まーさ
出産した女性は体力、生活習慣、臓器の機能などが変化したり低下した状態で、すぐに妊娠前の体調や身体機能、生活スタイルに戻るわけじゃありません。
そのため、産後の過ごし方がとても大切です。
このような産後の女性の体調や様子を表す際に「産後の肥立ちが良い」「産後の肥立ちが悪い」と言いますが、「
また「産褥期」「床上げ」「床払い」「産明け」「帯明け」「日が明ける」などもよく使われますが、これらの言葉は産後の肥立ちと意味が違うんでしょうか。
今回は、産後の肥立ち、産褥期、床上げ、床払い、帯明け、日が明けるの意味の違い、またそれぞれの言葉が表す期間がどれくらいなのかについてお話します。
産後の肥立ちとは
産後の肥立ちは東洋的な考え
産後の肥立ちは東洋的な考え方で、中国など東アジアでも重視されています。もちろん欧米でも出産後の女性は体調管理に気を付け、普段の生活で無理をしてはいけません。
ただ、東アジアの国は生活環境や栄養状態が悪かった事情、また欧米のように育児や家事を夫婦で協力する文化がないことが、女性が産後に体調を崩す原因になっていました。
産後の肥立ちの期間
産後の肥立ちは産後の女性が6-8週間の産褥期に十分な休養をとったことで、産後の体調の経過の良し悪しを表す言葉として使われています。
産褥期の6-8週間はとても重要で、働く女性は育児・介護休業法で8週間の「産後休業」を義務付けるなど、産後の肥立ちを良くする施策が行われています。
床上げとは
産後の床上げまでの過ごし方は以下を参考にしてください。
元は病気の療養期間が明けること
床上げは産後の女性だけに使われる言葉じゃなく、病気療養していた人の心身が回復して寝床を上げる(片付ける)ことから来ています。「
ところが床上げは産後に使われる言葉として定着し、床離れは寝起きが良いことを指して「床離れが良い」と使われるなど、それぞれの言葉の意味は少しずつ変化しています。
また「
床上げの期間
床上げの期間は3週間、1ヶ月など言われますが、明確に決まってるわけじゃありません。最近は1ヶ月の記載が増えてるように感じます。
元々床上げの期間は7日間しかなく、床上げのお祝いに「
ただし産後は清浄のために他者が近づけない「
忌みとは出産や死事、大怪我などの穢れ(汚れ)に触れた人が一定期間神事や祭りから遠ざかって他人と接触しないこと
そのため7日間の床上げ後も、実際は養生の期間(他人と会わない期間)が1ヶ月まで設けられていたことになります。
産後の肥立ち・産褥期・床上げ・床払の違い
言葉の意味は時代で変化します。今の解釈では産後の肥立ち、産褥期、床上げ、床払い、床離れ、帯明け、日が明けるは以下の意味です。
- 産後の肥立ち|産褥期における身体の回復具合を表す言葉
- 産褥期|産後に身体機能がある程度回復する6-8週の期間を表す言葉
- 床上げ|産後3週間-1ヶ月で度体力が回復し、動けるようになる区切りの言葉
- 床払い|床上げと同じ意味で床離れとも言う、病気療養明けの意味合いが強い
- 産明け|産後21日(30日)が明けることで、床上げとほぼ同じ意味
- 帯明け|産明けが変化した言葉で、床上げとほぼ同じ意味
- 日が明ける|床上げと同じ意味で使われる
産褥期の身体機能の回復とは、妊娠前の状態に戻ることです。一方、産後の床上げの体力の回復とは、体を動かしていろんな動作ができることです。
つまり、産褥期と床上げ期(床上げは行為なので床上げ期とします)を使い分けるなら、
- 床上げ期は、必要最低限の行動をするために身体を休めて養生する期間
- 産褥期は、さまざまな身体機能が回復し妊娠前の身体の状態に戻る期間
ですね。よくわからない人は、まずは床上げ1ヶ月を静養と生活習慣を取り戻す期間として計画的に過ごすことをおすすめします。
産後の肥立ちを良くするには
まーさ
妊婦にとって産後の肥立ちはとても大切です。産後の肥立ちを良くするには、床上げまでの1ヶ月間の過ごし方が大切です。
床上げ期間を過ぎ1ヶ月健診で医師に入浴や赤ちゃんとお散歩の許可をもらったら、育児や家事の本格的な活動を始めます。
産後の生活に慣れるころには産褥期を過ぎ、身体機能はある程度妊娠前に戻ります。ただし時期には個人差があるので、すぐトップギアに上げて良いわけじゃありません。
産後でもアクティブに過ごしたい人も産褥期明けまでは赤ちゃんと同じペースで、それ以降も徐々に以前の生活習慣を取り戻せるよう日々を楽しんで過ごしましょう。