まーさ
赤ちゃんのおしっこは黄色よりも無色透明に近く、匂いもそれほどありません。それなのになぜかおしっこが黄色くて、匂いが強いと「あれ?」って思いますよね。
赤ちゃんのおしっこはいろんな原因で色が濃くなったり、匂いが強くなることがありますが、一部病気が原因の場合もあります。
- そもそも赤ちゃんのおしっこが透明で匂いがないのはなぜ?
- なんでうちの子のおしっこはこんなに黄色くなったの?
- おしっこの色が濃くて匂いが強くなったらどうすればいい?
赤ちゃんの体調変化はママの心配事の1つです。そのためおしっこの状態が変わって心配になったママは、この記事を読んで赤ちゃんが今どういう状態なのか理解しましょう。
おしっこは毎日するものなので、しっかり観察すれば変化がよくわかりますよ。
目次
赤ちゃんのおしっこが透明で匂いがない理由
まーさ
一般的なおしっこ排出の機構は以下の通りです。
- STEP.1必要がなくなった血液が腎臓でろ過されて原尿になる
- STEP.2原尿から体内で再利用できる成分と水分が腎臓の尿細管で再吸収される
- STEP.3残りがおしっことして膀胱に運ばれて排出される
原尿から再利用できる水分量が多いほど、膀胱に残るおしっこの色が濃くなり、匂いも強くなります。
ところが赤ちゃんは腎臓の機能が未熟なので、尿細管で再吸収される水分の量が少なく、大人に比べておしっこが濃縮されていません。
そのため赤ちゃんのおしっこの色は薄く、アンモニアの匂いもあまりしないんです。
腎臓の機能が発達してろ過・再吸収機能が大人に近づくのは2-3歳ごろです。このころにはおしっこの色が大人のように黄色っぽくなり、アンモニア臭も強くなります。
まーさ
赤ちゃんの腎機能がいきなり発達することはないので、おしっこの色や匂いが変わったら何か別の原因を考えないといけません。
赤ちゃんのおしっこが濃い・匂いが強い原因
まーさ
腎機能の成長のため
子供は2-3歳までに腎臓のろ過・再吸収機能が大人とほぼ変わらなくなります。そのため成長が早い赤ちゃんほどおしっこの色は濃く、匂いが強くなります。
身体の水分量が減ったため
赤ちゃんのおしっこの色が濃く、匂いが強くなる一番の原因は身体の水分量のせいです。
夏場や体を動かして汗をかくと赤ちゃんの体の水分量が減って膀胱に溜まる水分が少なくなるので、おしっこの濃度が上がります。
同様に病気で発熱すると、身体の水分が蒸発しておしっこが濃くなります。そのため色が濃く、匂いも強いおしっこが出やすくなります。
食べ物・飲み物が変わるため
赤ちゃんは生後6ヶ月から離乳食を食べ始めるので、食べ物の成分でおしっこの色が濃くなったり匂いが強くなることがあります。
また母乳じゃなくミルクの場合は、消化が悪く残渣(ざんさ=ろ過などの後に残る不溶物のこと)が出ることもあるので、おしっこの色が濃くなる場合があります。
微生物に分解されたため
おむつを長時間放置するとおしっこが細菌で分解され、アンモニアが発生して匂いが強くなります。おしっこの色が薄い割に匂いが強いのは、この可能性があります。
薬の成分が影響したため
飲食でおしっこの色や匂いが変わることと同じで、薬の成分でおしっこの色が濃くなったり、匂いがきつくなる場合もあります。
ウロビリノーゲンが反応したため
おしっこ中のウロビリノーゲンがおむつの中で酸化すると、オレンジ色になります。通常ウロビリノーゲンはうんちと排泄されますが、まれにおしっこに混じることがあります。
血が混じるため
おしっこが赤黒い色の場合は、血尿が出ている可能性があります。おしっこは血液が腎臓でろ過されたものなので、おしっこに血が混じるのは以下の原因が考えられます。
- 腎臓のろ過機能に異常があり、赤血球の成分が混じる
- 尿管・膀胱・尿道からの出血
尿路感染症のため
アンモニア臭が強いおしっこは尿路感染症かもしれません。尿路感染症にかかると腎尿路系が炎症を起こして化膿し、おしっこに腐敗臭が混じる場合もあります。
尿路感染症は以下の症状を伴います。
- 37度台の微熱がある
- 腹痛がある
- 排尿時に痛みがある
- 頻尿や残尿感がある
- 赤黒い血尿が出る
- 尿に濁りがある(蛋白尿)
- アンモニア臭が強い
- おねしょ
- 38度以上の高熱が出る
- 吐き気や嘔吐がある
- 腰痛や背中の痛みがある
- 食欲がない
- 尿に濁りがある
- 尿に腐敗臭がある
- 排尿時に痛みがある
蛋白尿のため
おしっこに白濁色が混じったり、泡立っている場合は蛋白尿の可能性があります。
子供の腎機能は不完全なので疲労や発熱で一時的に蛋白尿が出やすい子もいますが、病気の可能性もあるため一度小児科を受診しましょう。
おしっこの健康管理は色や匂いより量や回数
まーさ
赤ちゃんのおしっこはいろんな原因で匂いが強くなったり、色が変わったりします。大抵は体内の水分量が減っただけなので、脱水症状に注意すれば過剰な心配はいりません。
もちろん血尿やきついアンモニア臭、蛋白尿が続く場合は、早めに病院に連れて行った方が良いと思います。
赤ちゃんの健康管理で大切なことは、おしっこの色や匂いよりも量や回数です。
またおしっこ前後にぐずるか、ぐったりしてるか、発熱があるかなどで他の病気の可能性を疑います。
おしっこの量や回数が減る原因は大量に汗をかいたり、母乳が足りなかったり、嘔吐下痢をしたりなど水分が失われたからで、放置すると脱水症状を起こす危険性もあります。
ちなみに膀胱炎などで血尿が出ても見た目の色がわからない場合が多いので、こちらも赤ちゃんの様子や他の症状を確認することが大切です。
一方赤黒く分かりやすい血尿(のようなもの)が出た場合は、腎臓のろ過機能異常や臓器出血の可能性もあるのですぐに病院に行きましょう。
おしっこの色・匂いは大人もよく変わる
赤ちゃんのおしっこの色や匂いが変わることを不思議に思うママは多いと思いますが、大人のおしっこも身体の水分量で色や匂いが変わります。
わたしたちは自分のおしっこをまじまじと見ないので変化に気付きませんが、赤ちゃんのおしっこは白いおむつに染みこんだものを見るので余計に気になるんだと思います。
おしっこは健康のバロメーターなので、量や回数だけでなく赤ちゃんのおしっこの色や匂いに敏感なのは良いことです。
とにかく普段から赤ちゃんを注意深く観察して、変化に気づけるようにしましょう。
またおしっこのときに赤ちゃんが泣いてしまう原因、ぐずってしまう原因も理解して、総合的に赤ちゃんの体調管理をするようにしましょう。
赤ちゃんの泌尿器と性器の病気 ~おしっこからわかること~|育児支援サイトすくすく.COM