まーさ
あまりにも普通に使われてるので勘違いしがちですが、「赤ちゃん」という呼び方は正式名称じゃなく愛称です。
たとえばおなかの中の赤ちゃんを「胎児」と呼びますね。「胎児」は日本の法律的、医学的におなかの中の赤ちゃんを表す用語として使われます。
ところが「生まれた赤ちゃんの正式な呼び方は?」と言われて、パッと答えられる人は意外と少ないかもしれません。
- 生まれたばかりの赤ちゃんってなんて言うんだっけ?
- なんで赤ちゃんって言うようになったの?
- 嬰児とか赤子は正式名称じゃないの?
今回は赤ちゃんの正式名称、なぜ赤ちゃんと言うようになったのか、その語源や由来に関して調べてみます。
目次
日齢、月齢、年齢に応じた赤ちゃんの正式名称
まーさ
生まれたばかりの赤ちゃんの正式名称をパッと答えるのが難しいのは、日齢、月齢、年齢で呼び方が変わったり、他にも赤ちゃんの呼び方があるためです。
たとえば生後28日未満の赤ちゃんは「新生児」ですが、生後7日未満の赤ちゃんは「早期新生児」です。これは母子保健法での定義で、出産予定日がズレた早産児も同じです。
また生後1歳未満の赤ちゃんは「乳児」と呼びます。これは児童福祉法での定義です。ちなみに満1歳から小学校入学までは「幼児」と呼びますね。
医学分野における胎児の定義は妊娠8週目(妊娠56日目)から娩出までのことで、それ以前は「胎芽(たいが)」と呼びます。
赤ちゃんの由来・語源
まーさ
赤ちゃんと呼ばれるようになった由来は、いくつかの説があります。
赤ちゃんは見た目の赤さに由来する
生まれたばかりの赤ちゃんは、分娩時の圧力や産後すぐに泣いて血流が良いこと、皮膚が薄くて体中の血管が透けていることから赤っぽい肌の色をしています。
その見た目の赤さから、「
赤ちゃんは夜が明けるに由来する
出産を朝日が昇ることに見立てて「夜が明ける子→明け子→赤子」になった説、赤ちゃんを太陽の赤に見立てて「赤子」と呼ぶようになったなどの説もあります。
どちらにしても赤ちゃんという呼び方は、赤い・明るいなど色のイメージですね。
ところが赤ちゃんという以外に「緑児」「嬰児」という呼び方も昔からあります。
嬰児、緑児とは
まーさ
嬰児、緑児の読み方
緑児、嬰児は、どちらも「みどりご」と読みます(または嬰児をえいじと読む)。
もともとは
- 緑児|みどりこ、みどりご、りょくじ
- 嬰児|えいじ、みどりご
良い言葉じゃないんですが、新生児を殺害する「
ただ緑児も嬰児も法律や医療で定義されてないので、赤子・赤児の呼び方と同じです。
嬰児とは生後三年ぐらいまでの子供
嬰児(緑児)は生まれたばかりの赤ちゃんを意味することが多いんですが、もともとは幼子つまり乳幼児のことです。
三省堂の大辞林には「生まれて間もない子供」「生後三年ぐらいまでの子供」と表記があります。そのため乳幼児を表す言葉ですね。赤ちゃんよりも年齢幅が少し広めです。
ただ幼児は満1歳から小学校入学までの呼び方なので、嬰児の「生後三年ぐらいまでの子供」は微妙な区切り方ですね。乳児+3歳未満児のような意味なんでしょう。
緑児は新芽や若葉に由来する
緑児の由来は
そのため「みどりのこ」で「緑児」が使われたとのことです。緑は後から色の名前として使われるようになったんだとか。
鍾非著:私の東大クイズ〈4〉広辞苑を感性で読み解く170問
他にもある赤ちゃんの類語・同義語
他にも、これまでに使われてきた赤ちゃんの呼び方はさまざまあります。
赤ちゃんを現す孩児、稚児、乳飲み子とは
「
また乳飲み子はおっぱいを飲む赤ちゃんをイメージしますが、最近は1-2歳でも授乳する子は多い※ので、おっぱいを飲む幼児も乳飲み子になるのかな。
アメリカ小児科学会やWHO(世界保健機関)では、2歳以降の授乳が推奨されています。
妊娠中および授乳期の食品安全と栄養|世界保健機関 (WHO)
このように赤ちゃんは昔から多くの呼び方があります。もし緑児・嬰児が定着していたら、今ごろ赤ちゃんじゃなく緑ちゃんと呼ばれていたのかもしれません(^_^;)
そう考えると今どきの育児用語「ベビちゃん」が、将来の赤ちゃんの呼び方になっていてもおかしくなかったり……。
他にも赤ちゃんについて気になる違いはありますね。以下も参考にしてください。