まーさ
テレビでよく少子化問題って言われますが、実際にどんな問題が起きてるかわかりますか?子供が減ってることを実感できますか?
わたしには子供が2人います。わたしのママ友もほとんどが2人以上子供がいます。3人も珍しくないですし、4人もちらほらいます。
そのため少子化を実感できない人もいるはずです。ただわたしたちの周りにこれだけたくさん子供がいても、どんどん日本の少子化は進んでいます。
まーさ
世界では人口に関するもう1つ大きな問題があります。それは人口増加問題です。現在世界の人口は70億人を超えてますが、2050年には100億人近くに増えると予測されています。
少子化で人口が減ることが問題、でも人口が増えても問題……なんて言われても正直意味がわからないですよね。
でもこれらの問題はわたしたちの大切な子供が大きくなって直面する問題です。「わたしには関係ないし~」という人以外は最後まで読んで問題を理解しましょう。
目次
少子化とは
少子化とは子供の出生数が減少することです。具体的に言うと、出生数が減少する中で出生率(合計特殊出生率)の水準が「
人口置換水準とは産まれる赤ちゃんと死んでしまう人が年間で同数になる値で、合計特殊出生率と人口置換水準が同数だと人口が増えも減りもしない状態になります。
国立社会保障・人口問題研究所によると、平成25年時点で日本の現在の人口置換水準は「2.07人」だそうです。つまり子供が2人だと人口は減っていくんです。
人口が増加も減少もしない均衡した状態となる合計特殊出生率の水準のこと。若年期の死亡率が低下すると人口が減りにくくなるので、この水準値は減少する。
[補説]現在の日本の人口置換水準は、2.07(平成25年、国立社会保障・人口問題研究所)。
出生率とは
合計特殊出生率とは
合計特殊出生率は、既婚未婚も子供を産む意志も関係ありません。病気で子供が産めない女性も含まれます。つまり、不妊治療技術が進めば合計特殊出生率も上がります。
単純に「出生率」と言われることも多いですが、本来は「合計特殊出生率」と言い、出生率とは意味が違います。
日本と世界の合計特殊出生率
まーさ
日本の合計特殊出生率推移グラフ
厚生労働省の人口動態統計によると、日本の戦後の合計特殊出生率は以下のように推移しています。
1947-49年の第一次ベビーブームの合計特殊出生率は4.32人ですが、上グラフにはない戦前の1925年の合計特殊出生率の方が5.11人で高かったりします。
わたしの祖母は4人兄弟、夫の祖母は7人兄弟だったそうです。どちらも大正生まれです。
世界の合計特殊出生率の比較
では世界で日本だけが合計特殊出生率が下がって、少子化問題があるんでしょうか。
世界の国々の合計特殊出生率を2014年と1960年で比較してみました。以下表は2014年の合計特殊出生率が高い国順に並んでいます。
Fertility rate, total (births per woman) | Data | Table
国名 | 1960年 | 2014年 |
---|---|---|
ニジェール | 7.41 | 7.60 |
ソマリア | 7.25 | 6.46 |
マリ | 6.97 | 6.23 |
チャド | 6.25 | 6.16 |
アンゴラ | 7.38 | 6.08 |
コンゴ | 6.00 | 6.01 |
ブルンジ | 6.95 | 5.95 |
ウガンダ | 7.00 | 5.78 |
ガンビア | 5.57 | 5.72 |
ナイジェリア | 6.35 | 5.65 |
ブルキナファソ | 6.29 | 5.52 |
モザンビーク | 6.60 | 5.36 |
ザンビア | 7.02 | 5.35 |
タンザニア | 6.81 | 5.15 |
マラウイ | 6.94 | 5.13 |
東ティモール | 6.37 | 5.10 |
セネガル | 6.95 | 5.09 |
南スーダン | 6.72 | 5.02 |
ギニア | 6.11 | 5.01 |
コートジボワール | 7.35 | 5.00 |
コンゴ共和国 | 5.88 | 4.87 |
アフガニスタン | 7.45 | 4.84 |
ギニアビサウ | 5.92 | 4.84 |
赤道ギニア | 5.51 | 4.84 |
ベナン | 6.28 | 4.77 |
リベリア | 6.41 | 4.72 |
カメルーン | 5.65 | 4.70 |
シエラレオネ | 5.97 | 4.63 |
モーリタニア | 6.78 | 4.60 |
トーゴ | 6.52 | 4.58 |
サントメ・プリンシペ | 6.24 | 4.58 |
イラク | 6.25 | 4.57 |
コモロ | 6.79 | 4.49 |
マダガスカル | 7.30 | 4.41 |
エチオピア | 6.88 | 4.40 |
スーダン | 6.69 | 4.35 |
ケニア | 7.95 | 4.33 |
エリトリア | 6.90 | 4.28 |
ヨルダン川西岸地区 | 4.18 | |
ガーナ | 6.75 | 4.17 |
イエメン | 7.38 | 4.16 |
サモア | 7.65 | 4.09 |
ソロモン諸島 | 6.39 | 3.97 |
ジンバブエ | 7.16 | 3.92 |
ガボン | 4.38 | 3.91 |
ルワンダ | 8.19 | 3.90 |
パプアニューギニア | 6.28 | 3.76 |
キリバチ | 6.79 | 3.73 |
トンが | 7.36 | 3.72 |
パキスタン | 6.60 | 3.62 |
ナミビア | 6.15 | 3.52 |
タジキスタン | 6.24 | 3.49 |
ヨルダン | 7.69 | 3.42 |
バヌアツ | 7.20 | 3.35 |
エジプト | 6.63 | 3.34 |
スワジランド | 6.72 | 3.27 |
ミクロネシア連邦 | 6.93 | 3.24 |
グアテマラ | 6.53 | 3.21 |
キルギス | 5.17 | 3.20 |
ジブチ | 6.46 | 3.20 |
レント | 5.84 | 3.19 |
イスラエル | 3.87 | 3.08 |
ハイチ | 6.32 | 3.03 |
ラオス | 5.96 | 2.99 |
フィリピン | 7.15 | 2.98 |
ボリビア | 6.70 | 2.97 |
シリア | 7.47 | 2.95 |
アルジェリア | 7.52 | 2.86 |
ボツワナ | 6.62 | 2.84 |
オマーン | 7.25 | 2.77 |
サウジアラビア | 7.22 | 2.77 |
カザフスタン | 4.56 | 2.74 |
モンゴル | 6.95 | 2.66 |
カンボジア | 6.97 | 2.64 |
フェロー諸島 | 2.60 | |
ベリーズ | 6.50 | 2.58 |
フィジー | 6.46 | 2.56 |
ガイアナ | 5.75 | 2.56 |
エクアドル | 6.72 | 2.54 |
パラグアイ | 6.50 | 2.54 |
モロッコ | 7.07 | 2.52 |
ドミニカ共和国 | 7.56 | 2.48 |
リビア | 7.20 | 2.47 |
インドネシア | 5.67 | 2.46 |
ペルー | 6.97 | 2.46 |
World | 4.98 | 2.45 |
パナマ | 5.87 | 2.44 |
インド | 5.91 | 2.43 |
グアム | 6.05 | 2.39 |
ホンジュラス | 7.46 | 2.38 |
ベネズエラ | 6.62 | 2.37 |
南アフリカ共和国 | 6.17 | 2.36 |
スリナム | 6.61 | 2.36 |
アルゼンチン | 3.11 | 2.32 |
カーボベルデ | 6.89 | 2.30 |
トルクメニスタン | 6.42 | 2.30 |
セーシェル | 2.30 | |
ニカラグア | 7.34 | 2.26 |
メキシコ | 6.77 | 2.24 |
ニューカレドニア | 6.28 | 2.24 |
ネパール | 5.96 | 2.22 |
ミャンマー | 6.05 | 2.20 |
チュニジア | 7.04 | 2.20 |
ウズベキスタン | 6.71 | 2.20 |
バングラデシュ | 6.73 | 2.18 |
グレナダ | 6.74 | 2.15 |
モルディブ | 7.02 | 2.12 |
クウェート | 7.24 | 2.11 |
コソヴォ | 2.10 | |
スリランカ | 5.54 | 2.08 |
アンティグア・バーブーダ | 4.43 | 2.08 |
トルコ | 6.30 | 2.07 |
バーレーン | 7.09 | 2.06 |
ジャマイカ | 5.42 | 2.05 |
フランス領ポリネシア | 5.66 | 2.04 |
グリーンランド | 2.04 | |
ブータン | 6.67 | 2.03 |
カタール | 6.97 | 2.03 |
ウルグアイ | 2.88 | 2.02 |
アゼルバイジャン | 5.57 | 2.00 |
キュラソー島 | 2.00 | |
フランス | 2.85 | 1.99 |
北朝鮮 | 4.58 | 1.98 |
セントビンセント・グレナディーン | 7.22 | 1.97 |
ベトナム | 6.35 | 1.96 |
アイルランド | 3.78 | 1.96 |
マレーシア | 6.19 | 1.94 |
エルサルバドル | 6.67 | 1.93 |
アイスランド | 4.29 | 1.93 |
ニュージーランド | 4.13 | 1.92 |
コロンビア | 6.81 | 1.90 |
セントルシア | 6.97 | 1.89 |
スウェーデン | 2.17 | 1.89 |
ブルネイ | 6.49 | 1.87 |
バハマ | 4.50 | 1.87 |
アメリカ合衆国 | 3.65 | 1.86 |
オーストラリア | 3.45 | 1.86 |
イギリス | 2.69 | 1.83 |
コスタリカ | 6.45 | 1.82 |
グルジア | 2.96 | 1.82 |
サンマルタン | 1.81 | |
バルバドス | 4.33 | 1.79 |
ブラジル | 6.21 | 1.79 |
アラブ首長国連邦 | 6.93 | 1.78 |
アルバニア | 6.49 | 1.78 |
ノルウェー | 2.85 | 1.78 |
トリニダード・トバゴ | 5.26 | 1.78 |
チリ | 5.11 | 1.76 |
アメリカ領ヴァージン諸島 | 5.62 | 1.75 |
フィンランド | 2.72 | 1.75 |
ベルギー | 2.54 | 1.75 |
レバノン | 5.74 | 1.71 |
イラン | 6.93 | 1.71 |
ロシア | 2.52 | 1.70 |
モンテネグロ | 3.60 | 1.69 |
オランダ | 3.12 | 1.68 |
デンマーク | 2.57 | 1.67 |
アルバ | 4.82 | 1.66 |
バミューダ諸島 | 1.63 | |
ベラルーシ | 2.67 | 1.62 |
キューバ | 4.18 | 1.62 |
カナダ | 3.81 | 1.61 |
リトアニア | 2.56 | 1.59 |
中国 | 5.75 | 1.56 |
スロベニア | 2.34 | 1.55 |
ルクセンブルク | 2.29 | 1.55 |
アルメニア | 4.55 | 1.53 |
マケドニア | 3.84 | 1.52 |
スイス | 2.44 | 1.52 |
エストニア | 1.98 | 1.52 |
ラトビア | 1.94 | 1.52 |
タイ | 6.15 | 1.51 |
ウクライナ | 2.24 | 1.50 |
ブルガリア | 2.31 | 1.48 |
プエルトリコ | 4.66 | 1.47 |
クロアチア | 2.33 | 1.46 |
チェコ | 2.09 | 1.46 |
リヒテンシュタイン | 1.45 | |
キプロス | 3.50 | 1.45 |
オーストリア | 2.69 | 1.44 |
モーリシャス | 6.17 | 1.43 |
セルビア | 1.43 | |
日本 | 2.00 | 1.42 |
ルーマニア | 2.34 | 1.41 |
ドイツ | 2.37 | 1.39 |
イタリア | 2.37 | 1.39 |
マルタ | 3.62 | 1.38 |
ハンガリー | 2.02 | 1.35 |
スロバキア | 3.04 | 1.34 |
ギリシャ | 2.23 | 1.30 |
ポーランド | 2.98 | 1.29 |
スペイン | 2.86 | 1.27 |
ボスニア・ヘルツェゴビナ | 3.77 | 1.26 |
モルドバ | 3.33 | 1.26 |
シンガポール | 5.45 | 1.25 |
マカオ | 4.95 | 1.24 |
香港 | 5.16 | 1.23 |
ポルトガル | 3.16 | 1.21 |
韓国 | 6.16 | 1.21 |
アフリカ各国の合計特殊出生率は今も昔も高いですが、一部減ってる国もあります。それ以外の国、とくにアジアの合計特殊出生率は1960年に比べて大きく減ってます。
日本は世界的に見ると合計特殊出生率が低い国ですが、韓国、香港、シンガポールなどお馴染みのアジアの国は日本より合計特殊出生率が低いですね。
またドイツ、イタリア、スペインなど、1960年は日本よりも合計特殊出生率が高かったヨーロッパの国も、2014年は日本よりも低い値です。
表中の「World」は世界の合計特殊出生率の平均値です。1960年が4.98人、2014年が2.45人で半分以下になっています。つまり世界中で合計特殊出生率が減っているんです。
まーさ
世界の人口は増え続けています。少子化で若者が少なくなっても、死んでしまう人が減ってるので「世界的に少子化なのに人口爆発状態」が起きているんです。
世界の少子化の問題点とは
まーさ
経済の規模が小さくなる
子供の数が減ると将来の労働人口が減るため、物の生産量・流通量も減ってしまいます。もちろん従事する人が減るので、受けられる公共サービスも減ります。
物を消費する人口も少なくなるため生産量・流通量が減り、経済の規模が小さくなります。経済の規模が小さくなると国の競争力が下がります。
国の税収が減る
税金は多くの人から集める方が1人あたりの負担が少なくなり、集めやすくなります。
日本の場合は高齢化問題があるので将来的に社会保障費が大きくなりますが、少子化で納税者が減ると国の税収が減ってしまいます。
社会インフラの縮小
国の経済の規模が縮小して、国の税収が減ると公共機関や公共サービスなどの社会インフラが縮小します。社会インフラが縮小すると貧富の差が激しくなって治安が悪化します。
個人税負担の増大
少子化の影響は高齢化とセットで起こります。国は国民の税金で運営されるので、老人が増えると年金などの社会保障費が増えて若者1人あたりの税負担が大きくります。
1950年ごろは12人の若者で1人の高齢者を支えていた社会構造が、現在は2.3人の若者で高齢者を支えています。2060年には1人の若者で1.3人の高齢者を支えないといけません。
単純に考えると今の1.8倍も社会保険料が増えるんです。もちろん高齢者が増えると公共サービスも充実する必要があり、いろんな税金も増えますよね。
毎月4万円の社会保険料を払ってる人は、7万円以上の社会保険料を払うことになります。しかも若者と言っても75歳以下のことですからね……。
地球の人口増加の問題点とは
まーさ
1つの国を見ると少子化は大きな問題です。国の経済の発展・維持のためには若い人口が必要だからです。ところが地球規模で見ると人口増加が問題です。
世界人口は2060年に100億人を突破…国連予想による米英露の2100年までの人口推移をグラフ化してみる(2015年)(最新) – ガベージニュース
今の子供がアラフォーになる2050年には人口が100億人近くに増えます。地球規模の人口増加にはどのような問題があるんでしょうか。
食料・水が足りない
現在の農作物の栽培ペースだと、100億人分の食料を維持することは不可能だそうです。
また真水はほとんどが地下水を利用してますが、こちらも足りません。海水の淡水化は日本ががんばってますが、まだ安価に真水を生成するには時間がかかるそうです。
エネルギーが足りない
電気・ガスなどの生活インフラを支えるエネルギーが圧倒的に足りません。
新たな病原菌が増える
人が増えれば増えるほど、新しい病原菌が増えるそうです。これはよくわかります。
人の移動が起こる
貧困地域から裕福な地域に人が移動します。地球規模の移動なので、他の先進国がしているように日本も多くの貧困層の外国人を受け入れなければいけなくなるかもしれません。
少子化と人口増加が同時に起こる理由
少子化と人口増加は真逆に感じるかもしれませんが、この2つは同時に起こります。
世界中で死亡数が相対的に減少し続けているためです。今世界中で1日に1億人が産まれて9000万人が死亡すると、1日で1000万人の人口増加が起こります。
ところが産まれる赤ちゃんの人数が9000万人に減っても死亡数が7000万人に減った場合、1日の人口は2000万人増えます。
今まで医療技術が未発達だった国の設備が整ってきたので、急激に死亡数が減っています。もちろん命を助けるのは良いことですが、同時に新しい問題も発生してるんですね。
少子化と人口増加はどちらも大き過ぎる問題なので、なかなかイメージが湧きません。ただわたしたちの子供は確実に直面する問題です。
そのため問題に具体的な解決策が取れないとしても、問題の詳細を知って、自分の子供が幸せに生きていけるように個人的な準備をすることはとても大切です。
子供に一番触れるママにとって少子化や人口増加は身近な社会問題の1つです。がんばって知っておいても良いかもですね。漫画ならわかりやすいですよ。