先日とあるコンビニで買い物をしていた時のことでした。
「おめぇそんなもんも決められねぇのかよ!※&%$#※&(聞き取れず)」
という女性の声。見ると、子供が買いたいおにぎりを迷ってることが原因で、ママが子供に怒鳴ってるところでした。もっと正確に文字に起こすと、
「おっめぇえっ、そんなもんもきっめれねぇのっかよっおぉ!※&%$#※&」
ママは20台後半、子供は5歳くらいの男との子と4歳くらいの女の子。このママは怒ると言葉が跳ねるんですね……。
そんなママの口調にビビることなくおにぎりを選んでレジに差し出す子供たち……。
一見子どもたちは平気そうに見えますが、いろんな影響を受けています。
親が怒鳴ると子供の心に4つの影響がある
まーさ
暴力は論外ですが、ママが突然怒鳴ると子供の心に大きな傷を作ります。そりゃそうですよね、だって子供はママが大好きなんですから。
傍から見たらどんなに理不尽でも、子供にとってママの存在は絶対です。
- ママが怒ってるから、僕が悪いのかな……。
- この前は怒られなかったのに、なんで今は怒られたんだろう。
- この前の怒り方と、今の怒り方が違うのはなんでだろう。
理不尽に怒ると子供の心は恐怖で萎縮し、何をして良いかわからなくなります。それが続くと子供に以下の影響を与えます。
- 人の顔色を見て話したり行動するようになる
- 怒られないように行動するため、消極的になる
- 誰にも本音が話せなくなってしまう
- 人とかかわるのが嫌で精神的に患ってしまう
- 何が良いことで何が悪いことかわからなくなる
- 怒鳴られることや暴力的なことが当たり前になる
親が怒鳴るなどの理不尽な経験が、明らかに他の子とは違う精神状態の子供を作ってしまいます。これは怒鳴るだけじゃなく怒ることでも同じです。
叱ると怒るの違いとは
まーさ
子供がイタズラして人に迷惑をかけるなど何か悪いことをした場合、同じことを繰り返さないように親は適切に子供を叱る必要があります。
子供を叱る前に知っておくことは「叱る」と「怒る」の違いです。
怒るとは
「怒る」とは、「ママが怒る」「パパが怒る」と使うので、ママが感情を出して自ら腹を立てることです。そのため、「怒る」は感情がスイッチと考えて良いです。
また「怒る」は自動詞なので、相手がいなくても成り立ちます。そのため「子供を怒る」という使い方は間違いです。
叱るとは
「叱る」とは、「ママが子供を叱る」と使い、他人の良くない行動を指摘してとがめることです。「叱る」は他人に対する行為なので、誰かが基準に反したことがスイッチです。
相手がいないのに「叱る」は使いません。「ママが叱る」は叱る相手が省略されてるだけで、「ママが(子供を)叱る。」と使います。
「叱る」は、相手を良くするため・助けるために注意やアドバイスを強く言うことです。
正しく子供を叱ることで「食べ物を粗末にしない」「道路で車が来ないか注意する」「友達を理由もなく叩かない」など、自分の命を守ることや社会に適応することを学びます。
「叱る」と「怒る」の違い [子供のしつけ] All About
子供を叱るのは何歳から?
まーさ
「叱る」は相手を正し導く行為なので、叱られた相手が理由を理解できなければいけません。つまり子供が叱られた理由を理解して納得できないと意味がありません。
そのため子供を叱る年齢は一般的に3歳前後からと言われます。それ以下の年齢では「叱る」よりも「指導する」「説明する」「教える」が適切です。
2歳以下の子は「なぜ○○をしてはいけないのか」の理由を考えられないので、「○○をしてはいけないよ。」と端的に正しいことを教えた方が良いでしょう。
たとえば1歳の子がママの手を噛んだら、「手を噛んじゃダメだよ。」と教えます。公共の場で騒いだときは、「みんなびっくりするから静かにしてね。」と指導します。
「指導する」「説明する」「教える」から、「叱る」に移行する明確な線引きがあるわけじゃないですが、少しずつ理由を付けて「叱る」に移行することが理想です。
子供はどう叱ればいいの?
冒頭の件でとくに驚いたのは、怒鳴られている子供がママの口調に平然としていたことです。普通はこんな口調でいきなり怒鳴られたら、ビクッとして泣きます。
まーさ
子供の叱り方の一例
わたしも保育士として言うことを聞かない子供を叱ることはあります。「ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!」とはなりませんが、大き目の声でしっかり叱ると子供はたいてい泣きます。
その後なぜわたしが叱ったのか理由を話し、何をしなければいけなかったのか諭し、次からどうしなければいけないか考えさせます。
ママが叱るときも同じです。口調を変えて「お友達を叩いちゃダメ。◯ちゃんも叩かれたら嫌でしょ。」と理由を付けて、子供に理解を促します。
最初は理解出来ませんが、何度も繰り返すと少しずつわかるようになっていきます。
子供の叱り方の流れ
ママが子供を叱る際には一貫した流れが必要です。
- STEP.1口調を変えてビシッと叱るいけないことをしたらメリハリを付けて叱ります。いきなり説明しても子供は頭の切り替えができないので言葉が聞き入れられません。そのため口調を変えて、いつもと違うと感じさせます。
- STEP.2叱った理由を説明する叱った理由を説明します。説明なのでトーンダウンしますが、口調は厳しいままで丁寧に話します。
- STEP.3子供の意見を聞く叱った理由を説明したら、どうすれば良かったかを子供に考えさせます。怖がって何も言えなくなると困るので優しい口調に戻し、時間がかかっても自分の口で言えるまで側にいます。
- STEP.4思いっきり褒めるどうすれば良かったかを自分の口で言えたら、しっかり褒めます。優しい言葉で「よく言えたね。次からはしないでね。」など言いながら、ギュッと抱きしめます。
子供を叱る要素はどれも重要ですが、とくにメリハリをつけるために「口調を変えてビシッと叱る」というスイッチを入れることは大切ですね。
また表情も少し変えるのがポイントです。子供はいつも優しいニコニコママが、ちょっと睨んだだけで「怖い」と思うものです。
親は叱ると怒るの違いを理解しよう
ママもパパも大人なので、子供に対してはなるべく感情的にならないことが大切です。
もう一度言うと感情がスイッチになって自ら腹を立てることは「怒る」、基準などルールに反したことがスイッチになって子供に理解させようとすることは「叱る」です。
頭でわかっていても使い分けはけっこう難しいものです。単純に感情で怒るのは楽ですが叱るには理由が必要で、叱った後には相手を納得させないといけないからです。
普段は可愛い子供でもイライラすることはあまりに多く、しばしばブチッと切れて感情が表に出そうになります。でもそんなときもあります。人間だもの。
わたしがコンビニで見かけた子供たちの平然とした態度が気になったのは、怒鳴られることが当たり前になってると感じたからです。
せめて口調を変えてメリハリを付けないと、子供は何が悪いことなのか理解できなくなります。子供の将来を思い正しく導くなら、感情を押さえて「叱る」を実践しましょう。