本記事はライター寄稿記事を一部修正したものです
あなたは、身近に子育ての悩みを相談できる相手はいますか。うちは双子だったので、同じ境遇の相談相手がすぐに見つかりませんでした。たとえば双子特有の悩みとして、
- 二人同時に泣かれるとつらい、でも二人抱っこも腰を痛めるしなかなかできない
- 二人同時の授乳がつらい、でも順番だと長い時間授乳しなければいけない
などがあります。何となく大変そうなのはわかってもらえても、共感はしてもらえないんですよね。
そんな育児不安を相談できる窓口は、意外とあります。わたしも相談しました。育児の悩みは、共感してもらうだけで気分が前向きになります。基本的にはこの6つです。
- 保健センター・保健所
- 産婦人科や助産院
- 児童館・子育て支援センター
- 子育てホットライン「ママさん110番」
- 全国児童相談所
- 日本助産師会 電話相談
ただ、窓口がわかっても「どうやって相談すれば……。」という人もいます。そこで今回は、窓口に相談する前の心構えや準備についてお話しますね。
目次
子育て相談をしたいときは?
ママたちが子育て相談をしたいと思うのは、具体的にどういうときなのでしょうか。
周りに相談相手がいないとき
雑誌やネットにはいろいろな情報がありますが、実際に自分で子供を育ててみると、ささいなことから大きなことまで、いろいろな悩みが出てきます。
結婚後も地元に住んで、子育てを経験している友人や両親・親せきなどが近くにいる状況であれば相談相手はいるかもしれませんが、そうでないママもたくさんいます。
離乳食など専門的な相談がしたいとき
子育て中でも、子供の年月齢や環境により、悩みは変わります。
とくに、まだ食事がとれない時期の母乳やミルクに関する悩み、あるいは離乳食の作り方や進め方など、今すぐに相談に乗ってほしい状況でも、身近な知り合いでは専門的な知識がないため、相談が難しいことも多いですね。
夜や休日など緊急で相談したいとき
「夜泣きでなかなか泣き止まない」「熱が出て心配だけれど病院は開いていない」「夏場にお出かけしたらいつの間にかぐったりしている」など、今すぐ知りたい悩みに対して答えられる人は少なく、看護師や医師など専門知識を持つ人であればなおさら相談することは難しいでしょう。
子育て相談ができる場所
子育ての悩みを誰かに相談したいとき、その内容によっていろいろな相談窓口が開設されています。今現在悩んでいなくても、何かあればここに相談すれば良いと知っていれば、大きな安心材料になります。
訪問相談の窓口紹介
実際の子どもの様子を見てもらって相談したいこと、離乳食など実際に作ったものを見てほしいときなどは、訪問相談できる窓口を頼りましょう。
保健センター・保健所
各自治体にある「保健センター」や「保健所」では、保健師、また地域によって栄養士、助産師、医師などの専門家に、子供の発達や母乳育児に関する悩み、離乳食に関する相談をすることができます。自治体のホームページや広報誌に情報が掲載されているため、チェックしておきましょう。
わたしが住む地域では、電話で予約をしておけば、誰でも栄養士や助産師に月1回ずつ相談できる日が設定されています。
産婦人科や助産院
産婦人科や助産院には、育児相談窓口を設けているところがあり、専門医や助産師、看護師などが母乳育児や離乳食の進め方などの相談に乗ってくれます。
自分が出産していない医療施設でも相談できる場合がありますが、施設により有料・無料など対応内容も異なるので、各施設のホームページで確認してください。
児童館・子育て支援センター
各自治体にある「児童館」や「子育て支援センター」では、保育士や社会福祉士などの専門知識を持つ職員が相談に応じる場合があります。施設によって相談日が設定されていることもあるため、自治体のホームページなどで確認しましょう。
まーさ
電話相談の窓口紹介
電話相談は、外出中でも気軽にできるので子育て中にはとても便利ですね。
子育てホットライン「ママさん110番」
「日本保育協会」が運営している電話相談室で、無料で子育ての悩み全般に対応してくれます。
電話番号|03-3486-4416
対応時間|平日午前10時-午後4時まで
全国児童相談所
各都道府県にある児童相談所では、職員だけでなく児童心理司や児童福祉司などの専門家が子育ての悩みに対応してくれます。
また、児童相談所全国共通ダイヤルとして「189(いちはやく)」という3桁の数字で最寄りの相談所につながります。
児童相談所全国共通ダイヤルについて|厚生労働省
小児救急医療電話相談
小児救急医療電話相談は、厚生労働省が行っている事業で、夜間休日に子供の急病やケガなどがあった場合に、対処法やすぐに診てもらえる病院の案内などの相談ができます。
小児救急電話相談は、プッシュ回線の固定電話・携帯電話からは局番なしの「#8000」で電話をかけることができますが、ダイヤル回線・IP電話・光電話からはつながらないため、各都道府県の対応電話番号に電話しなければいけません。
日本助産師会 電話相談
日本助産師会では、お産、子育てだけでなく、不妊や思春期、更年期のことなど女性の健康全般について助産師に無料で相談できます。
電話番号|03-3866-3072
対応時間|火曜午前10時-午後4時まで(祝祭日及びお盆休み・年末年始は除く)
公益社団法人日本助産師会 電話相談(子育て・思春期・更年期)
企業が行う子育て相談の窓口紹介
子育て関連の食品企業では、無料の電話相談を実施しているところがあります。またいくつかの保険会社では、保険の加入者やその家族限定ですが、24時間相談を受け付けているところもあります。保険会社のサービスなどを一度確認してみるといいかもしれません。
エンゼル110番
エンゼル110番は、粉ミルクなど子育て関連食品を取り扱う森永乳業が運営しており、妊娠中から就学前の子育て世帯を対象に無料で育児相談を受け付けています。
専門医等の診断が必要な病気や治療に関する相談、解決法の提案が難しい家族関係の相談などは対応できないとしており、相談時間は30分程度が目安となっています。
電話番号|0800-5555-110
対応時間|月曜から土曜の午前10時-午後2時まで (祝日・年末年始を除く)
明治赤ちゃん相談室
明治赤ちゃん相談室は、同じく粉ミルクなど子育て関連食品を取り扱う明治ホールディングスが運営しており、赤ちゃんの食事と栄養に関する相談に対応しています。
専門知識を持つ管理栄養士・栄養士などに相談でき、希望すれば記録を取ってもらい、経過を確認しながら相談することもできます。
電話番号|0570-025-192(ナビダイヤル)
対応時間|月曜から金曜の午前10時-午後3時まで(第3火曜日、祝日、年末年始除く)
育児相談ほっとライン
日本生命保険相互会社の運営する育児相談窓口です。被保険者とその同居の家族限定ですが、24時間365日電話で相談が可能です。
管理栄養士の対応は、月曜から金曜の午前10:00-午後6:00(祝日、年末年始除く)となっています。
育児相談ほっとライン | 健康関連・介護関連・育児相談 | 日本生命保険相互会社
24時間電話健康相談サービス
オリックス生命保険株式会社の運営する24時間対応の健康相談の窓口です。被保険者とその同居の家族限定ですが、24時間365日妊娠から育児まで子育てに関する相談ができ、専門知識を持った保健師、助産師、看護師、産婦人科・小児科の医師などがアドバイスをしてくれます。
育児相談をする前の準備と注意点
子育ての悩みは誰もが抱えています。たとえ今悩んでいなくても、長い子育ての間で悩んだり、落ち込んだりということは必ずあります。相談窓口さえ知っておけば、あとは気軽に訪問したり、電話をするだけなのですが、相談する前の準備と注意点を押さえておきましょう。
相談事項をメモしておく
訪問でも電話でも、いざ他の人に悩みを話すことになると、緊張してしまうものです。また、1つの質問に思いがけず時間がかかってしまうこともあります。
子育ての悩みは大小さまざまです。普段から悩んでいることを書き留めておくなど、事前にメモを用意しておくと、相談したいことを漏れなく話すことができますよ。
悩み解決の努力をする
相談窓口は、子育てに関する悩みを前向きに解決するために存在しています。単なる愚痴を言う場ではなく、相談しながら解決策を一緒に見つけていけると良いですね。
ただ、ママ自身の心が切羽詰まっている場合には、「ただ言いたいだけ」「聞いてもらいたいだけ」ということが、精神的な救いになるケースも少なくありません。
産後のママは、ホルモンバランスの変化から、精神面でもケアが必要なことも多くあるもの。そんなときは、「いのちの電話」に相談したり、出産でお世話になった助産師など専門家に相談して、自分自身の精神面のケアを図りましょう。そこから、専門家など別の窓口を紹介してもらえることもあります。
子育てに不安や悩みを抱える人の割合
厚生労働省の統計(※)によると、子供を育てていて負担に思うことや悩みがあると答えた人は75%に上ります。10年前と比較しても若干増加傾向であり、多くの人が子育ての悩みを持っていることが分かります。
具体的な悩みの内容としては、子育ての出費がかさむこと、自分の自由な時間が持てないこと、身体の疲れが大きいこと、気持ちに余裕を持って子供に接することができないことなどです。
より具体的な悩みは、家庭環境によってさまざまです。「子育てによる身体の疲れが大きい」という悩み一つとっても、その原因や置かれた環境によって悩みの種類や大きさも異なります。