まーさ
流産を体験すると、おなかの中で生きていた赤ちゃんがいなくなった気がして悲しくなります。それを自分のせいだと思ってしまう人もたくさんいます。
わたしも30代前半で流産を経験しましたが、当時はとても悲しかったですし、「流産したのは30歳を超えて妊娠したわたしのせいだ……。」とも思いました。
- 流産って年齢によって確率が変わるのかな?
- 流産の原因って誰のせいで起こるものなの?
- 少しでも流産を防ぐ方法ってないのかな……。
流産で落ち込んでる人、自分のせいで流産したと思い込んでる人、少しでも流産を防ぎたい人はこの記事を読んでください。
少しでも流産の確率を低くしたいなら、流産を予防する意識は妊娠前と妊娠初期に集中するべきです。なぜなら、妊娠初期の流産率は全流産の8-9割を占めるためです。
目次
年齢・年代別の流産の確率
まーさ
まだ妊娠を経験していない女性やパートナーの男性にとって、流産はなかなか起こらないイメージを持っている人も多いかもしれません。
ところが以下の厚生労働省の「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」報告書という資料を見ると、年齢別の流産の確率は割と高いことがわかります。
出産サンプル数にはバラつきはありますが全体の平均流産率は13.9%で、妊婦の7-8人に1人が流産を経験する計算です。年代別で見ると
- 24歳以下の流産率は16.7%
- 25-29歳の流産率は11.0%
- 30-34歳の流産率は10.0%
- 35-39歳の流産率は20.7%
- 40歳以上の流産率は41.3%
40歳以上の流産率は41.3%とかなり高い数字です。女性の出産年齢は以前に比べて高齢化していて、第1子出産時の女性の平均年齢は30.7歳まで上がっています(平成27年)。
高齢出産は35歳以上の第1子出産なので4.3歳しか差がありません。経産婦も高齢ほど流産率は上がるので、第2子以降を出産したいなら早めの妊娠を検討した方が良いですね。
妊娠週数別の流産の確率とグラフ
まーさ
妊娠週数別の流産の確率に明確なデータはありません。参考にできる数値は以下のようにバラバラです。
流産の頻度は、全体の妊娠の8~15%と言われ、妊娠週数では、妊娠5~7週の期間に全流産の22~44%、妊娠8~12週に34~48%、妊娠13~16週では6~9%と言われています。
流産の割合は時期によって異なり、妊娠0週から3週目で約1割、妊娠4週から7週目で約5割、妊娠8週から11週で約3割と言われています。そして、残りの1割は妊娠中期に起こります。
【流産の確率はどれくらい?】流産の原因や予防法など元気な赤ちゃんを産むために知っておきべきポイント|welq
- 妊娠0週-3週|1割
- 妊娠4週-7週|5割
- 妊娠8週-11週|3割
- 妊娠12週-21週|1割
この妊娠週数別流産率の参考値と年齢別の流産率から複合グラフを作ると以下のようになります。
グラフを見ると年齢が高くなると流産の確率がぐんと上がること、妊娠8-11週までの流産の確率が異常に高いことがわかります。
この妊娠12週未満の妊娠初期流産の確率は流産全体の9割もあり、どの年代の妊婦にも妊娠12週に入ることが1つのハードルです。このハードルは「妊娠12週の壁」と呼ばれます。
流産原因の染色体異常は誰のせい?
まーさ
流産原因の7割は染色体異常
妊娠初期流産の原因の7割は、受精卵が子宮内膜に着床したにもかかわらず胎児の染色体異常で胎内から排出されてしまうことです。
日本医師会雑誌undefined第139巻・第10号によると、もともと卵子や精子には染色体異常が一定量あり、受精卵の時点で全体の45%が染色体異常を持っています。
染色体異常のある受精卵が着床するのは全妊娠の約25%の確率ですが、そのうち10%が化学流産を起こし、残りの15%が初期流産を起こします。
染色体異常はは精子や卵子だけの話じゃなく、生物の細胞に一定割合で存在します。ただ皮膚細胞の一部に異常があっても、他の細胞が正常なので身体機能に影響はありません
ところが受精卵は細胞の数が少ないので、染色体異常を持つ細胞が1つでもあると細胞分裂で異常な細胞がどんどん増えて、成長に重大な欠陥を招きます。
染色体異常を持つ卵子や精子がたまたま受精することは仕方がないことで、誰のせいでもありません。
妊娠初期流産を防ぐ方法はある?
まーさ
流産は受精卵の染色体異常を察知して起こります。もし染色体異常を察知できないと、今よりも障害を抱えた子供の出産率が高くなります。
それくらい人間が持っている染色体異常の察知機能は優れているんです。
医学が進歩して流産の総数が減ったとしても、障害を抱えた子供、生きることが難しい子供を出産すると、より悲しみが大きくなるかもしれません。
そのため染色体異常が原因で起こる妊娠初期の流産は、わたしたちには避けようがないことなんです。
生活習慣やストレスで流産する場合も
ただし流産は妊婦のストレスや悪い生活習慣などで起こる場合もあります。そのため生活習慣を改善することで、流産率は減らすことができます。
ストレスの原因を理解する
まずは妊婦がストレスや不安を抱える原因を理解しましょう。妊娠中のストレスは仕方ないんことですが、以下のように何が不安でストレスになるかを知らないと対策できません。
- 生活の変化に対する不安
- 体と心の変化に対する不安
- 夫に対する不満と不安
- 出産に対する不安
- 子育てに対する不安
- 経済的な不安
- コミュニティが変化する不安
生活習慣を改善する
妊娠後の禁煙や禁酒は当然ですが、より健康な妊娠を望むなら妊娠前から喫煙や飲酒は控えた方がいいでしょう。
流産は一定の確率で起こるものなので、1回でも多く妊娠できる方が赤ちゃんを産める確率が上がります。ところが、妊娠前の生活習慣で妊娠率が下がる可能性があります。
とくに妊娠前の女性の喫煙や受動喫煙は女性ホルモンの分泌が損なわれるだけじゃなく、卵胞が作られなくなり、閉経が早まり、妊娠しにくい身体になってしまいます。
その他にも身体を冷やさない、過度な運動を避ける、ストレス発散できる時間の使い方をする、栄養バランスが良い食事をするなどが健康に妊娠するための生活習慣です。
年齢別・妊娠週数別の流産率のまとめ
まーさ
流産の確率を減らすために生活習慣を改善しても、ストレスを減らす努力をしても、流産率の改善が数値で目に見えるわけじゃありません。
医学が進歩しても、高齢になるほど卵子が作られにくくなり、染色体異常の数が増えて不妊や流産の確率が増加することも避けられません。
そのため赤ちゃんを出産できるかどうかは結果論です。ただ赤ちゃんが欲しい女性は、早い時期に生活習慣を改善し、早めの妊活をして妊娠率を上げましょう。
そして結果的に流産しても、次に向けて気持ちを切り替えることが大切です。
妊婦が心配することは流産だけじゃありません。妊娠中の自分の身体も心配になると思います。とくに高齢出産だと、万が一を考えることもあるでしょう。
妊産婦死亡も流産と同じように妊娠前、妊娠初期の生活習慣を改善すればリスクを減らせることがわかっています。
これから赤ちゃんを作りたい人、今妊娠真っ最中の人は妊娠のリスクを理解したうえで健康な赤ちゃんを出産できるように今からできることに取り組んでください。