まーさ
赤ちゃんは鼻が詰まってると機嫌がわるくなったり、母乳の飲みが悪くなったり、寝付きが悪くなったりと大変ですよね。しかも鼻づまりは割と頻繁に起きます。
そのため赤ちゃんの鼻水・鼻づまりと向き合うのはママの責務です。しかも鼻水は色や形状で健康リスクのサインにもなるので、日々の観察が大切なんです。
- 赤ちゃんの鼻水の色や状態ってどう違うの?何がわかるの?
- なんで赤ちゃんってこんなに鼻が詰まりやすいの?
- 赤ちゃんが苦しそう……鼻づまりを解消する方法教えて。
赤ちゃんの鼻水・鼻づまりで困っているママはこの記事を読んでください。赤ちゃんの鼻が詰まりやすい理由と鼻水の種類を把握して、鼻づまり解消に役立ててください。
赤ちゃんの鼻づまりをいつものことだと思って放置すると、身体の変化や潜んでいる病気に気付けなくなりますよ。
目次
鼻水の形状・色などの種類
まーさ
無色透明でさらさらな漿液性鼻漏
無色透明でさらさらしている鼻水を「
空気の乾燥で鼻粘膜が刺激されるため
人間は乾燥した空気を吸い続けると、口やのどなどの呼吸器系の粘膜が乾燥してウイルスや細菌に感染しやすくなります。
そのため体外の空気を一度加湿して体内に取り込むために、鼻粘膜から無色透明でさらさらな粘液(鼻水)を分泌します。
赤ちゃんは鼻呼吸がメインで鼻腔が狭くて短いので、鼻粘膜が大人より敏感に反応して多くの鼻水を出します。
気温変化で鼻粘膜が刺激されるため
人間は鼻呼吸をする際、なるべく体温に近い温度にした空気を肺に送る機能が働きます。
冷たい空気を吸い込むと、空気を体温に近づけるために急激に鼻粘膜の毛細血管が拡張します。そのためたくさんの鼻水が分泌されます。
ウイルスを体外に出す免疫システムのため
ウイルスや細菌が体内に侵入すると免疫システムが働いて鼻粘膜が刺激され、大量の鼻水を分泌して鼻の中を洗い流そうとします。
そのため無色透明のさらさら鼻水が大量に出ている場合は、まだ本格的な風邪をひくかわかりませんが注意が必要な状態です。
花粉やほこりによるアレルギーが起こるため
花粉やほこり、ハウスダストなどが鼻の粘膜を刺激して炎症を起こすと無色透明のさらさら鼻水が出ます。これをアレルギー性鼻炎といいます。
ウイルスや細菌など有害な物質に反応して鼻水が出ることを免疫システムと言いますが、花粉などは有害なわけではありません。ところが鼻粘膜が過剰に反応して抗体ができるのでアレルギー反応が出ます。
白っぽくてネバネバの粘液性鼻漏
白っぽく濁り、少しネバネバした粘り気がある鼻水を「
細菌やウイルスが戦っているため
身体に細菌やウイルスが侵入すると白血球が増えて、細菌などと戦う免疫システムが働きます。その戦った残骸が膿になるので、鼻水が白っぽくネバネバした状態になります。
この鼻水がでると発熱、喉の炎症による咳、鼻の炎症によるくしゃみなど風邪や病気の初期症状が出始めている証拠です。
緑や黄色っぽくてネバネバな膿性鼻漏
鼻水が緑や黄色っぽくネバネバした強い粘り気がある鼻水を「
風邪や病気が進行したため
ウイルスや細菌の勢力が強くなると、菌の残骸が膿になり黄色っぽくネバネバした鼻水に変わります。
緑や黄色っぽいネバネバ鼻水が出ると病気が進行してるので風邪の症状が強くなるか、もしくはすでに治り始めている場合もあります。
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)のため
蓄膿症は副鼻腔が炎症を起こした状態なので治療に時間がかかりますし、鼻水が出ていたり詰まっている場合は鼻をすすらずに吸引しないと治りが遅くなります。
赤ちゃんの鼻が詰まりやすい理由
まーさ
鼻が小さいため
赤ちゃんは鼻が小さく鼻腔も狭いので大人に比べてすぐに鼻水が溜まり、鼻づまりが起こります。
自分で鼻の通りをよくできないため
大人では鼻水が出ても鼻をかんだり、鼻水をすすって鼻づまりを解消できます。ところが赤ちゃんは、鼻をかむこともすすることもできないので鼻が詰まります。
仰向け状態が多いため
赤ちゃんは仰向けで過ごすことが多いので鼻水が自然に流れきることがなく、鼻腔内に鼻水が溜まった状態です。
小児副鼻腔炎のため
赤ちゃんや子供は風邪をひくと小児副鼻腔炎(急性副鼻腔炎)になりやすく、その際に分泌される鼻水は粘り気があるので鼻づまりを起こします。
鼻中隔弯曲症のため
鼻中隔弯曲にかかる割合は児童では70%、成人は90%です。つまり鼻中隔は徐々に歪んでいくものですが、一部の赤ちゃんにも見られます。
【鼻の病気のQ&A】<鼻中隔彎曲症>:社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
鼻水・鼻づまりの影響と解消法
まーさ
鼻水・鼻づまりによる影響や病気
母乳不足・夜泣き
赤ちゃんは鼻づまりのせいで母乳の飲みが悪くなったり、ぐずったり、夜泣きや寝付きの悪さの原因になります。
肌荒れ
赤ちゃんは鼻水が出やすいので、気が付くと鼻水とよだれと涙と汗で顔がぐちゃぐちゃ……ということがよくあります。
鼻水は細胞から分泌された粘液と血管からの浸出液に細菌やウイルスが含まれるので肌に刺激があり、放置すると肌荒れの原因になります。
急性中耳炎
赤ちゃんの鼻水を放置すると、急性中耳炎になることがあります。とくに風邪などが原因の膿性鼻漏は、中耳炎の原因になる細菌やウイルスが混ざっています。
風邪など病気
赤ちゃんの普段の鼻水は空気の乾燥、気温の変化、ほこりなどに反応して出る鼻水なので、透明でさらさらした漿液性鼻漏です。
その鼻水が白っぽくなったり、粘り気がある粘液性鼻漏に変わると風邪など病気の初期症状の可能性があります。
アレルギー
赤ちゃんは長の過程でアレルギーを見極めますが、アレルギー性鼻炎のように鼻水が判断材料になることがあります。
赤ちゃんは多くのアレルギー性疾患を持っていることがあるので、鼻水が出続けている場合はアレルギーの可能性も疑いましょう。
赤ちゃんの鼻水・鼻づまり解消法
まーさ
ティッシュで鼻水を吸い取る
さらさらの漿液性鼻漏は、吸水性の高いティッシュで吸い取ります。鼻の穴にティッシュを当てて鼻水を染みこませ、少しずつ吸い取ってください。
綿棒で鼻水を吸い取る
細めのベビー綿棒も漿液性鼻漏を吸い取るには有効です。ただし鼻の奥に綿棒を入れると粘膜を傷つけるので、入口付近の鼻水を吸い取ります。
粘液性鼻漏は綿棒を鼻の少し奥に入れるので、水分(母乳)で先端を柔らかくして使います。綿棒を鼻の入り口に入れ、鼻の穴に沿って鼻水を絡めて引っ張り出します。
こよりでくしゃみをさせる
なかなか取れないネバネバ鼻水はティッシュをこよりにして鼻の中をこちょこちょして、くしゃみで一気にドバーッと出しましょう
こよりはなるべく細くねじり、鼻の内壁を軽く触れるか触れないかで刺激します。
ウエットティッシュで鼻水を拭き取る
ティッシュでゴシゴシ鼻水を拭きとると肌が傷つくので、粘液性鼻漏が鼻の入り口から見えている場合はウエットティッシュで鼻水だけつまんでエイっと拭き取ります。
ウエットティッシュは水99.9%のものを選んでください。おしりふきでもいいですよ。
ティッシュで「お鼻スルスル」
お鼻スルスルという技は、昔テレビでも紹介されてましたね。以下お鼻スルスルの紹介です。詳しくはリンク先で確認してください。
ティッシュを半分に折り、さらにもう一度半分に折る。(幅が1/4の帯状にする)
右手を写真のような形にして、人差し指に①のティッシュをかける。手前を長く、向こう側を短くする。
子供と向き合い、ティッシュをかけた人差し指を子供の両鼻の穴に軽く当てる。
右手は子供の鼻に当てて固定したまま、子ども側に垂れている短い方のティッシュの端を左手で下方向にひっぱって滑らせる。(写真の矢印方向にひっぱる)右手親指で軽―くティッシュを押さえると安定します。
ロールタオルが鼻の穴を滑って通過しながら鼻水を拭きとっていくイメージで、スルスルスル~~!!
動画もあるのでこちらも参考にしてください。
手で直接つまみ取る
鼻の穴から出たネバネバの粘液性鼻漏は、気が付いたら手でつまんで取ってしまいましょう。ティッシュや綿棒を用意していたら暴れだす子には、これが一番早くて楽です。
鼻をつまむと嫌がるので、鼻の穴から出たネバネバの鼻水だけをつまんでください。
口で直接吸い取る
ママが口を使って直接鼻の穴から鼻水を吸い取ります。昔はこれが当たり前で、わたしもマウストゥノーズで母親にネバネバの鼻水を吸ってもらっていたそうです。
鼻水を吸いやすいよう片方の鼻を塞いで、「ズッ、ズッ、ズッ」と軽めにに吸い取ります。「ズズズズゥーーッ!」と吸うと粘膜を傷つけてしまいます。
ただし鼻水はウイルスや細菌の温床で、感染することも多いので推奨されていません。
鼻水吸引器で鼻水を吸い取る
今は、鼻水吸引器が主流ですね。スポイトタイプ(さらさら鼻水用)、ストロータイプ(ネバネバ鼻水もOK)、電動タイプ(楽で感染の心配なし)があり、値段も違います。
鼻に蒸しタオルをあてる
赤ちゃんの鼻水の粘り気が強い場合は、蒸しタオルを赤ちゃんの鼻の下にあてて鼻水を柔らかくしましょう。
濡らしたタオルを絞っておしぼり状に丸め、500Wの電子レンジで1分加熱すれば蒸しタオルの完成です。適度に冷まして詰まりが強い鼻の下にあてると鼻水が柔らかくなります。
部屋を加湿する
部屋が乾燥していると鼻水も乾燥して粘り気が強くなるので、部屋の中を加湿して鼻水を柔らかくしましょう。加湿器がない場合は、室内で洗濯物を干しても十分加湿できます。
お風呂に入れる
赤ちゃんをお風呂に入れると湿気と湯気で鼻水がゆるくなるだけじゃなく、血行が良くなると鼻粘膜の毛細血管が拡張するので、鼻水がさらさらになります。
お風呂に入る前に浴室をシャワーで温めるとより効果的です。ただし、風邪など病気の最中は入浴を避けてください。
食塩水で点鼻を作る
鼻水のネバネバが強くてなかなか取れない場合は、食塩重曹水で点鼻を作って鼻水をゆるくしましょう。
鼻水の粘り気が強いという場合、食塩重曹水の点鼻も有効です。
これは、生理食塩水に少し重曹を混ぜたものです。当院では、水500mlに対し、食塩5g、重曹2.5gを混ぜて使うようにお勧めしています。重曹は必須ではありませんので、なければ食塩水だけでも結構です。ただし食塩水の濃度が濃くなり過ぎないように注意してください。
赤ちゃんの鼻の中にスポイトで食塩重曹水を2-3滴垂らすと、鼻水がゆるくなります。
母乳を点鼻にする
ネバネバ鼻水が出ているのは、鼻腔が炎症を起こしている状態です。母乳は抗炎症作用があり、鼻腔の炎症を抑えることでネバネバ鼻水も治まります。
食塩重曹水と同じように、スポイトでしぼりたての母乳を2-3滴鼻の穴の入り口に垂らしてください。ミルクは抗炎症作用がないので、母乳の代用にはなりません。
ヴイックスヴェポラッブを使う
大正製薬の「ヴイックスヴェポラッブ」を使うとスーッとして鼻の通りが良くなります。ただし対象年齢は生後6ヶ月以降の赤ちゃんです。
ヴイックスヴェポラッブは刺激があるので、子を見ながら試してください。刺激を少なくしたいなら、お湯に垂らしてアロマのように使っても良いです。
またママの手や他のものに塗ってヴイックスヴェポラッブを嗅がせても良いと思います。赤ちゃんの鼻の通りが良くなったら、ママは手をしっかり洗いましょう。
アロマオイルを使う
アロマオイルも鼻づまり解消に効果があります。こちらも生後6ヶ月以降です。鼻の通りを良くするのが目的なので、効果があったら部屋の空気を入れ替えてください。
赤ちゃんが同じ匂いを嗅ぎ続けると嗅覚発達の妨げになるので、肌に直接塗ったり、衣服に付けないでください。また刺激が少ない柑橘系やラベンダーを選びましょう。
とにかく泣かせる
赤ちゃんをとにかく泣かせることで得られる効果は3つ。
- 涙のおかげでさらさら鼻水が出て鼻づまりが解消される
- 身体が温まり血行が良くなることで鼻づまりが解消される
- 泣き疲れて眠りやすくなる
もちろん夜中に泣かせると近所迷惑になりますし、わざわざ泣かせた方が良いというわけじゃないのでご注意を(^_^;)
寝かせるときに上半身を高くする
赤ちゃんの鼻水が粘液性鼻漏じゃなく漿液性鼻漏でも、仰向けに寝ると鼻がつまって苦しくなります。
そこで頭や上半身が少し高くなるよう、タオルなどで調整しましょう。ハイローチェアやバウンサーで寝かせて、しっかり眠った後にベビーベッドに移動させても良いです。
縦抱きをする
赤ちゃんが鼻づまりで苦しくて泣いているときは、まず縦抱きをして鼻の通りを良くしましょう。さらさら鼻水が垂れてきたら、拭き取ってください。
ネバネバ鼻水の場合は、一度赤ちゃんの機嫌を良くしてから対応しましょう。また赤ちゃんの鼻が詰まって苦しそうなときは積極的に縦抱きで授乳しましょう。
鼻づまり解消のツボを押す
鼻づまりを解消するツボがいくつかあるので、それを軽く押して刺激しましょう。どのツボも強く押さないように注意してください。
迎香 …小鼻の脇にあるツボ、中指で上下に軽くに押してあげる印堂 …眉と眉の間にあるツボ、押すというよりも刺激を与えてあげる百会 …両耳を結んだ頭の頂点にあるツボ、軽く押したり蒸しタオルで温めてあげる
ゴムボールなどを脇に挟む
右の鼻が詰まったら左側を下に、左の鼻が詰まったら右側を下にして横になると、脇の下の自律神経が圧迫されて鼻粘膜の毛細血管が収縮し、鼻の通りが良くなります。
よく聞くのはペットボトルを脇の下に挟むことですが、赤ちゃんには大きすぎるので小さなゴムボール、ビニールボールを脇の下に挟んで圧迫してみてください。
鼻づまりが解消する場所を見つけるには調整する必要がありますが、見つけると効果てきめんです。
耳鼻科で吸引してもらう
どうしても赤ちゃんの鼻水が吸い取れない、鼻づまりが治らない場合は耳鼻科で鼻水を吸引してもらいましょう。
鼻づまりが解消されない理由の1つに、急性副鼻腔炎や蓄膿症が考えられます。急性副鼻腔炎や蓄膿症になると副鼻腔に膿(膿性鼻漏)が溜まった状態になります。
また発熱していたり、黄色や緑色の鼻水が出ている場合は病気が原因で鼻づまりを起こしているので、気になったらすぐに病で診てもらいましょう。
鼻水・鼻づまり放置はしない
まーさ
赤ちゃんの鼻づまりは病気が原因の場合もありますし、アレルギーが原因の場合もあります。単純に空気が乾いていたり、ほこりっぽいことが原因の場合もあります。
そのため赤ちゃんの鼻づまりを解消するには、鼻水が出ている原因、鼻づまりを起こしている原因を特定することが大切です。
まーさ
なんて放置するといつの間にほっぺがカピカピ……肌荒れで真っ赤……さらに中耳炎や蓄膿症にもなります。鼻や耳の病気は年単位で付き合う可能性もあるので厄介です。
そのため、赤ちゃんの鼻水・鼻づまりは積極的に解消しなければいけません。
たかが鼻水、されど鼻水です。赤ちゃんの鼻水・鼻づまりはこまめにケアして、3歳ごろに自分で鼻をかむことができるように今からイメージしておきましょう。
鼻をかむ行為は病気の予防に大切な行為です。以下を参考にして子供にきちんと鼻のかみ方を教えてあげてください。