妊娠には「
妊娠とは、母体内で胎児を育てる動物で、母親の胎内で受精卵が子宮内膜に着床してから出産(流産)までの状態です。つまり、妊娠という期間を表します。
もちろん「妊娠」は、妊娠の始まりや妊娠の状態も表すため、一般的に広く使われる言葉だと考えて良いでしょう。
では「懐妊」「おめでた」「身ごもる」「懐胎」などの類義語も同じ意味なんでしょうか。それとも使い分ける必要があるんでしょうか。
今回は妊娠の別の言い方「懐妊」「おめでた」「身ごもる」「懐胎」などの違い、また使い分けについてお話します。
目次
妊娠の類義語1.妊娠が始まった時点を表す言葉
妊娠には、妊娠の始まりを表す意味があります。妊娠の始まりとは、妊娠に至る行為じゃなく始まった時点のことです。妊娠の始まりを表す類義語には以下のものがあります。
妊孕 とは
妊孕とは、妊娠することです。医療分野では「
懐妊 とは
懐妊とはおなかに子供を授かることで、妊娠よりも丁寧な言い方です。よく皇族に使われる言葉と勘違いされますが、一般的な言葉として使って問題ありません。
おめでたとは
おめでたとは、もともとおめでたい出来事全般を指す言葉です。とくに結婚・妊娠・出産のことをおめでたと言いましたが、現代では主に妊娠の始まりの意味で使われます。
受胎 とは
受胎とは、妊娠の始まりのことですますが、受精したことを指す場合もあります。受精とは、精子と卵子が結合して受精卵になることです。
懐胎 とは
懐胎とは、妊娠の始まりを指しますが”胎”は子宮の意味があるので、妊娠よりも専門性が強く堅い表現です。
妊娠の類義語2.妊娠状態になることを表す言葉
妊娠は「する」をつけて「妊娠する」という言葉になると、女性が妊娠状態になることを表します。
他にも女性が妊娠状態になる意味の言葉はいろいろあります。一般的に使われるかどうかはありますが、それぞれとくに意味が違うわけではありません。
身篭もる、身籠る、妊る、身篭るとは
身篭もる、身籠る、妊る、身篭るはすべて「みごもる」と読み、女性が妊娠状態になることを表します。ちなみに身ごもるには、身をひそめて隠れるという意味もあります。
孕む、妊む、胎むとは
孕む、妊む、胎むはすべて「はらむ」と読み、同じく女性が妊娠状態になることです。
懐姙する、受胎する、懐胎する
また懐姙、受胎、懐胎に「する」を付けると懐姙する、受胎する、懐胎するという動詞になり、すべて妊娠状態になることを表す言葉になります。
妊娠の類義語3.妊娠の状態・妊娠中を表す言葉
妊娠には、妊娠中・妊娠状態を表す意味があります。懐妊、懐胎が妊娠中の状態を表す言葉です。他に以下の言葉があります。
胚胎 とは
胚体とはもともと「物事が始まる要因を含んでいるもの」という意味ですが、転じて妊娠状態を表します。
身重 ・身持ち とは
身重・身持ちは、娠中と同様の意味で使われます。どちらも近世語(江戸時代の言語)で昔から使われている言葉ですが、現代では身重が一般的ですね。
妊娠の類義語4.妊娠が終わることを表す言葉
妊娠が終わることには、「妊娠」や妊娠に関連した言葉は使いません。無事に赤ちゃんが産まれた場合は、「分娩」「出産」が行なわれて妊娠が終了します。
反対に、妊娠が胎児の死などで途中で終わってしまうことを「中絶」と言います。
中絶には、胎児がおなかの中で自然に死んでしまい流産や死産に至る「自然妊娠中絶」、妊娠22週未満で人工的に妊娠を終わらせる「人工妊娠中絶」があります。
妊娠の類義語の使い分け
妊娠の類義語の違いを紹介しましたが、実際にこれらの言葉を使うときはどう使い分ければいいんでしょうか。
どの状態のどの言葉にも条件などに縛りがないので、妊娠の状態変化による言葉の違いはあまり気にする必要はないです。わざわざ使い分けする必要はないということです。
1つだけ注意した方が良いのは「おめでた」ですね。おめでたは「おめでたい」から転じた言葉なので、万が一妊娠を喜べない立場の人には使わない方が良いです。
そのため妊娠初期で妊娠を告げられた場合は、安定期までは「おめでた」は控えた方が良いかもです。家族以外で、安定期に前に妊娠を告げられることはないとは思いますが。
同じように「生まれる」「産まれる」の違いを調べたので興味があれば読んでください。