まーさ
2019年3月11日、日本で初めてグリコの乳児用液体ミルク「アイクレオ 赤ちゃんミルク」が販売されました。
ようやく液体ミルク使えるようになったので、話題になりましたよね。ただ、ニュースを見て買おうとしたけど、「あらお高い……(^_^;)」と思った人も多いはずです。
それでも液体ミルクを使いたい人、必要な人はたくさんいます。
- 液体ミルクってどうやって使えばいいの?
- そもそも液体ミルクって必要?
- 液体ミルクと粉ミルクの値段ってどれくらい違う?
「別に液体ミルクとか使う必要ないかな。」と思っていた人も、この記事を読めば考え方が変わるかもしれません。それだけ液体ミルクは授乳の革命なんです。
目次
乳児用液体ミルクとは
まーさ
乳児用液体ミルクとは、人工乳を液体にして密封した常温で長期保存可能な人口ミルクです。国で許可したものには消費者庁許可区分の特別用途食品マークが表示されています。
これまでは粉ミルクやキューブミルクからミルクを作ってましたが、液体ミルクがあればわざわざ作る必要がないんです。
液体ミルクの使い方は?
液体ミルクの使い方はとても簡単です。容器(パックや缶)をよく振って、哺乳瓶に移してから授乳を開始するだけです。
液体ミルクと粉ミルクとの違い
液体ミルクと粉ミルクは、味や成分に大きな違いはありません(メーカー毎に味や成分が異なる場合がある)。
液体ミルクの成分
液体ミルクのカロリーは、100mL当たり60-70kcalほどです。
成分 | 100kcal当たりの組成 |
---|---|
たんぱく質 | 1.8-3.0g |
脂質 | 4.4-6.0g |
炭水化物 | 9.0-14.0g |
ナイアシン※1 | 300-1500μg |
パントテン酸 | 400-2000mg |
ビタミンA※2 | 60-180μg |
ビタミンB1 | 60-300μg |
ビタミンB2 | 80-500μg |
ビタミンB6 | 35-175μg |
ビタミンB12 | 0.1-1.5μg |
ビタミンC | 10-70mg |
ビタミンD | 1.0-2.5μg |
ビタミンE | 0.5-5.0mg |
葉酸 | 10-50μg |
ビオチン | 1.5-10μg |
イノシトール | 4-40mg |
亜鉛 | 0.5-1.5mg |
塩素 | 50-160mg |
カリウム | 60-180mg |
カルシウム | 50-140mg |
鉄 | 0.45mg以上 |
銅 | 35-120μg |
セレン | 1-5.5μg |
ナトリウム | 20-60mg |
マグネシウム | 5-15mg |
リン | 25-100mg |
α-リノレン酸 | 0.05g以上 |
リノール酸 | 0.3-1.4g |
Ca/P | 1-2 |
リノール酸/α-リノレン酸 | 5-15 |
※1.ニコチン酸及びニコチンアミドの合計量
※2.レチノール量
液体ミルクのメリット
まーさ
乳児用液体ミルクの普及に向けた取組 | 内閣府男女共同参画局
育児の時間が短縮できる
粉ミルクは沸騰させたお湯を70℃まで冷まして調乳し、人肌まで温度を下げてから授乳する手間が必要でした。液体ミルクを使えば、15-20分の時間が1分になります。
粉ミルクからの感染を防げる
粉ミルクには、「サカザキ菌」や「サルモネラ菌」が潜んでいる可能性があり、乳児に感染すると重篤な症状を起こします。調乳過程で細菌が混入する可能性もあります。
- サカザキ菌
1歳未満の乳児が感染すると、数日間の潜伏期間を経て発熱、食欲不振、発作等を起こし、髄膜炎を合併する恐れがある。乳児の致死率は10-80%。 - サルモネラ菌
乳幼児が感染すると、6-72時間の潜伏期間を経て、吐き気、腹痛、38℃前後の発熱、下痢などを起こし、重症の場合は致死率が0.2-0.5%ほどになる。
液体ミルクは感染を気にせず使えるので精神的に楽です(哺乳瓶自体の感染は除く)。
お湯を沸かせなくても授乳できる
粉ミルクの授乳はきれいな水と沸騰させる環境が必要です。液体ミルクは哺乳瓶があれば、(緊急事態なら哺乳瓶がなくても直接)赤ちゃんに授乳できます。
外出時の持ち物が減る
これまで赤ちゃんとの外出は、哺乳瓶、粉ミルク(キューブ)、魔法瓶(お湯)、温度調節用の水を持っていく必要がありました。
液体ミルクがあれば、持ち物は哺乳瓶と液体ミルクのみです。しかも液体ミルクの容器を捨てれば、帰りは哺乳瓶だけになります。
賞味期限が長い
粉ミルクの賞味期限は未開封時で約1年、開封時で1ヶ月です。
液体ミルクの賞味期限は、紙パックが常温未開封6ヶ月、スチール缶が1年です。開封後はすぐ飲まないといけませんが、使い切りなので開封しなければ6ヶ月-1年保ちます
これだけ賞味期限が長いと、非常用の防災リュックに入れておけますね。
液体ミルクのデメリット
まーさ
粉ミルクに比べて価格が高い
液体ミルク「アイクレオ 赤ちゃんミルク」は125mlが12本入り(合計1500ml)で2600円ほど。粉ミルク「レーベンスミルク ハイハイ」は810gで1900円ほどです。
ハイハイは、30mlの粉末で200mlミルクができる(生後3ヶ月以降目安)ので、1500ml作ったときの価格は500円ほど(492.576円)です。
- 液体ミルク|1500ml:2600円
- 粉ミルク|1500ml:500円
価格差は5倍以上もありますね……。液体ミルクはとても便利ですが、安くなるにはもう少し時間がかかりそうです。
選べる商品が少ない
今後増えるとは思いますが、現時点の液体ミルクはグリコの「アイクレオ赤ちゃんミルク」、明治の「明治ほほえみラクラクミルク」くらいしかありません。
そのため赤ちゃんが液体ミルクを拒否すると、便利でも使うことはできません。
液体ミルクは危険だって聞いたんだけど…
まーさ
一部に液体ミルクが危険だという声があり、それを見聞きした人が心配しているようです。液体ミルクが危険になる可能性は2つあります。
- 飲み残しの液体ミルクをあげる場合
- 缶の液体ミルクを直接授乳する場合
飲み残しのミルクは、粉ミルクでも危険です。赤ちゃんが一口しか飲まなかったとしても、哺乳瓶に口をつけたら残りは捨てて、次の授乳は新しいミルクを用意します。
缶の液体ミルクを直接授乳するのもやめた方がいいです。赤ちゃんが口を付けるものは、洗って消毒が基本です。大人が口を付けたものを赤ちゃんに~もダメですよ。
液体ミルクも粉ミルクも、正しい使い方をしないと赤ちゃんにリスクがあります。
液体ミルクを使う際の注意点
液体ミルクは安いものではありません。ただ、忙しいママの時間を買うことができる優れた育児グッズには違いないです。お出かけに使えるのもいいですね。
また、もしものときに赤ちゃんがすぐ飲めるミルクがあるのは助かります。今日本は自然災害が多いので、それを心配に思っているママは多いはずです。
最後にデメリットというほどではないですが、液体ミルク使用上の注意点を押さえましょう。先程の「液体ミルクは危険」という内容ともかぶります。
- 開封後はすぐに使い切り、飲み残しを次回の授乳に使わない
- 直射日光や火の近く、夏場の車中に長時間保管しない
- 必ず表示されている賞味期限を確認する
- 水で薄めずに、赤ちゃんにそのまま与える
- 基本的には哺乳瓶などの容器に移し替えてから飲ませる
- 初めて与える場合は、少量ずつ飲ませて様子を見る
どれも当たり前ですが、赤ちゃんが飲むものなので注意して使ってください。
もし液体ミルクが主流になると、粉ミルクで注意していた感染リスクの意識が低下する恐れもあります。育児が楽にっても、赤ちゃんには安全に配慮した接し方をしたいですね。