親なら誰もが自分の子供には強く、優しく、正しく育って欲しいと願ってるはず。ところがいろんな環境のせいで非行に走る子もいます。
非行に走る子を「
よく「子供は不良に憧れる」とか「不良は女の子にモテる」と言いますが(わたしはそう思いませんが……)、「非行に憧れる」「非行はモテる」という言い方は聞きません。
総務省は子供の非行を「非行少年」、不良を「不良行為少年」と定義しています。
今回は、非行と不良の意味の違いについてお話します。親として非行と不良の違いは知っておきましょう。
目次
非行少年とは
非行少年とは、「犯罪少年(刑法犯少年)」「触法少年」「虞犯少年」の総称です。他にも「特別法犯少年」という区分があります。
犯罪少年(刑法犯少年)とは
犯罪少年とは、刑罰法令に触れる罪を犯した14歳以上20歳未満の子供のことです。刑法犯は殺人・強盗・放火・強姦・暴行・傷害・窃盗・詐欺などの犯罪です。
触法少年とは
虞犯少年とは
- 保護者の正当な監督に服しない性癖のあること
- 正当の理由がなく家庭に寄りつかないこと
- 犯罪性のある人、不道徳な人と交際したり、いかがわしい場所に出入りすること
- 自分や他人の徳性を害する行為をする性癖のあること=不特定な不純異性交遊を繰り返すなど
特別法犯少年とは
特別法犯少年とは、刑法犯以外の犯罪(道路交通法違反や覚せい剤取締法違反、売春防止法違反などの軽犯罪)行為をした14歳以上20歳未満の子供のことです。
不良行為少年とは
不良行為少年とは、飲酒、喫煙、深夜徘徊などして自分や他人を害する以下の行為をする少年のことです。不良行為少年は非行少年ではありません。
- 飲酒
- 喫煙
- 薬物乱用
- 粗暴行為
- 刃物等所持
- 金品不正請求
- 金品持ち出し
- 性的いたずら
- 暴走行為
- 家出
- 無断外泊
- 深夜徘徊
- 怠学
- 不健全性的行為
- 不良交友
- 不健全娯楽
非行少年と不良行為少年の推移・割合
では、非行少年と不良行為少年の数はどう推移しているでしょう。警察庁の「少年の補導及び保護の概況」によると、刑法犯に当たる行為は近年減少しています。
とは言え、平成25年の犯罪少年の検挙数は5万件以上、特別法犯少年は5800件以上、触法少年が1万件以上、触法少年(特別法)が900件以上は少ない数ではありません。
また、補導された不良行為少年(不良行為予備群含む)は80万件以上に及びます。
非行と不良の年齢人口比の割合
それぞれ年齢人口比の割合で見ると以下のようになります。不良行為少年はとくに数が多いように見えますが、件数でカウントしてるので延べ人数です。
- 犯罪少年|7.8/1000人(0.78%)
- 特別法犯少年|0.81人/1000人(0.081%)
- 触法少年|2.7人/1000人(0.27%)
- 触法少年(特別法)|0.205人/1000人(0.205%)
- 不良行為少年|112.5人/1000人(11.25%)
自分の子供は非行や不良の恐れはない?
非行少年と不良行為少年の意味のまとめ
このように非行と不良には曖昧な部分はありますが、それぞれ言葉の意味が違います。
- 犯罪少年|刑法犯である14歳以上20歳未満の少年
- 触法少年|刑法犯である14歳未満の少年
- 虞犯少年|将来的に刑犯の可能性を持つ20歳未満の少年
- 特別法犯少年|特別法犯で警察に検挙された14歳以上20歳未満の少年
- 非行少年には該当しないが、飲酒、喫煙、深夜徘徊など、自分や他人を害する行為をする少年
以前より件数は減りましたが毎年多くの犯罪や違法行為をする少年がいて、その中に14歳未満や小学生まで混じっている場合があります。
しかもこの数字は警察に検挙・補導された数字なので、実際は氷山の一角なんでしょう。
刑法犯少年の親は普通の親が多い…
冒頭で話した通り、親は自分の子供には強く、優しく、正しく育って欲しいと願ってます。とは言え、何が「強く、優しく、正しい」かは難しいところですね。しかも、そのための教育はさらに難しい……。
刑法犯少年の父親と母親の態度は過干渉・気紛れ・溺愛の割合は低く、該当なしが最も多いのでほとんどの親が普通の親です(ただし放任は多い)。
「うちの子に限って」というやつですね(古い?)。ならわたしたちは何に気をつけて子育てをすれば、犯罪行為をしないように育つんでしょうか。
次回は、非行少年と一般少年の環境を比較して、置かれた環境や状況に関連性がないかを探ってみたいと思います。