まーさ
赤ちゃんが「生まれる」と「産まれる」の漢字はどっちが正しいかわかりますか?
わたしは文章を書くときはそのときの気分で「生まれる」「産まれる」のどちらも使ってしまいます。
というわけで、「生まれる」と「産まれる」の使い方、漢字の意味、使い分けの必要性などについて調べてみました。
目次
「生まれる」と「産まれる」の意味
生まれるとは
「生まれる」の漢字は、「赤ちゃんなどの生命を生む」の他に「作品を生む」「誤解を生む」などに使われます。
類語例解辞典によると、
「生まれる」は、人間だけでなくあらゆる動物についていう。また、「オリンピックで数々の世界新記録が生まれた」のように、物事やある状態が新たに現れたり、人間の手で作り出されたりする意でも用いる。
とあります。つまり「生まれる」は生命の誕生だけじゃなく、物を作り出したり、芸術作品を創造するなど何かが新しく現れることを意味します。
産まれるとは
「産まれる」の漢字は、「赤ちゃんなどの生命を産む」の他には「卵を産む」などに使われます。「生まれる」に対して「産まれる」は生命の誕生のみ使われるのが特徴です。
「生まれる」と「産まれる」の使い分け
まーさ
では意味を踏まえて、「赤ちゃんが生まれる」と「赤ちゃんが産まれる」に使い分けの必要があるのか考えてみます。
おそらく赤ちゃんなど生命の誕生には「赤ちゃんが生まれる」と「赤ちゃんが産まれる」の使い分けの必要はなく、どちらを使っても間違いじゃないと思います。
ただし「生まれる」はより一般的な言葉で何に対して使っても問題ないことに対して、「産まれる」は出産・産卵(生命が体内から体外に出る)のみに使う言葉です。
そのため「わたしは、生まれも育ちも八王子です。」の場合は対象が人間でも出産・産卵ではないので、「生まれる」を使うのが正解になります。
「生まれる」と「産まれる」の使い方例
以下のように「生まれる」と「産まれる」の文例を挙げると、「産まれる」の方が使い方が限定的で文例も少ないことがわかりますね。
- 生まれるを使う文例
子供が生まれる
卵が生まれる
記録が生まれる
作品が生まれる
疑惑が生まれる - 産まれるを使う文例
子供が産まれる
卵が産まれる
「出生」「出産」の違いは?
ここで「生まれる」と「産まれる」を使った漢字の違いで面白いものを一つ。
「生まれる」と「産まれる」の意味を見てみると、何となく「生まれる」より「産まれる」の方が(人間の)赤ちゃんを出産する意味合いが強い気がしませんか?
ところが「
まぁこのようにややこしいのは、意味や言葉が後付されてるからなんでしょうけど(^_^;)
「生まれる」と「産まれる」は新聞ではどう使われる?
まーさ
毎日新聞・校閲グループの公式Twitterには、以下のように書かれていました。
「うむ」「うまれる」の漢字の区別はやや厄介。「赤ちゃんを産む」「赤ちゃんが生まれる」「ひなが生まれる」「卵を産む」「卵が産まれる」――などと毎日新聞では使い分けます。迷ったときは「出産」「誕生」「産卵」などの熟語を思い浮かべればよいでしょう。〔が〕
— 毎日新聞・校閲グループ (@mainichi_kotoba) 2016年5月11日
というわけで、新聞でもある程度使い分けルールは今回解説したものと同じですね。
わたしたちが一般的に使う分にはそれほど意識する必要はなさそうです。ただ”厄介”と言ってるので、使い分けないといけない立場の人には面倒な言葉なんですね。
新聞はわたしたちが日常生活で使い分けを意識する以上に、明確な使い分けや漢字の統一が必要なので大変ですね。
ちなみに「生まれる」と「産まれる」だけじゃなく、「生む」と「産む」も同じだと考えて良いと思います。
妊娠、おめでた、懐妊なども普段とくに意識せずに使っていますが、こちらも意味の違いや使い分けの必要性を調べたので興味があれば読んでください。