「うちの子小学生なのにおねしょ治んないのよぉー。ほんと恥ずかしくて嫌になっちゃう。」なんて子供のおねしょに悩んでるママは少なくないですよね。
子供のおねしょは夜中に起こされる、洗濯物がいっぱい、子供が泣くor落ち込むなどいろいろ厄介です。しかも連日おねしょして雨の日が続くと
まーさ
となることもありますね……。ただし小学生が夜間に尿漏れするのは、実はおねしょじゃなく「
- おねしょと夜尿症の違いって何?
- 夜尿症って何が原因で起こるものなの?
- どうしたら子供の夜尿症は治るの?
小学生前後の子供のおねしょ(夜間の尿漏れ)に悩むママはぜひこの記事を読んでください。これまでの子供のおねしょの認識が変わって、子供の対応も変わるはずですよ。
目次
夜尿症は6歳以降の夜間の尿漏れ
夜尿症とは、夜寝ている間におしっこを漏らしてしまう症状のことです。
まーさ
そうです、おねしょと夜尿症はどちらも寝てる間に無意識におしっこが漏れることです。ただ、おねしょと夜尿症には違いがあります。
よく言われる違いは5歳までの就寝時の尿漏れを「おねしょ」、6歳以降を「夜尿症」と呼ぶことですが、単純に年齢の違いだけで片付けていいわけじゃないんです。
おねしょと夜尿症の違い
子供は機能の成長に差があるので、5-6歳のおねしょならとくに心配はいりません。
幼児のおねしょの原因は「抗利尿ホルモンの分泌不足」「膀胱容量の未成熟」「蓄尿コントロールが未熟」ですが、これらは成長とともに機能が整っていきます。
ところが6歳を過ぎておねしょをする子は、本来成長する機能が未成熟なことに加えて、睡眠リズムの乱れや心理的な原因、または病気が原因の可能性があります。
そのためおねしょと夜尿症は区別する必要があるんです。
日本夜尿症学会が出版している「夜尿症診療ガイドライン2016」では、5歳以降で1ヶ月に1回以上夜間の尿漏れが3ヶ月以上続くことを「夜尿症」と定義し、診療対象の疾患として扱っています。
- 夜尿症は5歳以降で1ヶ月に1回以上の夜尿が3ヶ月以上続くこと
- 夜尿症を起こす子は年齢に伴った機能が未発達な可能性がある
- 夜尿症はストレスが原因で起こっている可能性がある
夜尿症が起こる病的な原因
まーさ
夜尿症は適年齢の身体機能の未発達以外に、「夜間多尿による原因」「膀胱機能障害による原因」「その他の原因」があります。
夜間多尿による原因
先天性腎奇形
先天性腎奇形とは低形成腎、異形成腎、水腎症などの総称で、先天性腎奇形による腎機能障害があると尿の浸透圧が低くなる(低張尿)ため排泄が多くなってしまいます。
尿崩症
糖尿病
糖尿病を患うと高血糖になるため水分を大量に摂取する傾向があり、夜間の尿漏れにつながります。なお子供に多い糖尿病は、1型糖尿病(小児糖尿病)です。
神経性多飲症(心因性多飲症)
神経性多飲症とは、ストレスや不安など精神的な問題があるときに大量の水分摂取で精神が安定する症状のことです。大量の水分摂取で低張多尿になり、尿漏れ原因になります。
膀胱機能障害による原因
下部尿路疾患
尿路感染症など下部尿路疾患で排尿回数の異常(昼に8回以上)がみられる場合は、夜間の尿漏れ原因になります。
脊髄疾患
2分脊椎、脊髄脂肪腫、Teterdcord症候群などの脊髄疾患があると、慢性の便秘や
その他の原因
尿管異所開口
てんかん発作
てんかんを起こすと、発作に伴う尿漏れがみられます。
睡眠時無呼吸症候群
原因はわかってませんが、睡眠時無呼吸症候群を起こすと夜尿症の頻度が高くなります。
ADHD(注意欠陥多動障害)
ADHDの子供は遺尿や遺糞の頻度が高く、夜間の尿漏れを起こす可能性があります。
子供の夜尿症を治す方法はある?
まーさ
「またおねしょ!?小学生なのに恥ずかしくないの?」なんて言っちゃダメです。夜間の尿漏れは病気やストレスの可能性もあるので、言い方には気を付けましょう。
夜尿症を治す生活改善対策
まずは生活改善で夜尿症対策をしましょう。
寝る前の水分摂取を控える
水分摂取は寝る2時間前まで、寝る前にのどが乾いたら喉を潤す1口程度にします。また過剰に水分摂取しないよう、夕食は塩分控えめにしましょう。
夜更かしをしない
夜更かしをすると抗利尿ホルモンが十分に分泌されず、尿漏れの原因になります。また夜中に子供を起こしてトイレに行かせるのも、抗利尿ホルモンの分泌を阻害します。
身体を冷やさない
お風呂に早めに入る家庭では、子供の身体の冷えが尿漏れになる場合があります。寝ている子供の手足が冷えていないか確認してください。
ストレスを解消する
子供は大人が思ってるよりずっと繊細です。脳の発達が未熟で経験が少ないため、自分自身でストレスを解消する方法も知りません。
- ママとパパがケンカをしていた
- ママに大きな声で叱られた
- 弟妹ができてかまってもらえなくなった
- 小学生になることに緊張している
- 小学校で友達とケンカをした
など子供が感じるストレスをあげるとキリがありません。子供のストレスを見極め、ストレスを和らげることも親の役目です。
病院での対処療法・治療方法
上記の対策をしても夜尿症が続く場合は、小児科や泌尿器科を受診しましょう。その場合以下の対処療法や治療方法が検討されます。
生活習慣の指導・行動療法
夜尿症の原因が生活習慣と考えられる場合は定期的な生活習慣の指導や「排尿日記」「膀胱訓練」「アラーム法」などの行動療法が行われます。
漢方薬の処方
子供が慢性的に冷え症、喉の渇きを訴える場合は症状に合った漢方薬が処方されます。
抗利尿ホルモン薬の投与
抗利尿ホルモンの分泌量が少ない場合は、抗利尿ホルモン薬を投与する場合があります。
膀胱の収縮抑制剤の投与
就寝中の膀胱の収縮が大きい場合は抗コリン剤などの膀胱収縮抑制剤を投与して、蓄尿量を多くする治療を行う場合があります。
カウンセリング
悩みがなさそうに見える子供も、ストレスを抱えてるかもしれません。夜尿症の原因がストレスの場合は、子供向けカウンセリングを受けるよう医師に促されることもあります。
内臓疾患や神経障害の治療
肝機能障害・腎臓の機能不全などの内臓疾患や神経障害が原因で夜尿症が起きている場合は、それぞれの疾患の治療で夜尿症の改善に導く必要があります。
息子は何度も夜尿症が再発している……
息子はおむつはずしが割と早く、3歳前にはおねしょも卒業しました。ところが4歳でおねしょが再発し、昼にもお漏らしするようになりました。
息子は昼間に10回以上、夜も5-6回トイレに行くようになり、「おしっこでるー。」→トイレ行く→「でなかったー。」を繰り返しました。尿意の感覚もわからなくなったんです。
再発したおねしょは2-3ヶ月ほど続きましたが、徐々になくなっていきました。
それから1年ちょっと。息子は年長になり、年少には園替えした娘が通うことになりました。そこでまたおねしょが再発したんです……。
息子は二度おねしょを卒業したので、「抗利尿ホルモンの分泌不足」「膀胱容量の未成熟」「蓄尿コントロールが未熟」が原因ではありません。
息子の夜尿症の症状とストレスの原因
診察して幸い病気ではなかったものの、尿漏れは精神的な原因かもしれないとのこと。そこで息子のストレスになりそうなことを考えてみました。
年長になるため
学生のころを思い出すと小学6年生、中学3年生、高校3年生とそれぞれ集団生活の一番上にカテゴライズされるのは、プレッシャーに感じていたかもしれません。
娘が同じ園に入るため
息子は気が弱いのですが面倒見が良いので、息子なりに娘が入園したときに面倒を見なきゃと思っていたようです。それがプレッシャーになっていたことは想像できます。
小学生を意識し始めたため
息子の遊び相手の半分は年上です。そのためママたちが集まると、小学校の話が多かった気がします。息子なりに小学生の友達を見て、小学校を意識し始めたのかもしれません。
息子の夜尿症が治った理由
息子の夜尿症は3ヶ月ほど続きましたが、徐々に治っていきました。ただ特別何かをしたわけじゃありません。
年長になって仲が良い友達も何人か同じ組になりました。娘も泣きながら幼稚園に行ってますが、園庭で友達と遊ぶ姿も見かけます。そのため息子の心配もなくなったようです。
やっぱり息子の夜尿症は精神的なストレスが原因だったんだと思います。
夜尿症は小学校低学年で約10%、小学校高学年で約5%ほどの割合ですが、やはり原因の多くは何らかのストレスだと思います。
そのため小学生になって急におねしょが再発したり、頻尿になることはありますが、病気が原因じゃなければいつかは治る可能性が高いです。
小学生の夜尿症は病気・ストレスを疑う
小学生以上の夜間の尿漏れは夜尿症と考え、病気やストレスが原因の可能性も疑ってください。そのため、子供の尿漏れを恥ずかしいものだと考えないでください。
子供はおねしょ(夜尿症)が恥ずかしいことだと刷り込まれていると、ショックを受けて余計に尿漏れが悪化する恐れもあります。
まーさ
と焦る気持ちは分かりますし、睡眠時間が削られたり、朝の忙しい時間に洗濯物が増えてイライラする気持ちもわかります。
ただ怒ったり、イライラしたり、冗談っぽく笑う前に、子供を励まして安心させましょう。少しずつ生活習慣を改善して、夜尿症が起こりにくい環境も作ってあげましょう。
それでも夜尿症が続くなら「ただのおねしょでしょ?」と思わずに小児科や泌尿器科に行き、尿漏れの原因を探ってください。でもほんとに治って良かったわ……。
日本泌尿器科学会-The Japanese Urological Association (JUA) こんな症状があったら – 『おねしょ』(夜尿症)が治らない – 一般のみなさま向けサイト