まーさ
妊娠20週前後になると、妊婦は胎児がおなかの中で動くことを感じるようになります。いわゆる「
胎動は妊娠8-9ヶ月が最も強く、それまでは徐々に回数も多くなります。そのため胎動カウントで胎児の成長を感じることは、妊婦にとって安心材料になります。
ところが胎動カウントで何となく胎動が弱い気がして心配になる妊婦は多いです。
- 胎動が弱い……胎動カウントのやり方が違うのかな……。
- なんで胎動が弱いのかな?なにか原因ってあるの?
- どうしたら胎動を感じるようになるの?
- 胎動カウントってほんとに意味ある?
胎動は胎児によって強さや回数が違うので不安になりますよね。
そんな人はこの記事を読んで、正しい胎動カウントの方法を知ってください。また胎動カウントに含めていい動きや胎動が弱いと感じたときにどうすればいいかも解説します。
目次
胎動カウントの基本知識
まーさ
胎動カウントとは、おなかの中で胎児が動く回数や時間を定期的に計って胎児の活動を把握する方法のことです。
胎動カウントをとることで胎児の活動周期を把握したり、胎動の回数や強さを比べることで胎児の健康状態を知ることができます。
一般的に胎児の健康状態や成長具合を知るには、妊婦健診時の「超音波検査(エコー)」や「胎児well-being検査(NST)」など病院の正式な検査が必要です。
対して胎動カウントは妊婦が自分で簡単にできますし、行うメリットがあるので積極的に取り入れている病院は多いです。
胎動カウントをするメリット
胎動カウントをした方が良い理由は3つあります。
胎児の健康管理のため
胎動カウントは、胎児の健康管理のために妊娠28週ごろから病院で指導されます。
妊婦が胎児の胎動カウントをして日々の変化を把握することで、胎児の重大な変化やトラブルに早く気づく場合があります。
妊婦の体調理由のため
妊婦が「妊婦糖尿病」や「妊婦高血圧症候群」などを患ってる場合は、胎児の胎動が弱くなったり、回数が少なくなることがあります。
そのため胎動カウントを計測することで、妊婦の体調リスクを予見できます。
胎内の胎児を実感するため
妊婦は体調や体型の変化から妊娠していることを自覚しますが、胎動が起こることで胎児の存在をより強く実感できます。
日々の妊娠生活の注意を怠らないため、また出産に向けて気持ちを作っていくために胎動カウントをすることは大切です。
一般的な胎動カウントのやり方
まーさ
胎動カウントは妊娠28週ごろ、早い場合は妊娠22-24週前後から始めます。胎動カウントにはいくつか方法がありますが、ここでは有名な胎動10カウント法を紹介します。
胎動10カウント法の流れ
- STEP.1胎児が動いたら開始胎動カウントは、なるべく決まった時間帯に行います。きっちり時間を決めずに、胎児が動いたと感じたら胎動カウントを始めましょう。
- STEP.2座る・寝るなど楽な姿勢で胎動が始まったらソファなどに座って楽な姿勢になります。動いたり歩いていると正しく胎動カウントはできません。焦らずにソファに座って始めてください。
- STEP.3開始時間を記録する胎動開始時間を胎動カウントシートに記録します。
- STEP.410回の胎動にかかった時間を記録する赤ちゃんの胎動が10回確認できたら終了時間を記録して、胎動を10回行うまでにかかった時間を記録しておきましょう。
胎動カウントシートは病院でもらえますが、時間と胎動回数を記録する程度なので普通のノートで構いません。胎動カウントのスマホアプリを使うと楽ですよ。
胎動カウントシートは以下のイメージです。
胎動カウントの平均時間
妊娠28週以降の胎児は「20-30分寝て、20-30分起きる」を繰り返すので、20-30分以内で10回胎動します。そのため、胎児が途中で眠ると胎動カウントは取れません。
胎動は妊娠30週-36週でピークを迎え、臨月に近づくと落ち着きます。
1回の胎動カウントで一喜一憂する必要はないですし、健康状態が明確にわかるわけじゃないです。毎日の記録の中で、胎動の変化を可視化することに意味があります。
カウントする胎動の種類
初めは何が胎動かわかりにくいですが、毎日記録すると胎動リズムがわかるようになります。胎動カウントで1回と数える胎動は、以下の動きのことです。
- 足でおなかをポコッと蹴ったとき
- 手や足などでおなかをグーっと押したとき
- 胎児が身体の何処かの部位で押しながら移動するとき
- 胎児がぐるっと回転したとき
比較的短い周期、一定のリズムでピクピクする動きは胎児のしゃっくりの可能性があります。そのため、ピクピクする動きは胎動カウントに入れないでください。
また胎動は赤ちゃんが動いて休んでを繰り返す行為なので、おなかを連続してキックしたり、一連の動きで何度もおなかを押されても1回と数えます。
胎動カウントのポイント
胎児が起きてる時間と眠ってる時間の感覚を掴めないため、最初はなかなか胎動カウントがうまくいかないと思います。
まずは胎動を感じたら胎動カウントしなくても時間だけ記録しましょう。そうすると胎児の活動サイクルが把握できるようになり、胎動カウントの参考になります。
妊婦の「今赤ちゃん起きてるよ。」「今は眠ってる。」などを聞いたことがありますね。妊婦は胎動で胎児が起きてるか眠ってるかが、分かるようになります。
そのうち夜寝てるときに「ドンッ!」と蹴られて「ウッ!」と起きるのは、妊婦同士の「あるある話」になります(^_^;)
赤ちゃんの胎動が弱い・感じない原因
まーさ
胎動の開始が遅い
胎動は早い子で妊娠14-16週過ぎ、遅い子で妊娠24週に始まります。そのため少し胎動を感じるのが遅くてもあまり心配しないで様子を見ましょう。
妊婦が胎動を感じにくい
赤ちゃんの最初の胎動は弱いので、おなかがなったのか、おならが引っ込んだのか、よくわかりません。そのため妊娠22週を過ぎても気付かないかもしれません。
胎児が活発に動かない
赤ちゃんは眠ってるときはほぼ動きません。起きていても積極的に動かない赤ちゃんもいます。そのため妊娠20週までは、胎動を感じにくいことがあります。
また妊婦が便秘や肥満気味で子宮が圧迫されてる状態だと、赤ちゃんが動きづらく胎動が弱くなることもあります。
子宮内で動けない大きさになった
赤ちゃんの身体が大きくなると動く度に足や手が子宮壁に当たることが多くなり、ママは衝撃や痛みを強く感じるようになります。
ところが子宮内で自由に動けないくらい赤ちゃんの身体が大きくなると動きが制限され、胎動が弱くなったり、少なくなったと感じる場合があります。
臨月に入った
臨月に入ると赤ちゃんの頭が骨盤腔に固定され、手足と身体を折り曲げて顎を引いた頭位になります。頭位では、身体の動きも少なくなるので胎動が弱く感じます。
赤ちゃんの発育不全
何らかの原因でおなかの中の赤ちゃんの発育が十分ではない場合も、胎動が弱くなったり、感じづらくなる場合があります。
臍帯異常・胎盤異常など
へその緒が絡まって圧迫されるなどの臍帯異常があると、酸素や栄養が渡らないことで活動が低下して胎動が弱くなります。詳しくは以下を参考にしてください。
また常位胎盤早期剥離・前置胎盤などの胎盤機能不全、胎盤異常の場合も赤ちゃんに栄養や酸素が行き渡らないため、胎動が弱くなります。
妊娠糖尿病・妊娠高血圧症候群など
妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などの病気で胎盤機能が悪くなり、赤ちゃんに酸素や栄養が渡らないと胎動が弱くなります。
胎児の死亡・胎児ジストレス
周産期に起こる何らかの原因で赤ちゃんが死亡した場合や胎児ジストレス(胎児仮死)が起きた場合は、胎動を感じることはできません。
赤ちゃんの胎動を感じやすくする方法
まーさ
妊婦健診で赤ちゃんの様子がわかっても、胎動が弱いと心配ですよね。
本当に胎動が無い場合は、たとえ2時間でも大変です。まず本当に胎動が無いのか、感じにくいだけなのかを確認する必要があります。
楽な姿勢になる
妊婦は動いていたり、無理な姿勢をとっていると胎動を感じにくくなります。そのため胎動を感じないときはソファに深く座ったり、横になって左右の姿勢を試してください。
妊娠20週を過ぎた赤ちゃんは、寝て起きて1セットを40-50分で繰り返すので、30分以上は楽な姿勢で確認しましょう。
食事をする
妊婦が食事すると赤ちゃんの血糖値も上がり、動きが活発になる場合があります。
お風呂に入る
妊婦がお風呂に入ると血行が良くなり、元気に胎動をし始める赤ちゃんも多いです。
話しかける
おなかの中の赤ちゃんは妊娠20週前後には耳が聞こえるようになるので、赤ちゃんに話しかけて胎動を促しましょう。
自分なりのリラックスをする
アロマや好きな音楽を聴くなど、自分がリラックスできる状態を作ってください。妊婦の緊張がほぐれると子宮が弛緩し、赤ちゃんが動きやすくなります。
寝る前の状態も交感神経の動きが弱まり、リラックスした状態に近くなります。
胎動カウントは意味があるのか
まーさ
日本産科婦人科学会が発表した胎動カウントの比較研究では、導入前は死亡児が8.7/1000だったものが、導入後は2.1/1000まで減少したという報告があります。
また胎動減少の理由で来院した妊婦292人のうち、1.7%が来院時に胎児死亡していて、4.4%が
妊婦に「胎動回数をカウントさせ胎動減少時に来院させる方策」が周産期死亡を減少させるか否かについてはまだ結論が出ていない.胎動数カウントを導入する前・後の児 outcome 比較研究では,カウント導入前には児死亡が 8.7!1,000 であったものが導入後には 2.1!1,000 にまで減少し,胎動数カウントには周産期死亡率減少効果ありと報告された
妊婦が胎児の胎動が弱い・少ないと感じても、多くの赤ちゃんは健康に生まれます。そのためまずは自分の子の胎動の特徴を掴み、他の子と比べないようにしましょう。
胎動が弱い子なら、そのことも踏まえて医師にアドバイスをもらってください。
- 激しかった胎動の数が減り、弱くなったように感じる。
- 10カウントあった胎動がなくなってしまった。
- 胎動になんだか違和感を感じる。
という場合は早めに受診して、胎児の様子を確認しましょう。
胎動カウントは絶対じゃないですが、わたしは赤ちゃんの胎動が楽しくてずっとカウントしてました。医師と相談しつつ、胎児が動くペースが早くつかめると良いですね。
胎動が弱くて心配な人は、家庭で使える超音波心音計もあります。超音波心音計があれば、赤ちゃんの存在を心音でかんたんに確認できます。
わたしは使ったことないですが、意外と安くて評価も高いのでおすすめです。