まーさ
引っ越しなどで、小児科を変えるのはよくある話です。でも無理すればこれまでの小児科に通えないことはない……こんなとき小児科は変えない方がいいんでしょうか。
- かかりつけの小児科って変えてもいい?どうやって変えるの?
- 新しい小児科ってどうやって探せばいいのかな?
- そもそもかかりつけ医って何?どういう制度なの?
かかりつけ医についてよく知らない人は多いです。ただ子供が生まれると病院は頻繁に使うので、かかりつけ医のことやかかりつけ医の変更の流れは知っておいた方が良いです。
かかりつけの小児科についていろいろ知りたい人はこの記事を最後まで読んでください。
目次
かかりつけ医は変更しても良い?
まーさ
かかりつけ医を変えたい理由は人それぞれなので、患者がかかりつけ医を変えることは何の問題もありません。ただ気をつけた方が良い点がいくつかあります。
かかりつけ医変更の注意点
変え過ぎは良くない
その小児科の医師が気に入らないと言って病院を何度も変えてしまい、かかりつけ医制度の利点が活きないと本末転倒です。
今のかかりつけ医から他の小児科に変えるときは、十分に情報を仕入れてから変えてください。大切なことは子供の健康だということを忘れないようにしましょう。
かけひきは意味が無い
かかりつけ医には利用者との契約的な取り決めはありません。利用者がその小児科を「かかりつけ医」と認識し、医師はかかりつけ医制度に沿って子供の症状を診るだけです。
そのため気に入らないことがあって対応を良くしてもらおうと「他の病院に行くわよ!」と言っても、「わかりました(勝手にしろ……)。」と言われるだけです。
紹介状(診療情報提供書)は書いてもらう
かかりつけ医との関係が悪化したとしても、何となく言い出しづらかったとしても、次から他の病院に通うことは伝えた方が良いでしょう。
なぜなら新しい病院での診療をスムーズにするために、子供の紹介状(診療情報提供書)を書いてもらった方が良いからです。
かかりつけ医の変更方法と手順
まーさ
- STEP.1新しいかかりつけ医を探す新しいかかりつけ医を探す場合も、既存のかかりつけ医を探したときと同じです。かかりつけ医の探し方、選び方はこの後説明します。
- STEP.2新しいかかりつけ医に伝える新しい病院に連絡して、既存の病院から変更したい旨を伝えましょう。子供の病気によっては、新しい病院が専門外の可能性もあるので、事前に確認します。
- STEP.3既存のかかりつけ医に伝える理由を言う必要はありませんが、大人なので理由があるなら丁寧に伝えた方が良いですね。かかりつけ医が気に入らなくて変更する場合でも、引き継ぎのために丁寧に伝えましょう。
- STEP.4新しいかかりつけ医に予約を入れて通院開始これまでと同じように新しいかかりつけ医に予約を入れ、紹介状を持参して通院を開始します。
紹介状(診療情報提供書)とは
まーさ
紹介状とは患者の病気の症状・治療法や与薬情報、病歴や体質などの診療情報を紹介先の病院に向けて書く書類のことで、正式には「診療情報提供書」と言います。
紹介状に書く内容は以下のものです。
1.患者さんの基本情報:氏名、生年月日、性別、住所など
2.紹介の目的:詳しい検査や入院、手術、退院後の経過観察など
3.現在の主症状や病名:腹痛や急性虫垂炎など
4.患者さんの病状や治療経過:症状の発生や検査・治療の経過など
5.現在の投薬内容:どのようなお薬を処方しているかなど
6.その他、備考:アレルギー歴や患者さんの背景など
紹介状がないと新しい病院で正しい診療できない可能性があるだけじゃなく、初診扱いで医療費が高くなったり、診療時間がかかるなどデメリットがあります。
紹介状の発行手数料(診療情報提供料)は数百円~千数百円ほど自己負担でかかるので、依頼することを躊躇する必要はないです。
まーさ
のように頼みます。ただ一部なかなか紹介状を書いてくれない医師もいるそうです。たしかに、医師が紹介状を書くのは義務ではないのですが……。
かかりつけの小児科の探し方
まーさ
上手な小児科の探し方はいくつかポイントがありますが、まずはかかりつけ医について理解してください。
かかりつけ医とかかりつけ医制度
かかりつけ医とはすぐ診療してもらえる医師のことで、患者の健康・病気の管理、適切な相談の回答、治療や検査に最適な病院の紹介などコンシェルジュの役割をします。
最近は医療が分化して、症状に合った医療機関を選ぶことが難しくなっています。そのため病状の切り分けなど、相談できる小児科のかかりつけ医を持つことが望まれます。
極端に言うとインフルエンザも捻挫もかかりつけ医に行き、医療の専門家に次にどうするかを聞くという考え方です。一般的なかかりつけ医の仕事は以下の通り。
- 患者の病歴や使用している薬、アレルギーなどの情報を蓄積管理する
- 病気や症状に合わせて、適切な病院や専門医、必要な検査などを紹介する
- 患者の健康相談や体調管理方法などに対して答えたり、指南する
かかりつけ医制度の目的はかんたんな診療や薬の処方などを診療所に任せて国の医療費を下げ、大病院が専門医療の診察に専念できる環境を守るためです。
かかりつけ医制度では紹介状なしで病院を受診すると、診察料とは別に初診で5000円、再診で2500円を払わなければいけません。
良い小児科の選び方と決め方のポイント
小児科は自治体やネットで探してもいいんですが、ママ友からも口コミを集めましょう。ただし最後は自分で見て使いやすいか、医師と合うかなどを判断してください。
近所にあり交通の便が良い
体調が悪い子供を遠くまで連れて行くのは心配ですよね。子供の急病で行くことも多いので、どの時間帯でも交通の便が良く徒歩10-15分圏内の病院だと助かります。
医師の対応が丁寧・評判が良い
病気の質問に明確に答えてくれたり、症状を丁寧に説明してくれる医師は頼りになりますし、たいてい評判が良いです。
以前の小児科は割と怖い先生でしたが、子供のことをよく考えた対応や説明をしてくれました。評判を知らないと「この先生怖い……。」と思う人もいるだろうなと思いました。
看護師や事務の対応が良い
看護師さんや事務の方の対応が良い病院は、ママだけじゃなく子供も安心できます。にこやかに接してくれると、子供が病院に行く抵抗も薄れるのでありがたいです。
曜日・時間の都合が合いやすい
仕事時間を避けて受診できる曜日・時間帯の小児科は便利です。また保育園の行き帰りにある病院、何かあった時にパパが対応できる場所にある小児科なら尚良しです。
病院内が汚れていない
トイレの清潔さは、院内感染に気をつけているかの指標になります。また据え置きの本や掲示物が整理されていると、細かいところに注意が行き届いた病院だとわかります。
待ち時間がそれほど長くない
待ち時間の長さは時間帯や季節によって変わりますが、待ち時間が長いと子供が暴れます……。ただし評判が良い病院ほど人もたくさん来るので、判断は難しいのですが。
マナーが悪い患者が少ない
受診しないとわかりませんが、待合室で他の患者さんのマナーが悪い病院に行くとイライラします。病院のせいではないですが……よく使う場所だけに重要なポイントです。
おもちゃや絵本が豊富
おもちゃや絵本がたくさん置いてあったり、簡易なキッズスペースがあると助かります。待っている間に子供に絵本を読むなど、親も暇つぶしができて良いですよ。
病気のアドバイスやパンフレットをくれる
子供の病気は多いので症状や対処法を覚えるのも一苦労です。病気の時期に合わせて対処法のアドバイスをもらったり、まとめたパンフレットをくれると助かります。
診療予約が取りやすい
子供の体調が悪くなったときに、すぐに診療予約を取りやすいと便利です。電話だけじゃなくネット予約ができる小児科も多いので、普段から診療予約の仕組みを使いましょう。
カルテを残してある
カルテのトラブルがあった病院、カルテを残してない病院は避けた方が良いです。カルテが残ってないと、かかりつけの意味がないですしね。
他科への紹介状を書いてくれる
紹介状は義務ではないですが、書くことを嫌がる医師もいます。紹介状トラブルがある病院も避けた方が良いです。書かない理由を教えてもらえればいいんですが……。
小児科のかかりつけ医が必要な理由
まーさ
小児かかりつけ医を持つメリット
かかりつけ医を持つ一番のメリットは、子供のアレルギーなどの体質、罹患歴、生活習慣などの特徴を把握してもらえることです。情報の集約で、以下のメリットがあります。
症状に的確な判断をしてもらえる
子供に病気の症状が見られた場合に、蓄積された情報から判断して適切な薬の処方や家庭での対応をアドバイスしてもらえます。
専門検査や他病院を紹介してもらえる
子供の病気の症状や状態から客観的に判断して、専門検査が行える専門の病院を紹介してもらえます。
病気や体質などの説明の必要がない
かかりつけ医の紹介状を持って専門医に行くと、体質や病歴などの説明なく診察を受けられます。もちろん必要が無いと言っても、基本的な質疑応答で再度の確認はあります。
専門家のアドバイスを受けられる
母乳の飲み具合や睡眠時間、睡眠の質など、子供の健康や病気対策につながる育児のアドバイス、ママの体調管理に関するアドバイスを専門家から受けられます。
子育てに安心感を得られる
子供の病歴やアレルギーなどの身体的な特徴を知ってもらっている医師がいることで、子育てに安心感を得られます。
小児科の利用頻度
まーさ
という場面がよくありますよね。医師・病院検索サイトの「ドクター・オウチーノ」が首都圏在住の子持ち女性(20-39歳)を対象にした調査で以下の結果が出ています。
月に1回以上子供を病院に連れて行くという人は、専業主婦は44.8%だったのに対し、ワーキングマザーは54.1%と約10%もの差が生じています。
これは専業主婦の方が常に子供のそばにいて様子をみることができるため、あえて医者に頼る頻度が少なくなる傾向があることがわかります。
約8割の母親が子供の「かかりつけ医」を決めていて(専業主婦77.4%、ワーキングマザー81.5%)、自分の子供のことをあらかじめ知っているかかりつけ医がある方が、子供の状況に対して素早く対処でき、働く女性にとっては安心できるためでしょう。
ママが月に1回以上子供を病院に連れて行く割合は、半数程度が平均的なようです。
実際子供が0歳なら、体調に違和感を感じた時点で小児科に連れて行きましょう。とくに生後6ヶ月未満の赤ちゃんは、頻度を気にする必要はありません。
「違和感程度で病院に連れて行くと迷惑」などよくわからないことを言う人もいますが、まだ体質や特徴が判明してない赤ちゃんを大人と同じに考えないでください。
そのために小児科があります。子供の体の特徴がわかるようになり、徐々に言葉でコミュニケーションできるようになれば、少しずつ対応も変わっていきますよ。
小児かかりつけ医の対応案内
広島市にある桑原医院では、サイト上で小児かかりつけ医制度の対応について以下のように記載しています。
「小児かかりつけ医」に、3歳未満のお子さんが登録すると…
①何かの症状があれば、まず、当院を受診して頂くこととなります。
②他の医療機関で継続的に受診されている場合は事前に申告してください。
③とくに専門的な診療の必要にない、皮膚科疾患、耳鼻科疾患、眼科疾患、整形外科的疾患なども対応させていただきます。
④ただし、専門的な医療を要すると判断した場合は、紹介などを行います。
⑤当院への連絡は、診療時間内であれば、082-873-2516 にお電話ください。
⑥夜間・休日には、当地区では、「小児救急電話相談事業#8000」等が利用できますが、それだけでは対応が難しい場合など、緊急の相談に、いつでも対応します。
連絡先 小児救急電話(深夜もかかります):#8000 桑原医院:082-873-2516
⑦原則、常時対応いたしますが、医師の体調保持にもご協力いただくと助かります。予防接種、発達のことなど、急を要さない相談内容の場合は、診療時間内にご相談ください。
⑧なお、外出時、自動車運転時、飛行機や新幹線による移動時、入浴時、飲酒時、爆睡時!などの際には、対応いたしかねる場合もありますことをご了承ください。お互い人間として尊重しあえるといいですね。
⑨診療代金としては、乳幼児等医療費受給者証をお持ちの方は、窓口料金は今まで通り変わりません。
乳幼児等医療費受給者証をお持ちでない方は窓口支払い時、60円程度の負担増となります事をご了承ください。4月1日から小児科「かかりつけ医」の登録ができます | 医院からのお知らせ | 広島市安佐南区の小児科・内科 地域のホームドクター 桑原医院
このように小児かかりつけ医制度への対応方針がわかりやすく書かれていると、利用者としても安心できます。
夜間・休日の救急対応や料金にも触れてますし、「どんなときも対応できるわけではない」ということをあらかじめ理解できれば、もしものときにイライラしなくて済みます。
子供が病気で心配でも、病院が24時間365日対応できるわけじゃありません。全ての小児科がこのような小児かかりつけ医としての方針を示してくれると良いですね。
医師とのコミュニケーションが大切
かかりつけの小児科を変更する理由は人それぞれですが、長く通って人間関係があると何となく他の小児科に行くと言い出しにくいものです。
ただ人間関係だけを重視して不便な思いをしたり、ストレスを抱えるよりは気持ち良く通える近くのかかりつけ医を見つけた方が建設的です。
子供の健康が第一なので、子供のことを一番に考え、ママのストレスを減らすために親身になってくれるかかりつけ医を見つけましょう。
また、医師との相性を探るには積極的に質問することが大切です。
最近は医師が患者に診療の目的や内容を十分に説明するインフォームドコンセントが大切と言われますが、医師の説明を待ってるだけではダメです。
大切な子供の健康のことなので、積極的に「家庭でどうすれば良いですか?」「下の子に感染しますか?」など聞いて医師とコミュニケーションを取りましょう。
大切な子供の健康のために積極的な姿勢が大切ですよ。