
- 低出生体重児(低体重児)|2500g未満
- 極低出生体重児|1000g以上1500g未満
- 超低出生体重児|1000g未満
- 早産児|妊娠22週0日-妊娠36週6日で生まれた児
- 後期早産児|妊娠34週0日-妊娠36週6日で生まれた児
- 正期産児|妊娠37週0日-妊娠41週6日で生まれた児
- 過期産児|妊娠42週0日以上で生まれた児
もちろん妊娠週数、出生体重、胎児発育曲線による赤ちゃんの分類は、どれか1つだけを参考にすれば良いわけじゃないです。
2500g以上の赤ちゃんでも妊娠34週出産だと機能が未成熟かもしれません。妊娠37週に2400gで産まれた赤ちゃんは、機能が成熟していても体力が伴ってないかもしれません。
赤ちゃんの健康は、出生体重や妊娠週以外にもいろんな指標を比べて判断されますし、出産時の状況と医師の判断(アプガースコアなど)によって必要な医療処置も違います。
わたしたちが意識するのは、なるべく正出生体重児、なるべく正期産児、なるべく出産時に10%-90%タイルの間で出産できるように妊娠期間の生活習慣に気をつけることです。
それだけで、健康な赤ちゃんが産まれてくる確率はグンと上がるはずです。
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