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赤ちゃんの舌の色が白・黒・紫・黄・茶色になる原因と対策

舌の色が白・黒・紫などになる原因

健康な舌の色は血色が良く、淡いピンク色です。また舌苔ぜったいという白っぽい苔のようなもので覆われています。

舌苔は、口の中からはがれた粘膜細胞や食べカスが舌の上に溜まって細菌が繁殖した状態です。舌苔があるのは正常で、通常はうっすら白い色をしています。

よく舌の状態は健康のバロメーターと言われますが、これは赤ちゃんも同様です。

たとえば舌のひび割れは乾燥や脱水状態、舌が腫れていたり縁に歯形がついているのは体がむくんだ状態、また舌先がブツブツしていたら感染症の可能性が考えられます。

では舌の色がいつもと違う場合は、どう考えればいいんでしょうか。たとえば赤ちゃんの舌も健康状態や環境で、白・黒・紫・黄・茶などに変わることがあります。

そこで今回は赤ちゃんの舌の色がいつもと違うときの原因、舌の色別の対処法についてお話します。

赤ちゃんの舌が白くなる理由

赤ちゃんの舌が、普段以上に白くなる理由は以前お話しています。

母乳やミルクのカス

赤ちゃんの舌の表面がうっすら白っぽい程度なら、正常な範囲内です。授乳後はミルクや母乳の残渣(残りかす)で、白っぽい色が普段よりも濃く付着することがあります。

鵞口瘡

濡れたガーゼで舌を拭っても取れない白い舌苔は、「鵞口瘡がこうそう」の可能性があります。鵞口瘡はカンジダ真菌で発症しますが、無害で自然治癒することが多い疾患です。

カンジダは身近にある菌で普段は感染しませんが、風邪を引いて免疫力が低下していたり、抗生剤を服用して身体の細菌叢さいきんそうのバランスが崩れるとかかりやすくなります。

鵞口瘡がなかなか治らなかったり、繰り返す場合は、免疫力の低下や他の疾患が隠れている恐れもあるので小児科を受診しましょう。

赤ちゃんの舌が黒色や紫色になる理由

鵞口瘡の一種のため

舌に黒色色素を産生する細菌が増殖すると、舌が黒っぽくなります。この状態を「黒毛舌こくもうぜつ」と言い、口腔内が不潔な場合や病気で身体が弱っているとき、また抗生剤の服用で免疫力が低下してるときに見られます。

黒毛舌は基本的に無害で、体調が回復すればほぼ自然治癒します。食べカスなどの汚れが付いているだけのこともあるので、焦らずに口腔内を観察してください。

注意まれに黒色腫という皮膚がんの一種の可能性もあるため、気になるときは小児科医に相談してください。

舌が黒くなった|口腔外科相談室|日本口腔外科学会

消化性潰瘍(胃・十二指腸潰瘍)による出血のため

赤ちゃんの嘔吐物に焦げ茶や黒っぽいカスが混ざっている場合は消化性潰瘍で出血している可能性があり、嘔吐物が口腔内や舌に付着して黒っぽく見えることがあります。

胃や十二指腸での少量の出血は胃酸で血中ヘモグロビンが変性したり、酸化による変色で黒褐色になります。また、コーヒーの残りかすのようなボソボソした状態になります。

新生児の消化性潰瘍|日本小児外科学会雑誌 第26巻3号

赤ちゃんの舌が黄色や茶色になる理由

発熱や胃腸炎のため

赤ちゃんが発熱したり、胃腸が弱っていると、免疫力が低下して舌の表面が黄色や茶色に変色します。また発で口腔内が乾燥していると、舌の色も変わりやすくなります。

発熱時は舌の表面にひび割れができることもあるので、舌の状態も観察してください。

血液が付着しているため

ママの乳首が出血して血液が混ざった母乳を飲んだり、赤ちゃんの口腔内から出血していた場合、血液が口腔内に付着して舌が茶褐色に見えることがあります。

口腔内から出血する原因はいろいろありますが、赤ちゃんは何でも口に入れるので、尖ったもので口内が傷付いて出血している可能性があります。

舌を眺めてみませんか?‐舌による健康チェック‐ | 大阪大学歯学部 歯学部附属病院

赤ちゃんの舌が変色したときの対処法

舌の色が白い場合の対処

ミルク・母乳のカスが付いている場合は濡れたガーゼで拭ったり、湯冷ましを飲ませることで元通りのピンク色に戻っていきます。

鵞口瘡も自然治癒がほとんどですが、治りが遅い場合やママの乳首に感染した場合は、小児科や婦人科を受診しましょう。治療は抗真菌薬を口腔内に塗布します。

舌の色が黒色や紫色の場合の対処

黒毛舌は自然治癒を待ちますが、治りが遅いときや繰り返すときは他の疾患も考えられるので、小児科医に相談しましょう。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、哺乳量低下、吐血、不機嫌、繰り返す嘔吐、黒色便などの症状が出現します。赤ちゃんは痛みを訴えられないので症状の判断は難しいのですが、気になる症状があればすぐ受診しましょう。

舌が黒くなった|口腔外科相談室|日本口腔外科学会

舌の色が黄色や茶色の場合の対処

赤ちゃんが発熱していて舌の色が黄色や茶色に見えたときは、湯冷ましを数滴飲ませたり、必要に応じて授乳回数を増やすなどで対応しましょう。

風邪で発熱や下痢症状があるときは、哺乳量や尿量が減少していれば早めに受診してください。

舌の色自体はしばらく様子をみると改善することがほとんどです。体調の変化に注意しながら観察しましょう。

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赤ちゃんの舌の状態を見極めるために

大人・子供に限らず、舌の色や状態は現在の体調や病気の影響を受けて変化します。ただし、食べ物・飲み物の色素、または周囲の明るさで色の見え方は変わりやすいです。

そのため赤ちゃんの舌の状態を観察するときは明るい場所で、授乳後はなるべく避けて見るようにしましょう。

離乳食前の赤ちゃんは母乳やミルクしか口にしないので、飲み物の影響で変化する色は一般的に白のみです。

赤ちゃんの舌の色が他の色に変わっていたり、舌の状態が普段と明らかに違う場合は、「これくらいなら大丈夫かな。」と判断しないで、早めに小児科に連れて行ってください。