まーさ
赤ちゃんの寝かしつけは、あやして、添い寝をして、愛情を感じさせることで安心感を与えて寝かしつける……これが常識だと思っているママは多いはずです。
実は添い寝は日本やアジア、南米中心の寝かしつけ方で、欧米では寝かしつけのときに赤ちゃんを放置する「ファーバー方式(cry it out)」が当たり前です。
ファーバー方式は赤ちゃんが寝付くまで部屋に放置し、赤ちゃんが泣いても極力抱っこせずにある程度あやしたらまた部屋を出ていくというもの。
日本だと「赤ちゃんを放ったらかしにするなんて!」とお姑さんに怒られそうですが、これは赤ちゃんのねんねトレーニングをしているんです。
- ファーバー方式って意味あるの?メリットは何?
- ファーバー方式ってどうやってやればいいの?
- わたしもファーバー方式できるのかな?
ファーバー方式を試してみたい人は、この記事を読んでまずメリットデメリットや注意点を理解してください。
目次
ファーバー方式のメリットとデメリット
まーさ
ファーバー方式のメリット
赤ちゃんが1人で眠れるようになる
ファーバー方式の1番のメリットは、赤ちゃんが1人で寝られるようになることです。赤ちゃんの寝かしつけに苦労しているママにとって、実現するなら素晴らしいですよね。
育児ストレスが溜まりにくい
夜泣きや寝かしつけで悩んでいるママにとって、「寝かしつけないと……。」という義務感から開放されれば、育児ストレスの軽減に大きなメリットがあります。
子供が早く自立する
積極的にファーバー方式が行なわれているフランスやアメリカでは、ファーバー方式で子供が早く自立すると言われています。
ファーバー方式のデメリット
赤ちゃんを放置する罪悪感
赤ちゃんを1人で放置することに罪悪感を感じる人も多いでしょう。「夜泣きに付き合うこと」と「罪悪感にさいなまれること」、どちらを重要視するかですね。
近所に迷惑をかける
泣いた赤ちゃんを放置して部屋を出るので、赤ちゃんが泣く時間は長くなります。アメリカと違って、日本の住宅事情で夜泣きを放置すると近所迷惑になります。
SIDSの確率が上がる
ファーバー方式は、うつ伏せ寝のリスクや赤ちゃんにストレスを与える行為です。うつ伏せ寝やストレスは、乳幼児突然死症候群(SIDS)につながる可能性があります。
アメリカでは添い寝の方が乳児死亡率が上がるそうです。理由は(とくに酔っ払って冷静な判断ができない)欧米人が添い寝すると赤ちゃんを潰してしまうからとのこと。
アルコール中毒と肥満体型が多い欧米らしい理由です……。
ファーバー方式の具体的なやり方
まーさ
ファーバー方式は単純に赤ちゃんを放置するんじゃなく、徐々に慣らすことが大切です。
- STEP.1赤ちゃんを1人にして部屋を出る赤ちゃんが泣いたら少しだけあやし、赤ちゃんが眠るまで側にいることなく部屋から出ていきます。
- STEP.2赤ちゃんが泣いても少し待つ赤ちゃんが泣いてもすぐに部屋に向かわずに2-3分泣き声を聞きます。これは赤ちゃんの通常の泣き声をしっかりと把握するためです。
- STEP.2部屋に戻って赤ちゃんをあやす部屋に行き赤ちゃんをあやします。1-2分あやしたら、泣き止まなくても赤ちゃん残してまた部屋を出ます。
- STEP.3部屋に向かう時間を長くする部屋に向かう時間を5分、10分と長くして、赤ちゃんを慣らしていきます。
このねんねトレーニングで赤ちゃんは泣いても仕方がないと学習し、1人で眠ることができるようになります。
ファーバー方式の注意点
ファーバー方式の対象は、生後6ヶ月以降の赤ちゃんです。それ以下の月齢だと、急な体調の悪化やうつ伏せ寝で窒息などの可能性があるので放置できません。
また赤ちゃんを放置するのが目的じゃなく1人寝に慣れるねんねトレーニングが目的なので、同じ環境下で行う必要があります。つまり旅行中などは行いません。
ファーバー方式向きの家庭環境は?
まーさ
ファーバー方式向きの家庭の条件
共働き夫婦
内閣府男女共同参画局によると、昭和50年台は片働き世帯が共働き世帯の2倍でしたが、平成に入ってすぐに逆転し、今では共働き世帯が片働き世帯よりも3割以上上回っています。
今はわたしたちの親の世代とはあまりにも状況が違い、共働きが当たり前なので、より効率良い寝かしつけ・夜泣き対策を考えなければいけなません。
近所が子持ち世帯ばかり
添い寝とファーバー方式の良し悪しはありますが、隣近所が近い日本の住宅事情だと赤ちゃんの夜泣きは気を使わざるを得ません。
そのため、赤ちゃんが泣いたときにすぐ対応ができる添い寝、赤ちゃんが寝るまでママが側を離れない寝かしつけの方が近所に迷惑をかけません。
ただし日本の住宅環境でも隣近所が同じような子持ち世帯で、ある程度面識があれば赤ちゃんの夜泣きに理解を得られやすいと思います。
ママが育児ストレス
赤ちゃんの夜泣きが原因で、育児ストレスを抱えるママはたくさんいます。育児ストレスが愛情阻害になり、赤ちゃんを傷つける重度のストレスを抱えるママもいます。
ファーバー方式によって、ママが赤ちゃんに対する思いが改善するのなら有効な手段かもしれません。
日本人はまず添い寝をベースに
ファーバー方式はマイノリティな寝かしつけ方じゃありませんし、決して子供に愛情がない寝かしつけ・夜泣き対策でもありません。
学問分野では、添い寝とファーバー方式はどちらが子供に適しているかで争っています。
南米やアジアからの移民たちの間では、添い寝(cosleeping)が一般的。アメリカ人でも、ナチュラル派や母乳育児促進派の人たちの間では添い寝がはやり始めているものの、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを高めるとして白い目で見られることもいまだに多い。実際、米国小児科学会は2011年に、添い寝に反対する声明を出している。だが、親たちが肥満であったりアルコールを飲んでいる場合を除き、添い寝は逆にSIDSを減らすという報告もあり、論争は続いている(Paediatr Respir Rev. 2005; 6:134-52.)。
添い寝とファーバー方式で迷ったら、まずは添い寝をベースにしましょう。なぜなら日本では添い寝が多数派で、添い寝ベースのアドバイスをくれる人がたくさんいるからです。
そこからファーバー方式の要素を取り入れ、少しずつ寝かしつけの負担を減らす試みにチャレンジしてください。
赤ちゃんの寝かしつけは環境で異なる
添い寝とファーバー方式には考え方に大きな違いがあり、添い寝に慣れているわたしたちがファーバー方式の内容を聞くと違和感があります。
ただ育児に正解はありません。育児に無償の愛情を求める人も、育児に自立を求める人も、それが今の環境だからうまくいっているだけです。
フランスにおいてファーバー方式は、子供の忍耐力を養い、最適な睡眠サイクルを作り、自立心を育て、ママの育児ストレスがないという良いこと尽くめの印象があります。
ただ日本でファーバー方式が増えると、育児放棄が問題になりそうな気がします。また、赤ちゃんを放置しても問題ないと勘違いする親も出てくるはずです。
このような親には「親は寝かしつけで子供に愛情を注がなければいけない」という固定概念があった方が、育児放棄の抑止につながる場合もあります。
育児にはいろんな方法があるので、本来は家庭環境に適した育児ができるように育児カウンセラーの普及を進めた方が幸せになる人は増えるはずです。
もしファーバー方式(cry it out|泣かせ尽くし)を試してみたいママは、ファーバー方式のメリットとデメリットを把握して、無理のない状態で挑戦してみてください。
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