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子ども・こども・子供の書き方と意味の違いは?供は差別用語?

ikujilog

あなたは小さな子を表現するときに、「子ども」「こども」「子供」どの書き方をしますか。わたしは少し前まで「子ども」と書いてましたが、今は「子供」に変えました。

「書き方なんて気にしたことない。」という人もいると思いますが、「子ども」表記はわたしが働く保育・教育現場でよく使われます。

そのため保護者でも「”子ども”が正しい書き方でしょ?」と思う人が多いです。

文部科学省の見解では「子供」が正しい書き方なんですが、行政でも「子ども手当て」「子ども・子育て支援新制度」や「こどもの日」のように使われます。

まーさ

なんで「子供」で統一されないのかな?

というわけで今回は「子ども」「こども」「子供」の違いをお話しますね。

子ども・こども・子供の違い

まーさ

子ども・こども・子供の書き方で、意味が違ったりするの?

子ども・こども・子供で、言葉の意味が変わることはないです。どの表記も、一般的には未成年という解釈で問題ないと思います。

民法改正により成人年齢が20歳から18歳に引き下げられ、女性が結婚できる年齢を16歳から引き上げて男女とも18歳とする(2022年4月1日施行予定)

気になるのは、「こども」は「子供」の平仮名表記なのに、なぜ「子ども」は「供」だけ平仮名にして使っててるのかというもの。

供の意味

「供」には、「御供(おとも)」など主人に仕え従う人、「供物(くもつ)」「供養(くよう)」などの神へのお供え物の意味があります。

つまり、「供」の意味だけを考えると、大人にとって子供が従属する存在だったり、神へのお供え物=生贄などの差別的な印象を与えるという主張が一部にあるんです。

子供は差別用語?

まーさ

供が差別用語ってなんか聞いたことあるかも……。

どの辞書を見ても「子供」は正式な日本語で、「子ども」が主体の辞書はありません。では、実際に「子供」には差別の意味があるんでしょうか。

供は複数形の接尾語が変化したもの

「子」に「ども」をつけたのは、「私共」「手前共」などの複数形の接尾語でした。それが「わたしには、1人だけこどもがいます。」のように、複数を意味しない「子」そのものを表すようになりました。

複数を表す「共」は意味がおかしいので、「供」を当てたと言われています。

文部科学省の公用文書では子供が正式

文化庁の「言葉に関する問答集」には、昭和25年時点の文部省見解で「子ども」「子供」でも構わないが「こども」という仮名書きが望ましいと記載されています。

「こども」という語は、本来、「こ(子)」に、複数を表す接尾語「ども」がついたものである。「宇利波米婆 胡藤母意保由‥(瓜食めば、子ども思ほゆ‥)」(万葉集巻5・802)と山上憶良の歌にもあるほど、古い語であるが、のち、「しにをくれじとたどれ共、子どものあしにあめのあし、おとなのあしにをひぬひて」(浄瑠璃、賀古信教)のように単数複数に関係なく用いられるようになった。
 その表記としては、「子等、児等、子供、児供、小供、子供、こども」などいろいろな形が見られたが、明治以後の国語辞典類では、ほとんど「子供」の形を採り、「小供」は誤りと注記しているものもある。その後、「子ども」の表記も生まれたが、これは、「供」に当て字の色彩が濃いからであろう。
 昭和25年の「文部省刊行物の基準」では、「こども」と仮名書きを示し、「子供・子ども」を( )に入れて、漢字を使っても差し支えないが、仮名書きが望ましいものとしている。

文化庁|言葉に関する問答集 9 (ことばシリーズ 19) 単行本 – 1983/3

現在は「子ども」の交ぜ書き表記を問題として、文部科学省の公用文書では「子供」を正式表示とし、「子供」は差別的な表現ではない旨を発表しています(平成23年1月4日行行庶第615号)。

文部科学省の発表を受けて、教育委員会でも「子供」表記統一の動きがあります。ただし、文部科学省は省内の公用文書に限って「子供」表記を統一していて、「子供」を使う呼び掛けはしてません。

「子ども」は「子供」で統一します 文科省「差別表現でない」と公文書で使用 : J-CASTニュース

なぜまだ「子ども」表記が多いのか

まーさ

うーん、だったらなんでまだ「子ども」が多いの?

文部科学省や教育委員会が「子供」表記に統一したことで、「子供」には差別的な意味はなく、一般的に使っても問題ない言葉としてもっと広まっても良いはずです。

ところが、現在でも保育園や幼稚園のサイトでは「子ども」と書かれてますし、わたしたち保育士が書く園だよりも「子ども」表記が当たり前です。

保育や教育現場での使われ方

園だよりの申し送りで注意された保育士もいれば、忖度して「子ども」と書く保育士もいます。日本保育協会では、今のところ「子ども」で統一されてます(2018年1月現在)。

東京都教育委員会で検索すると「子供」は1050件、「子ども」は1770件、「こども」は380件の検索結果なので、まだ統一されてないことがわかります(2018年1月現在)。

このような現状だと、「子供」表記がなかなか浸透しないことも理解できますね。

メディアも表記揺れしている

毎日新聞の「新編集講座ウェブ版」には、「子ども」「こども」「子供」の表記ゆれのコラムがあります。新聞など大手メディアでも、言葉が統一されていません。

「こども」と「子ども」と「子供」|新編集講座ウェブ版第52号2016/5/15

子ども・こどもは子供に統一される?

「子ども」「こども」「子供」の表記が多い保育・教育現場や新聞、雑誌などメディアの表記ゆれがある限り、統一されることはないと思います。

1度認識された言葉が変わるのは難しいですね。差別用語じゃないと公式発表されても「子供は差別用語」と勘違いする人は多いですし、使い方に文句を言う人もいます。

国立国語研究所は使い分けを推奨している

日本語学や日本語教育を研究する国立国語研究所では、「ども」には複数の意味も、従属的な意味もないとしつつ、TPOに合わせた言葉の使い分けを推奨してるようです。

表記は,書き手の思想や考え方を主張する表現とされる場合もありますが,日常の言語生活では,いちいち,そんなに大上段に構えて文字種を選んで書いてはいられないでしょう。周囲が文字情報として適確に内容を理解でき,しかも穏やかに受け入れられる,といった方法を,時と場に合わせて考えてみてください。

よくある「ことば」の質問 – 「こども」の表記|国立国語研究所

わたし個人は「子ども」から「子供」に変えますが、園だよりで指摘されたら、「子ども」に戻すしかないのかなと思ってます(^_^;)