子供にとって3歳までの子育てが大切なことは、誰でも聞いたことがあると思います。
言葉の良し悪しや受け止め方は置いておくとして、「3歳児神話」や「三つ子の魂百」までといった”3歳”を連想させる言葉はいくつもあります。
3歳までの子育てで最も大切なことは、親子が積極的にスキンシップを取ることです。では、なぜ3歳までの子育てにおいて、スキンシップが重要だと言われるのでしょうか。
今回は、親子がスキンシップをすることで得られる効果についてお話したいと思います。
目次
スキンシップとは
スキンシップとは、人と人が肌を触れ合わせることによる心と心の交流のことで。
肌の触れ合いが目的なんじゃなく、肌が触れ合うことで親密感や共有感を感じ、愛着関係や信頼関係を築くことが目的です。
ちなみに、スキンシップとは和製英語で、正しくは「physical intimacy」「physical contact」と表現します。
たとえ肌と肌が触れても、親密感や共有感を互いに感じなければスキンシップではないです。電車の中で、男性が女性のおしりを触っても心は通いませんよね(^_^;)
そのため、スキンシップは子供をベタベタ甘やかして、親が一方的に満足することじゃないですし、単純に抱きしめたり、手をつないで歩くこととも違います。
子供とのスキンシップで大切なことは、子供に触れるだけじゃなく、心を通わせることを念頭においた触れ合い・交流をすることなんです。
親子のスキンシップが子供に与える効果
まーさ
子供にストレス耐性ができる
親子のスキンシップによって、オキシトシンの分泌を促します。オキシトシンは心拍数を下げ、副交感神経を高めることでストレス状態を和らげる効果があります。
また、スキンシップを繰り返すことで子供にオキシトシンが分泌しやすい脳が形成されると、成長に合わせたストレス耐性も高まります。
子供の感情コントロール力がつく
感情のコントロールとは自制できること、つまり独りよがりやワガママを抑えられるということです。自制するには感情的にならず、考え方や気分を変えて欲求を抑える必要があります。
親子のスキンシップを繰り返すことでオキシトシンが分泌されやすい脳になれば、心の安定やストレスの解消につながり、感情をコントロールできるようになります。
親子の愛着関係を築く
スキンシップによってオキシトシンが分泌されると、子供は親に安心感を覚えます。
安心感を覚える信頼関係ができた状態を「愛着関係」と言い、とくに生後6ヶ月から2歳過ぎまでの親子の愛着関係が子供の身体的、精神的な成長を促進してくれます。
子供の情緒が安定する
情緒とは、そのときの気持ちじゃなく普段の雰囲気を表します。情緒不安定とは、普段から落ち着きがなく突拍子もない行動をとったり、常に不安を抱えた状態のことです。
スキンシップで愛着関係を築くと、子供は親を安全基地として、自信を持った自発的な行動を取るようになります。そのため不安な気持ちが解消され、情緒も安定します。
子供の早い自立につながる
自信を持った自発的な行動を取れるようになることで、子供は経験と自信を相互に高め、より早い自立につながります。
子供の知能が発達する
親子のスキンシップを繰り返すことで、子供の知能が発達する可能性があるという実験結果があります。
ドイツにあるマックス・プランク研究所が行ったもので、43組の母子を対象に行われました(子供の平均年齢5.5歳)。まず、母子でソファに座ってもらい、そこで遊ぶ自然な姿をビデオで撮影しました。その後、収録したビデオをもとに、遊んでいる最中の双方のスキンシップ(母→子、子→母)の様子を分析し、それぞれの子供の脳の動き(安静時脳活動)と照らし合わせました。
すると、遊びの最中に母親が触れる頻度が多い子と少ない子の脳の動きに違いが見られたのです。とくに顕著だったのは、「社会脳」と呼ばれる部分の活動だったそうです。この「社会脳」とは、共感したり、相手の気持ちを察したりするときに活躍する領域で、スキンシップが豊富な子はこの部分の動きがより活発だったということでした。
社会脳とは、社会的認知能力を司る扁桃体、眼窩前頭野、側頭葉のことで、社会的認知能力とは、人が社会的な状況を認知・分析する際に必要な情報の取捨選択能力のことです。
簡単に言うと、子供に状況を理解する能力がついて頭の回転が早くなるということですね。
子供の身体能力・運動神経が高まる
好奇心の高まりと自発的な行動は、子供の身体能力・運動神経の向上に欠かせません。
自信と好奇心を持った子供は、「自分でやってみたい」「自分でできる」という気持ちから挑戦意欲が高まり、挑戦を繰り返すことで身体能力・運動神経が向上します。
他者への信頼感が生まれる
スキンシップによって親子の愛着関係ができると、他人を信頼する心が育まれます。
相互の信頼関係が喜びや安心感につながることを理解できると、自分も他人を受け入れて、信頼関係を構築できるようになります。
親子のスキンシップは3歳までで良い?
一般的に、子供から親に触れてくるのは小学校低学年ぐらいまでで、それ以降はベタベタするのが恥ずかしいと感じるようになります。
ただ、スキンシップの意味を勘違いしなければ、たとえば子供が何かを達成したときにハイタッチしたり、子供のおしりをポンと叩くこともスキンシップになります。
そのため、スキンシップは親子である限りずっと行うのが理想ですね。スキンシップを友達と行い、将来のパートナーと行い、そして将来の家族と行なう流れが大切です。
ちなみに、子供は保育園で集団生活を体験すると、他者との関係性から自我が急激に発達します。子供が急に大きくなって、生意気になったと感じるのはそのためです。
3歳までの親子のスキンシップが大切なのは、スキンシップを習慣にするためです。
では、他の家庭はどうしているのか、親子でどのようなスキンシップをとれば良いかわからないというパパは以下を参考にしてください。