泣いている赤ちゃんをあやそうと抱っこしたら、お姑さんから「抱き癖がつく」と釘を刺された経験はないですか。
「抱き癖がつく」は年配の方から聞くことが多く、アドバイスを聞いて赤ちゃんの抱っこを躊躇してしまう人もいると思います。
抱き癖がつくのは、ママを認識し始めた生後3-4ヶ月ごろからです。赤ちゃんはママを認識して、抱っこして欲しくて泣いて、抱っこで満足して泣き止む流れができます。そのため
まーさ
と抱っこしない方が良い育児ができそうな気もしてきます。ところがこの考えは間違いで、最近の育児では抱き癖が付いても、どんどん抱っこしてスキンシップをとる方が良いというのが定説です。
- 抱き癖って何?抱き癖が付くとなんでダメって言われるの?
- ママが赤ちゃんを抱っこするメリットとデメリットを教えて。
- 腰が痛くて抱っこつらいんだけどどうすればいいのかな……。
赤ちゃんが泣きやまないのは抱っこしすぎのせいだと思ってるママは、まずこの記事を最後まで読んでください。
抱っこにどんな意味と効果があるかを知れば、躊躇しないで赤ちゃんを抱っこしようと思うはずです。また抱っこができないママもその代替案がわかりますよ。
目次
抱き癖とは?抱き癖の影響は
まーさ
抱き癖とは、赤ちゃんが泣いているときに抱っこであやすと赤ちゃんが抱っこを要求する癖がつくという考え方です。年配の方が言う影響とは以下のもの。
抱っこしないと泣きやまない
抱き癖がつくと、赤ちゃんは抱っこしないと泣き止まなくなるという話があります。
ただし赤ちゃんが泣いても、抱っこを要求してるのかはわかりません。1つ言えるのは、ママの抱っこで赤ちゃんが泣き止む流れができた方が育児は楽になると思います。
甘えん坊・泣き虫に育つ
抱き癖がつくと、泣くことで抱っこしてもらえると学習するため、甘えん坊や泣き虫に育つという話があります。
赤ちゃんは、生後6ヶ月-2歳にかけて親子の信頼関係を構築する「愛着行動」をとります。その時期に甘えたり、泣き虫になるのは当たり前で、抱き癖は関係ありません。
心肺機能が育たない
赤ちゃんをたくさん泣かせないと呼吸器や心肺機能が成長せず、健康な子供に育たないという話があります。
そもそも赤ちゃんは泣くより、手足を動かしたり、寝返り、ハイハイの方が心肺機能は高まります。そのため、わざわざ抱っこしないで泣かせておく必要はないと思います。
太りやすくなる
泣いている赤ちゃんをすぐに抱っこすると、エネルギーを消費できずに太りやすくなるという話があります。
ミルクを飲みすぎてふっくらする子もいますが、一般的に赤ちゃん(1-2歳)の1日の基礎代謝は61kcal/kgで大人の3倍です(30-40代男性22.3kcal/kg、女性21.7kcal/kg)。
そのため、赤ちゃんが泣かなくても太りやすくなることはありません。赤ちゃんは栄養不足で低血糖になる方が怖いんです。
寝付きが悪くなる
泣いている赤ちゃんをすぐに抱っこすると泣き疲れなくなり、寝付きが悪くなるという話があります。
赤ちゃんは基礎代謝が高く体力の消耗が激しいので、泣き疲れると寝付きが良くなるのは本当です。ただ、赤ちゃんは毎回泣き疲れて眠るわけじゃないので、抱っこしすぎで寝付きが悪くなるとは言えません。
抱っこするメリット・デメリット
まーさ
抱っこするメリット
赤ちゃんがママに抱っこを求めるのは自然な行為です。ママが赤ちゃんの要求に応えることで、以下のメリットがあります。
安心感が生まれストレスが軽減される
赤ちゃんがママに抱っこされると、血圧を抑え、ストレスを軽減し、不安や恐怖感をなくす「オキシトシン」が脳内で分泌されます。
また、オキシトシンは赤ちゃんに触れているママにも分泌されます。つまりママが赤ちゃんを抱っこするとお互いに気持ちが落ち着き、ストレスが軽減し、愛情が深まります。
親子の愛着関係を深められる
赤ちゃんは、泣いたらママに抱っこしてもらえると学習することで、ママに対する信頼感が増します。信頼感が生まれるため、ママに対して強い愛着が湧きます。
赤ちゃんはママと愛着関係を築くために泣く、甘えるなどの愛着行動をとるため、それに抱っこで応えることは心と身体機能の成長にも大きな影響を及ぼします。
感情表現が豊かになる
泣いている赤ちゃんに抱っこで応えることで、自分の欲求に応える対象がいることを理解でき、感情が豊かに育っていきます。
一方赤ちゃんを放置すると「泣いても意味がない」という学習をして、感情表現の成長に影響を及ぼします。
抱っこするデメリット
ママが赤ちゃんを抱っこするのは良いことですが、いくつかデメリット……というか注意する点があります。
身体がつらい
赤ちゃんは体重3kg前後で産まれ、生後1ヶ月過ぎには1.5倍の4.5kg前後、生後3-4ヶ月には倍の6kgほどになります。そして、1歳には9kg前後にまで育ちます。
これだけの重りを持って何時間も立ったり、座ったり、揺らしたりという筋トレだとできないですよね。そのため、筋肉痛、腰痛、肩こり、頭痛には悩まされます。
ストレスが溜まる
ママが赤ちゃんを抱っこして、愛着関係を築くことは大切です。ただ「必ず抱っこしなきゃ……。」と赤ちゃんの抱っこ信仰が強すぎると、ママのストレスになります。
抱っこ以外の工夫ができない
「うちは抱っこですぐ寝るから、毎回してるよ。」という人は、抱っこが肉体的にも精神的にも苦にならないならいいんです。
ただ寝かしつけは1-2歳でもしますし、3-4歳でも必要なことがあります。そのときに入眠儀式が抱っこだけだと、体がもちません。
入眠儀式とは、赤ちゃんが眠るときのルーティーンのことです。少しでも寝かしつけを楽にしたいなら以下を参考にしてください。
抱っこできなくてもスキンシップが大事
最近は出産する病院でも「泣いたらどんどん抱っこしてください。」という指導が当たり前で、わたしもそう指導を受けました。
まーさ
もちろん無理ない範囲で抱っこすればいいんですが、赤ちゃんとのスキンシップは抱っこだけじゃありません。
単純に触れるだけでも、「オキシトシン」は分泌されます。ママが手に荷物を持っているときは笑顔で話しかけたり、表情を作るだけでコミュニケーションが取れます。
ママが家事で手が離せないときは、「○○ちゃーん、すぐいくよー。」と声掛けすれば良いですし、首がすわっていればおんぶしながら家事もできます。
抱き癖の話になると「抱っこしちゃダメ」「抱っこしなきゃダメ」と極端な意見が出ますが、それよりも常に赤ちゃんとのスキンシップが大切なんです。
ちなみに、いつまで抱っこをせがまれるかは性格によります。うちの子も6歳ですが、たまに「抱っこして。」と言われます。たまになら、体がきつくても嬉しいものです(*^_^*)