寝ている赤ちゃんの様子を見ていたパパが興奮しています。
パパ
赤ちゃんが見せる笑顔は、天使のほほえみなんて言いますね。でもよく考えてください。人が笑うのは面白いという感情や、安心・嬉しさの感情を誰かに伝えるためです。
子供はイタズラをごまかすために笑ったり、大人になれば愛想笑いすることもあります。
じゃあ赤ちゃんがニヤっと笑うのは面白いと思ったり、愛想を振りまくからでしょうか。「やべっ!おしっこ出ちゃった。」とごまかし笑いしてるんでしょうか。
赤ちゃんの笑顔には、発達の段階があります。新生児が見せる笑顔を「
- 生理的微笑・外発的微笑・社会的微笑ってどういう笑顔のことなの?
- 生理的微笑・外発的微笑・社会的微笑っていつからいつまでの笑顔?
- うちの子笑わないんだけど……何か病気なのかな……。
こんな疑問や不安を抱えてる人は、この記事を読んで赤ちゃんの笑顔と発達について理解しましょう。
赤ちゃんの笑顔の秘密を知ると、今よりもっと赤ちゃんに触れ合いたくなりますよ。
目次
生理的微笑・外発的微笑・社会的微笑の違い
まーさ
生理的微笑(新生児微笑・自発的微笑)とは
生理的微笑とは、新生児期の赤ちゃんが口角を上げて笑った(ように見える)表情を作ることです。生理的微笑は、
新生児期の赤ちゃんの笑顔は面白がったり、愛想を振りまいてるわけじゃありません。新生児期に赤ちゃんが笑う生理的微笑は反射行動の一種です。
生理的微笑が起きる理由
生理的微笑はわたしたちが認識する笑顔ではありません。主に以下の理由で赤ちゃんが笑ってるように見えるんです。
- 神経反射によって顔の筋肉が緊張している
- 表情を作る筋肉を動かす発達の過程である
赤ちゃんの生理的微笑はベビースキーマと同じように大人に赤ちゃんを可愛いと思わせ、保護対象だと認識させる役割があります。詳細は以下を参考にしてください。
外発的微笑とは
外発的微笑が起きる理由
生理的微笑が反射で笑顔を作ることに対して、外発的微笑は外部刺激を受けたことで笑顔を作ります。
以下は、生後10日後から生後4ヶ月までの授乳後の赤ちゃんに「笑顔を見せる(笑顔条件)」「抱っこする(触覚条件)」「声を掛ける(声かけ条件)」「3つすべてを行う(全条件)」という行為をしたときに、微笑がどう変化するかを観察した結果です。
赤ちゃんは笑顔を見せる・声を掛けるという行為に反応して、笑顔を作る回数が増えています。中でも「笑顔条件」に対する反応が多いことがわかりますね。
これは赤ちゃんが行為者の笑顔を真似ていると考えられます。赤ちゃんは人の笑顔に刺激を受けて、意識的に笑顔を見せるよう変化しているんです。
社会的微笑とは
赤ちゃんは親が取る行動に心地よい刺激を受けてそれに応えたり、親に心地よい刺激を要求するために笑顔を見せるようになります。
社会的微笑が起きる理由
赤ちゃんはパパやママが自分を抱っこしたり、声を掛けることと自分が笑顔を作ることに関係があることを学習します。
つまり、笑顔を作ることで抱っこや声かけが増えることを理解できるようになります。また、赤ちゃんは抱っこや声かけで安心感を得るために笑顔を作る回数が増えます。
生理的微笑・外発的微笑・社会的微笑の時期
まーさ
生理的微笑はいつからいつまで
赤ちゃんの生理的微笑は生後すぐから確認できます。とくに赤ちゃんが睡眠中、授乳後やスキンシップ最中に口角が上がって、笑っているように見えます。
生理的微笑は妊娠30週の早産の赤ちゃんでも、生後すぐに見られるそうです。つまり生理的微笑は、出産後じゃなく胎児のころから備わっているものなんです。
ヒトの胎児は在胎20週前後から笑顔のような表情を見せはじめ,出生後しばらくは睡眠中に光や音などの刺激なしに起きる「自発的微笑」が多く見られる。
岩波書店「科学」2015年6月号 Vol.85 No.6 連載ちびっこチンパンジー第162回『チンパンジーに学ぶヒトの笑顔の意味』
生理的微笑は神経反射で起こるので、原始反射と同じように徐々に消失します。
以前は生後2-3ヶ月に赤ちゃんの生理的微笑は消失し、社会的微笑に移行するとされてましたが、現在は1歳過ぎまで生理的微笑が残ると確認されています。
生後2~3カ月からは,覚醒中に他者に対して見せる「社会的微笑」が増えてくる。これまで,自発的微笑は社会的微笑に取って替わられ2~3カ月で消えるものとされてきたが,減少はするものの1歳を過ぎても消えないこともわかってきた。
岩波書店「科学」2015年6月号 Vol.85 No.6 連載ちびっこチンパンジー第162回『チンパンジーに学ぶヒトの笑顔の意味』
外発的微笑はいつからいつまで
外発的微笑は生後3日目でも見られることが確認されてますが、安定的に微笑反応が見られるのは生後1ヶ月半ごろからです。
ただ外発的微笑と社会的微笑の違いは明確ではないので、外発的微笑がいつまで続くのかはわかりません。
社会的微笑はいつからいつまで
社会的微笑が始まる時期は明確ではありません。ただ目安としては、認知機能が高まる生後6ヶ月前後からと言われています。
赤ちゃんは認知機能が発達して笑う行為と快刺激が結びつくようになると、感情で笑うようになります。社会的微笑がいつまで続くのかはわかりません。
赤ちゃんが笑わない原因
まーさ
親としては生理的微笑だろうが、社会的微笑だろうが、赤ちゃんがニコニコ笑ってくれるだけで嬉しいんですが、あまり笑顔を見せない赤ちゃんもいます。
まだ発達過程にあるため
一般的に社会的微笑は生後1-6ヶ月ごろまで見られ(外発的微笑を含む)ますが、その時期に笑わない赤ちゃんはまだ機能が未発達なことが考えられます。
社会的微笑は笑顔を向けられたり、語りかけや抱っこなどの刺激に対して、赤ちゃんが笑顔を作る行為です。そのため赤ちゃんの学習が遅いと、社会的微笑も遅れます。
刺激を感じにくい性格のため
赤ちゃんが抱く感情は、学習しながら身につけるものです。そのため刺激を感じにくいと、赤ちゃんは笑顔と「
もちろん社会的微笑が遅れても、赤ちゃんが無愛想な性格になるわけじゃないですよ。
笑顔や語りかけが少ないため
赤ちゃんが社会的微笑をするには、脳に快刺激が必要です。脳が快刺激を認識するには、赤ちゃんが何度も刺激を受ける必要があります。
そのため赤ちゃんに笑顔を見せたり語りかける回数が少ないと、赤ちゃんの脳が快刺激を認識できません。
自閉症や脳性麻痺
自閉症の赤ちゃんは表現が乏しいので、一定時期を過ぎても社会的微笑が見られません。ただこの時期の自閉症は判断が難しく、表現が乏しい=自閉症とは判断できません。
脳性麻痺とは、胎児から生後4週までの周産期に脳形成異常や脳出血などが原因で脳に損傷を受けて、脳の運動機能が損なわれる病気を言います。
脳性麻痺の赤ちゃんは顔の筋肉が動かないので、表情を作って笑えないことがあります。
赤ちゃんが笑わないときの対処法
まーさ
赤ちゃんの笑顔が少なくても、原因の多くは個人差です。それ以外が原因だとしても特定できないので、まずは積極的に赤ちゃんに関わって刺激を与えることが大切です。
声掛けと笑顔を増やす
赤ちゃんの反応が薄くても、まだ反応できないだけで赤ちゃんは理解しているかもしれません。そのため笑顔で声掛け・語りかけをして、ママの存在をアピールしましょう。
泣いたらすぐ抱っこする
赤ちゃんの不快の感情に向き合って、泣いたらどんどん抱っこしてあやしましょう。赤ちゃんが泣き止むかどうかは関係なく、不快な感情に付き合うことが大切なんです。
いろんな刺激を与える
赤ちゃんが何に快刺激を受けるかわからないので笑顔で話しかけ、抱っこ、外の景色を見せる、くすぐる、声を変える、変な顔をするなどいろんな刺激を与えましょう。
赤ちゃんは新奇刺激(新しい刺激)をもらうことで、感情表現の意識に芽生えるかもしれません。いろんな音楽を聞かせて刺激を与えてもいいと思います。
生理的微笑と社会的微笑の見分け方
まーさ
生理的微笑から社会的微笑に移行する時期に、違いを見極めるのは難しいと思います。
生理的微笑と社会的微笑の違いは、赤ちゃんが意識をして行為に反応することです。
そのため笑顔を見せたときや声掛けしたときにママやパパを見て笑顔を作れば、「社会的微笑かな?」程度に考えれば良いと思います。
社会的微笑には個人差があります。生後5ヶ月でよく笑う赤ちゃんもいれば、1歳前でもあんまり笑顔を見せない赤ちゃんもいます。
この時期の笑顔の作り方で、将来的に愛想が良い・悪いなど性格が決まるわけじゃないので、あまり笑わない赤ちゃんでも心配する必要はありません。
ただし赤ちゃんの笑顔が極端に乏しい場合は、表情筋などの発達障害の可能性もあるので医師に相談してください。
まずはパパやママが積極的に赤ちゃんに笑いかけたり、語りかけることが大切です。赤ちゃんとたくさんスキンシップして、良い刺激をたくさん与えてあげましょう。
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