まーさ
出産が逆子で確定するかどうかは妊娠36週前後に決まります。
ただ逆子の出産でも予定帝王切開が確定したわけじゃないです。わずかですが、自然分娩できる可能性があります。ただし、それには条件があります。
- 逆子でも自然分娩できる条件ってなんなの?
- 逆子で帝王切開の割合ってどれくらいなのかな。
- 逆子で自然分娩のときのリスクって何があるの?
もし逆子で悩んでいてそれでも自然分娩をしたい人は、この記事を読んで自然分娩に必要な条件とリスクを知ってください。
女性にとって自然分娩で赤ちゃんを生むことは大切なことです。ただその条件がわからずいつまでもモヤモヤしてるわけにはいかないですからね。
目次
逆子の自然分娩に必要な厳しい条件
まーさ
赤ちゃんが逆子でも帝王切開じゃなく自然分娩できる人もいます。
米産婦人科医会の逆子の見解
米産婦人科医会(ACOG)は「逆子は帝王切開が望ましい」としつつも、2006年に「経腟分娩の適応と管理に関する施設ごとのガイドラインに従うならば、経腟分娩を選択することは理に適っている」述べています。
つまり施設基準や施設の設備状況などで、逆子でも経腟分娩をは可能なんです。
逆子で自然分娩をする条件
逆子で自然分娩することを
- 単殿位・妊娠34週以上であること
- 骨盤児頭不均衡がないこと(対角結合線―児頭前後径≧0.8cm,産科的結合線―児頭前後径≧-0.6cmを満たす)
- 推定児体重2,000~ 3,800g以内
- 児頭が屈位で過伸展(90度以上)がないこと
- 臍帯下垂,脱出がない
- 産婦,家族の文書による同意
- 緊急帝王切開に対応できること
- 骨盤位娩出術に熟知した産科医師の立会い
- 新生児科医が立ち会いもしくは新生児蘇生に熟知すること
実際の骨盤位経腟分娩の方法・手順は上記PDF(日産婦誌60巻5号)を確認してください。さて、これらの条件がどれだけハードルが高いかわかるでしょうか……。
逆子で帝王切開になる割合
まーさ
逆子で帝王切開になる近年のデータはないんですが、順天堂大学浦安病院の吉田幸洋院長は1998年12月7日放送のラジオ短波で以下のように述べています。
実際に骨盤位分娩の帝王切開率はどうであったかといいますと、初産婦で69%(n=1468)、経産婦においても50%(n=819)が帝王切開によって分娩となっておりました。つまり、取り扱い方針の上では経腟分娩を行うようにするとしていても、実際には骨盤位の帝王切開率はかなり高いという結果でありました。
胎児が逆子の場合、初産婦で帝王切開の出産は約7割、経産婦で帝王切開の出産は5割です。これは1994年に周産期管理登録機関にアンケートをした結果だそうです。
全出産における帝王切開の割合
ただし20年以上前と現在でもっとも違うことは帝王切開の実施割合です。全出産における帝王切開は当時に比べて2倍ほどに増えています。
そもそも骨盤位経腟分娩の適応基準(自然分娩の条件)を読むと、「緊急帝王切開に対応できること」「骨盤位娩出術に熟知した産科医師の立会い」「新生児科医が立ち会いもしくは新生児蘇生に熟知すること」とあります。
これらはNICUが設置された総合病院しか合致しません。また上記アンケート結果が設備の整った周産期管理登録機関だということも考慮に入れないといけません。
そのため現在は妊娠36週で逆子の場合、予定帝王切開になる割合は相当高いことが予測できます。どちらにしろ骨盤位経腟分娩の適応基準に満たないと、ほぼ100%帝王切開です。
逆子の自然分娩のリスク
まーさ
では米産婦人科医会(ACOG)が「ガイドラインに従うならば、経腟分娩を選択することは理に適っている」と言いながら、逆子の帝王切開が増えてるのはなぜでしょう。
それはやっぱり逆子の経膣分娩(骨盤位経膣分娩)のリスクが高いからです。
臍帯脱出のリスク
胎児が骨盤位で分娩されると臍帯が先進する可能性が高く、臍帯脱出をする危険があります。臍帯脱出の割合は出産の0.3%ですが、逆子に限ると10倍以上の3.7%にもなります。
臍帯脱出のリスクは以下を参考にしてください。
分娩そのものに伴うリスク
骨盤位経膣分娩は先進部が小さいさいため、上肢・肩甲・児頭が後から娩出されます。これらが分娩時に引っかかると、胎児や妊婦の体を傷つける原因になります。
また分娩の際に臍帯を圧迫してしまい、胎児ジストレスが発生する危険性もあります。
自然分娩が育児の自信になる
まーさ
わたしは初めての妊娠が逆子だったので(流産後なので正確には2回目)、出産は帝王切開でした。つまりその時点で「あぁ、2人目も帝王切開か……。」と覚悟しました。
1度帝王切開を行うと、次の出産も帝王切開になることはよく知られてますね。
もちろん1人目が帝王切開でも2人目を自然分娩で出産する帝王切開後経腟分娩(VBAC)に挑む人もいますが、自分には当てはまらないと考える女性が大半です。
男性にはわからない感覚だと思いますが、女性が赤ちゃんを自然分娩で産む思い入れは強く、人によってはその経験が育児の自信になることも多いです。
そのため逆子でも諦めずに治す方法がないかを探りますし、たとえ妊娠36週過ぎで逆子が治らなくても自然分娩で赤ちゃんを出産できないか気になるものなんです。
なのでもし逆子で帝王切開が決まったときは、旦那さんは奥さんに優しい言葉をかけてあげてください。見た目以上に落ち込んでいる可能性があるので。
逆子でも自然分娩したいなら
帝王切開は開腹手術なのでどうしてもリスクがあります。傷口からの感染症、麻酔によるアナフィラキシーショック、赤ちゃんへの影響も考えられます。
ただ逆子の帝王切開と自然分娩のリスクを天秤にかけたときに、「医療技術の進歩の恩恵が高い帝王切開の方がリスクが低い。」と医師が考えるのは自然なことだと思います。
妊婦にとって出産方法を選ぶのは大切なことですが、命の重さはどちらも変わりません。
そのため逆子でも自然分娩したい人は、初めからNICUが設置された総合病院で分娩予約するしかないです。それでも、骨盤位経膣分娩の適応基準に合うかはわかりませんが。
もし今逆子を治す方法を知りたい人は、以下を参考にして取り組んでください。