まーさ
赤ちゃんとコミュニケーションがとれないことは、育児ストレスになることがあります。
赤ちゃんは話せませんし、ママの行動や語りかけにアクションできません。そのためなんとなく育児が虚しくなることもありますよね。
でも大丈夫。赤ちゃんはちゃんとママを認識していて、特別な存在だとわかっています。
というのも赤ちゃんがママを認識する実験は世界中で行われていて、新生児のころからママを認識するという結果が出てるからです。
まーさ
ママの認識には段階がありますが、新生児の頃から声と匂いと顔で認識しています。
そこで今回は赤ちゃんがママをどう認識するのか、認識の段階と時期についてお話します。この記事を読めば赤ちゃんのお世話がより楽しくなるはずですよ。
目次
赤ちゃんはどうやってママを認識する?
まーさ
声(聴覚)で認識する
赤ちゃんは在胎28-30週を過ぎるとおなかの外の音や声が聞こえるようになり、高音・低音の違いがわかるようになります。
胎児が聞こえる音はママの血流が混じってこもっているので、おなかの外の音や声が聞き取りやすいとは言えません。ただママの声だけは胎内に響いてクリアに聞こえます。
そのため新生児でもママの声の特徴を覚えていて、ママを声で認識できます。もちろん”ママ”の声という認識はなく、知っている存在、安心できる存在という認識です。
匂い(嗅覚)で認識する
嗅覚も五感の中で発達が早い感覚です。赤ちゃんの嗅覚が発達するのは、ママの母乳の匂いを嗅ぎ分けるためです。
ママは母乳を分泌すると乳臭くなります。母乳の匂いは個人差があるので、新生児でも母乳の匂いでママを認識することができます。
赤ちゃんは誰の母乳でも良いわけじゃなく、ママの母乳の匂いを好んで区別します。
赤ちゃんが好きなのはミルクやおっぱいのようなほのかな甘いにおい。でも、いちばん好きなのはママのにおいです。産まれたばかりの赤ちゃんのそばに、ママの母乳をしみこませたガーゼと、他人の母乳をしみこませたガーゼを置くと、赤ちゃんは例外なくママのガーゼのほうに顔をむけるという実験結果もあります。そしてママのにおいを好む傾向は、生後日数を増すほどはっきりしてきます。
生まれたての赤ちゃんももうこんなことができる(1) – gooベビー
顔(視覚)で認識する
このように、赤ちゃんは生まれたときからママの声も匂いも認識できますが、発達段階で時期が分かれるのが顔によるママの認識です。
まーさ
新生児期の視力は大体0.02-0.03程度なので16-17cmまで近づいてようやく見えるくらいです。そんな目があまり見えない新生児でも、ママの顔(周辺)を認識できます。
赤ちゃんがママの顔を認識できる流れを説明しますね。
赤ちゃんが人の顔を認識する発達の流れ
まーさ
新生児期の顔の認識
「発達科学研究教育センター」の論文に、「合成顔実験パラダイム」という赤ちゃんの顔認識の実験結果について以下の内容が記載されています。
日常,乳児が最もよく接するのは養育者で,とくに母親の顔を見る機会は多い。生後4日の乳児でも,母親顔と見知らぬ未知顔を区別することができ,母親顔の方を長く見ることが示されている(Bushnell, Sai, & Mullin,1989)。また,実物ではなく写真の場合でも,母親の顔では,未知の女性の顔写真を見たときよりも新生児のおしゃぶりの回数がかなり多くなる(Walton, Bower, & Bower,1992)。
実験によると生後4日の赤ちゃんでも他人よりママの顔をよく見つめます。さらにママの顔を見ることでおしゃぶり(指しゃぶり)の回数が多くなることがわかっています。
つまり新生児でも、授乳してくれる人が顔を見て誰かわかるということです。
ただし生後間もない赤ちゃんは、顔のパーツじゃなく輪郭や髪型の特徴でママの顔を見分けます。そのため髪型を変えたり、顔の周りを覆うと見分けがつかなくなります。
生後3-4ヶ月の顔の認識
上記実験で生後4ヶ月の赤ちゃんに髪型を隠したママと知らない人の顔を並べて見せると、ママの顔を多く注視することもわかりました。
つまり新生児が輪郭や髪型の特徴でママを認識することに対して、生後3-4ヶ月の赤ちゃんは目・鼻・口でママを認識できるようになっています。
しかもベルギーの研究によると、赤ちゃんは人間の顔を他の物と区別するのに0.15秒しかかからないこともわかっています。すごい能力ですね。
Une étude scientifique belge de l’UCL le démontre : un bébé de quatre mois fait déjà clairement la différence, non seulement entre un visage humain et un ours en peluche, mais aussi entre des visages de morphologie très différente. Il leur suffit de 150 millisecondes pour cela. Aucune machine ne peut rivaliser, même avec un bébé.
Expérience belge: les bébés repèrent les visages en 150 millisecondes
生後5-6ヶ月の顔の認識
生後5-6ヶ月には、顔認識の1つとして人の白目と黒目のコントラストから顔を認識する能力が養われます。
生後5~6カ月の乳児に、白目と黒目のコントラストを保った正常の目と、白と黒を反転させた目をもつ顔のそれぞれのときにおける脳活動の計測を近赤外分光法(NIRS)を用いて行った。
その結果、正常な目の顔を見ているときは脳活動が上昇したが、白黒反転目では脳活動が上昇しないことが確認されたほか、正常な目を見ているとき、脳の右後側頭部が強く活動していることが確認されたという。
赤ちゃんの顔認識は、最初は顔の外側から始まり、徐々に顔内部のパーツや色合いで判断できるようになるんですね。
ママの認識で赤ちゃんの行動はどうなる?
このように赤ちゃんは新生児から、声、匂い、顔で、ママを認識しています。そしてママの認識が高まることで、徐々に以下の行動につながっていきます。
- ママに対して何かを要求する
- ママに抱っこされると安心する
- ママがいないことに不安を感じる
- ママに以外の人に拒否感を示す
生後5-6ヶ月で赤ちゃんの人見知りが激しくなるのも、ママを認識して他の人と違うと理解できるようになるからです。
ただし、赤ちゃんがママを認識できることとママに反応できることは別のお話です。
生後5-6ヶ月の赤ちゃんがママに反応するのは、体を動かす機能が高まったり、顔の表情を作ったりなど赤ちゃんのリアクションが増えるからですね。
そのためママは赤ちゃんの反応が薄い・コミュニケーションがとれないと思わずに、新生児期から積極的に話しかけた方が良いんです。
新生児期から語りかけの習慣を作ることで赤ちゃんが成長したときにスムーズにコミュニケーションがとれるようになり、親子の愛着関係が築きやすくなります。
徐々に赤ちゃんが反応を示すようになるのは本当に楽しいですよ。ぜひ記録に残して、赤ちゃんの成長を振り返れるようにしましょう。
赤ちゃんに対する語りかけが苦手なママ、パパは以下を参考にしてください。