「赤ちゃんにテレビを見せても良いのか?」「子供には何時間テレビを見せても良いのか?」ということで悩むママは、割と多いと思います。
わたしは、赤ちゃんにテレビを見せる・見せないはあまり気にしませんし、子供のテレビ視聴時間にもうるさくはない方だと思います。
それぞれ、赤ちゃんや子供にテレビを見せるメリットとデメリットや影響には、以下のようにいろいろな考え方がありますね。
最近は、テレビ以外にもDVDやスマホ、タブレット、ゲーム機器などもあり、とくに3-6歳の未就学児はしつけの兼ね合いもあるため、「他の家庭では、子供がテレビを見る時間は決まっているのかな……?」と気になるものです。
そこで今回は、子供のテレビ・DVDなどの視聴時間を調査した5つの調査会社・機関の情報をご紹介したいと思います。
目次
子供のテレビ視聴時間調査1.NHK放送文化研究所(2013年)
NHK放送文化研究所が2013年に行なった「”子供に良い放送”プロジェクト」の調査によると、0歳から6歳までのテレビ・DVD(録画含む)の平均接触時間は以下のようになります。
なお調査対象は、平成14年2月から7月までに川崎市に生まれた子供とその親を無作為に1368人選び、調査をした内容です。
子ども(0歳から9歳)のテレビ接触|NHK放送文化研究所
0歳|3時間35分
1歳|4時間00分
2歳|3時間27分
3歳|3時間04分
4歳|2時間39分
5歳|2時間31分
6歳|2時間30分
1歳のテレビ・DVD接触時間が4時間以上もあるという驚く結果が出ていますが、これはあくまでも”接触時間”であり、接触時間には「専念視聴」「ながら視聴」「ついているだけ」が含まれます。
以下の通り「ながら視聴」「ついているだけ」を除くと、テレビ・DVDの視聴時間はかなり減少します。
子ども(0歳から9歳)のテレビ接触|NHK放送文化研究所
0歳|12分
1歳|24分
2歳|24分
3歳|30分
4歳|27分
5歳|31分
6歳|32分
3歳以降の子供は、保育園などの集団生活が始まるため視聴時間は減少しています。また、小学校に入学してからは、テレビ視聴時間は減りますが、反対にゲームの接触時間が増えていることが特徴的です。
子供のテレビ視聴時間調査2.NHK世論調査部(2013年)
NHK世論調査部が2013年に行なった「幼児視聴率調査」によると、0歳から6歳までのテレビの平均視聴時間は以下のようになります。
調査内容は、月曜日(平日)と日曜日(休日)のテレビ視聴時間の違いを2003年と2013年比較したもので、視聴時間にはDVDや録画番組の視聴時間は入っていません。
調査対象は、首都圏に住む0歳4ヶ月から就学前の幼児を持つ保護者985人です。
0歳|2時間15分
1歳|2時間23分
2歳|2時間19分
3歳|2時間14分
4歳|2時間08分
5歳|1時間58分
6歳|1時間57分
2013年日曜日のテレビ平均視聴時間
0歳|2時間20分
1歳|2時間29分
2歳|2時間14分
3歳|2時間09分
4歳|2時間26分
5歳|2時間20分
6歳|2時間31分
傾向としては、NHK放送文化研究所と同じく、1歳のテレビ視聴時間が最も長く、集団生活が始まる3歳からのテレビ視聴時間は減少しています。
また、平日と休日を比べると3歳までは視聴時間に大きな違いはありませんが、4歳、5歳、6歳になると休日の視聴時間が伸びていることがわかります。これは家にいる時間が増えるためでしょう。
子供のテレビ視聴時間調査3.厚生労働省(2004年)
厚生労働省が2004年に行なった「第4回21世紀出生児縦断調査」によると、2-3歳時のテレビ・コンピューターゲームの視聴時間(DVD・録画番組視聴も含む)は以下のようになります。
調査対象は、全国の2001年1月10日から17日の間及び7月10日から17日の間に出生した44,837人の子の保護者です(うち両方に回答した総数40,616)。
正確な平均視聴時間はわかりませんが、やはり未就園児の2歳から就園児の3歳になるに従い、テレビの視聴時間が減っていることがわかります(第3回調査と第4回調査の比較による)。
また、こちらの調査は全国4万人以上の調査のため、平均値の誤差も少ないと予想できます。
子供のテレビ視聴時間調査4.マクロミル(2004年)
マクロミルが2004年に行った「子供のテレビ・ビデオ視聴に関するアンケート」によると、小学生以下のテレビの平均視聴時間は以下のようになります。
調査対象は、小学生以下の子供(長子)を持つ20代、30代の既婚女性616人です。
こちらも2004年で少し古い調査です。調査結果として、2歳以下のテレビ・ビデオ平均視聴時間は2時間30分、3-6歳のテレビ・ビデオ平均視聴時間は2時間48分となっています。
また、子供がテレビを視聴し始めた年齢は生後6ヶ月-1歳までが最も多く34%でした。
年齢別の切り取り方がざっくりとしているので、細かな特徴までは見えてきませんが、2歳以下の視聴時間が3-6歳の視聴時間よりも少ないことを他の調査結果に照らして考えると、0歳のテレビ視聴時間が含まれているためだと予測します。
子供のテレビ視聴時間調査5.愛知教育大学(2014年)
愛知教育大学の藤井千恵教授が2014年に行なった調査によると、3・4・5歳のテレビ・DVDの視聴時間平均は以下のようになります。
なお調査対象は、愛知県の公立幼稚園3園の3-5歳児の父親359人です。
3歳|2時間29分
4歳|2時間05分
5歳|2時間25分
幼児の睡眠・生活リズムと親子の生活習慣等の関連|愛知教育大学学術情報リポジトリ
調査結果を示したPDFの表はかなり大きなものだったため、内容を見たい場合は上記リンク先を確認してください。
また、こちらの調査は、テレビの視聴時間などの生活習慣と睡眠の関係を調査したものです。とても興味深い内容だったため、また別途調べてみたいと思います。
子供のテレビ・DVD平均視聴時間のまとめ
思っていたよりも各調査の結果がバラバラだったため、どこまで参考になるかはわかりませんが、0-6歳の子供は各年齢とも平均2-3時間ほど、テレビ・DVDなどを視聴していることがわかりました。
ただし、この平均視聴時間はテレビの視聴に専念しているわけではなく、「ながら見」の時間も含まれていると思います。
また、年齢を重ねる毎に視聴時間は減少傾向があります。これは、保育園や幼稚園が始まること、お友達と遊ぶようになること、また、家庭内でも遊びの選択肢が増えたり、習い事などやることが増えた結果なのでしょう。
テレビの視聴には家庭毎にしつけ・教育の方針があり、ママはルールを決めて子供にテレビを見せているかと思います。
ただし、お友達と遊んだり、選択肢が増えた中には「ゲーム」が含まれることもありますし、スマホで動画を見る子もいます。そのため、テレビ単体で考えるよりも、メディア全体の接触時間で家庭のルールを考えるべきでしょう。
今回ご紹介した調査結果の多くは古いものばかりです。たった5年前と比べても、スマホやゲーム機のあり方はガラッと変わりました。
そのため、昨今はテレビの平均視聴時間を知ることにどれだけ意味があるかはわかりませんが、「うちの子テレビ見過ぎなんじゃ……。」というママの不安な気持ちを静めるには役立つのではないでしょうか。