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出生体重が4000g以上になる原因は?巨大児の障害や後遺症リスク

赤ちゃんが巨大児になる原因とリスク

うちの子供は息子・娘とも3600gで産まれました。どちらも帝王切開で早めに出産したので、自然分娩だったらもっと大きくなっていたかもしれません。

なぜなら胎児発育曲線で見ると、息子も娘も標準から外れて+2.0SDで上位2.3%に入っていたからです。

出生体重が4000gを超えていた場合、「大きくて元気な子」と言うと聞こえはいいんですが、妊娠用語では「巨大児きょだいじ」と言いますね。

胎児の成長が未熟で低体重児よりは安心……と言えば安心ですが、実は赤ちゃんが大きすぎても母子ともにリスクがあります。

  • なんで巨大児が生まれるの?どんな原因があるの?
  • 巨大児を出産したときのリスクってなに?
  • 巨大児にならない対策とかってあるのかな?

障害リスクがない健康な赤ちゃんを安全に産みたいママは、この記事を最後まで読んで妊娠生活をどうコントロールすればよいか理解してください。

巨大児(高出生体重児)とは

まーさ

赤ちゃんが大きいとリスクがあるの?大きいほどいいと思ってたんだけど……。

巨大児とは見た目でわかる奇形がなく、体重が4,000g以上で産まれてくる赤ちゃんのことで、医療用語では「高出生体重児(giant baby)」と言います。

また出生体重が4,500g以上で生まれた赤ちゃんは「超巨大児」と言い、医療用語では「超高出生体重児(exceptionally large baby)」と呼ばれます。

出生体重による分類

  • 超高出生体重児(超巨大児)|4,500g以上
  • 高出生体重児(巨大児)|4,000g以上
  • 正出生体重児|2,500g以上4,000g未満
  • 低出生体重児(低体重児)|2,500g未満
  • 極低出生体重児|1,000g以上1,500g未満
  • 超低出生体重児|1,000g未満

巨大児には「対称性巨大児」と「非対称性巨大児」という種類があり、対称性巨大児は遺伝的に身体が大きく、自然に体重が増えた赤ちゃんなので健康な場合がほとんどです。

一方、非対称性巨大児は母体の高血糖による栄養過多で不自然に体重が増えた赤ちゃんなので、病気や後遺症を伴う可能性があります。

どちらにしても胎児は胎内にいる間は成長し続けるので、予定日を過ぎても陣痛が始まらない場合は陣痛促進剤を投与し、正産期で分娩できるよう調整することが増えます。

巨大児が産まれる原因

まーさ

なるほど~。じゃあ対称性巨大児だったらいいのね。どうやって見分ければいいのかな。

巨大児が産まれる原因はいくつかありますが、対称性巨大児と非対称性巨大児になる原因は違います。

遺伝

対称性巨大児は父母の骨格が大きく成長余地が高い遺伝が原因で、巨大児になる可能性があります。

妊娠糖尿病

非対称性巨大児は、母体の妊娠糖尿病が原因で巨大児になる可能性が高まります。妊娠糖尿病で母体が高血糖になると、胎児に供給される糖が増えて胎児も高血糖になります。

そのため胎児には血糖値を下げる胎児インスリンが分泌されます。胎児インスリンは成長促進ホルモンでもあるため、胎児の体重がどんどん増えます。

日本産科婦人科学会周産期登録データベースによると、妊娠糖尿病・糖尿病合併妊娠による巨大児の出産頻度は7.1%にものぼります。

巨大児の取り扱いについて|日本産科婦人科学会

糖尿病

糖尿病は妊娠糖尿病とは発症原因は違いますが、巨大児を出産する原因は同じです。

巨大児を出産するリスク・影響

まーさ

もし赤ちゃんが巨大児だったら、どんなリスクがあるのかな?

難産のリスク

巨大児は体重が重いだけじゃなく頭や肩幅も大きいので、分娩に時間がかかります。

分娩に時間がかかると母体に負担がかかるだけじゃなく、胎児の呼吸障害、胎児ジストレスによる後遺症につながる可能性があります。

母体の裂傷リスク

巨大児の出産は産道に大きな負担がかかるため子宮裂傷、産道裂傷、会陰裂傷などの恐れがあります。

胎児の骨折などのリスク

巨大児は分娩時に肩甲が引っかかりやすく(肩甲難産)、胎児の骨折原因になります。また吸引分娩などを行うと、胎児の頭を傷つけて頭蓋内出血の原因になります。

後遺症や病気のリスク

非対称性巨大児は高血糖で呼吸不全などの呼吸障害、心不全、低血糖、低カルシウム血症、多血症、高ビリルビン血症などの可能性があり、後遺症が残る恐れがあります。

DM児のリスク

妊婦の妊娠糖尿病や糖尿病で胎児が高血糖になると、赤ちゃんが糖尿病を患う可能性があります。出生児に糖尿病を患った赤ちゃんは、「DM児」と呼ばれます。

巨大児を防ぐ妊娠生活とは

対称性巨大児の多くは遺伝が原因なので予防は難しいです。ただ遺伝による自然な体重増加なので、胎児の疾患や障害はそれほど心配する必要はありません。

非対称性巨大児は、高血糖で赤ちゃんが糖尿病や高血圧になることを防ぐ必要があり、そのためには妊婦の妊娠糖尿病・高血圧を防ぐことが、最も効果的な予防です。

妊娠糖尿病を防ぐには、血糖値を抑える食事療法や適度な運動が必要です。医師の指示に従い、栄養バランスが良い食事を摂りつつ、間食を避け、適度な食事量に保ちます。

食事療法や運動療法を行っても妊婦の血糖値が高い場合は、インスリン治療が必要になることもあります。

巨大児にはデメリットしかない?

巨大児を出産する妊婦は自己管理できないと揶揄する人もいます。たしかに医師に指導されたのに不摂生する人は、自己管理できないと言われても仕方ないと思います。

ただ巨大児は遺伝の可能性もありますし、もともと妊婦が糖尿病などを患っている可能性もあります。

仮に巨大児でも、赤ちゃんが元気で健康なら問題ありません。身体が大きく健康な赤ちゃんは、体力があり病気にも強い子に育つメリットもあります。

分娩は苦労するかもしれませんが、大きな赤ちゃんの出産がすべてデメリットとは言えません。

ただし巨大児になりそうだとわかったらデメリットを軽減するために、予定帝王切開などの出産方法も含めて医師と話し合い、母子ともに無事に出産をできるようにしましょう。