まーさ
わたしが小さいころは、どの家庭にもベビーパウダーがありました。ベビーパウダーのサラサラ感と香りが良い思い出という30-40代の人は多いですよね。
わたし自身小学校低学年までは、お母さんにお風呂上がりにベビーパウダーをはたいてもらって、ふんわりした気持ちになったことを覚えてます。
ところが、気付いたらベビーパウダーの話はまったく聞かなくなりました。もちろん今でも販売はしてます。
- なんでベビーパウダーは使われなくなったの?
- ベビーパウダー使いたいんだけど大丈夫かな?
- ベビーパウダーの代わりになるものって何?
こんな疑問を持った人はこの記事を読んでください。今回は、赤ちゃんにベビーパウダーが使われなくなった理由やベビーパウダーの代わりに使われるものについてお話します。
目次
ベビーパウダー(天花粉)とは
まーさ
ベビーパウダーとは、赤ちゃんや子供のあせもやかぶれ、ただれなどの肌トラブルを防止するために塗布する粉末のことです(固形もある)。「
ベビーパウダーの効果
赤ちゃんにベビーパウダーを使う理由は2つあります。1つは赤ちゃんの肌をさらっと乾燥させる効果、もう1つは衣服やおむつなどの摩擦を軽減する効果です。
シッカロール 商品特長|離乳食、粉ミルク、ベビーフードの和光堂
注釈シッカロールはベビーパウダーの商品名です
肌の乾燥効果
ベビーパウダーは肌に塗布すると細かい粒子で表面積が増え、肌の余分な水分を吸い上げます。そのため肌表面の水分や熱が放出されて、肌をさらっと乾燥させます。
赤ちゃんは汗腺が多く、汗腺が詰まったり、汗が残るとあせもができます。そのため、ベビーパウダーを首周りや手足のくびれなど汗が乾きにくい部分に使います。
摩擦軽減効果
ベビーパウダーは滑りが良いため、肌に塗布すると摩擦を軽減してくれます。
赤ちゃんの肌は摩擦で傷付くため、ベビーパウダーで衣服がこすれる首周りや手首、腰回り、太もものかぶれなどの肌トラブルを起こりにくくします。
ベビーパウダーの主成分
ベビーパウダーの主成分は、「コーンスターチ」か「タルク」です。主なメーカーの和光堂、ピジョン、資生堂、ジョンソン&ジョンソンもどちらかを使っています。
タルクが主成分のもの
タルクは、天然鉱石の滑石(水酸化マグネシウムとケイ酸塩)を粉状に粉砕したものです。
タルクに吸水性はないんですが、毛細管現象で粒子間の水分を吸収することで蒸発しやすくなっています。
コーンスターチが主成分のもの
コーンスターチはとうもろこしのデンプンで食品、製薬、工業などに活用されています。
コーンスターチは吸水性があり、ある程度給水すると水分を放出して肌の水分を適度に保つため、乾燥しすぎることはありません。
ベビーパウダーが使われなくなった理由
まーさ
ベビーパウダーを理解すると肌が弱い赤ちゃんには有効な商品に思えますが、使われなくなったいくつかの理由があるんです。
一部アスベスト含有製品があったため
タルクを主成分にした海外製ベビーパウダーに発がん性物質のアスベストが含まれていることが指摘され、ベビーパウダーの使用控えが起こりました。
厚生労働省は「ベビーパウダー等の品質確保に関する検討会」を発足(1987年3月)し、原材料を規制する対応をしました。
厚生労働省:労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会第16回資料
現在のベビーパウダーにはアスベストは含まれてませんが、まだベビーパウダー=危険というイメージが残っている人もいます。もちろん、タルクが悪なわけじゃありません。
粒子の汗腺詰まりが指摘されたため
ベビーパウダーの細かい粒子よって赤ちゃんの汗腺が塞がったり、皮膚呼吸を阻害する可能性があると指摘されています。
汗腺は3歳までに数が決まりますが、暑い環境にいる子は多く汗をかくため汗腺が発達しやすく、寒い環境にいる子は汗腺が少なく暑さに弱くなると言われています。
「汗っかき」は3歳までに決定する!? | WACOAL BODY BOOK ワコールボディブック
汗腺が詰まると汗をかけなくなるため、体温調節機能の発達が遅れる可能性があります。
湿ったベビーパウダーで菌が繁殖するため
肌が濡れたままベビーパウダーをはたくと、湿気を吸って粘り気ができ肌のくぼみに留まります。留まったベビーパウダーに雑菌が繁殖して、肌荒れやかぶれの原因になります。
ベビーパウダーの吸い込みが危険なため
赤ちゃんの首周りや耳の後ろなど呼吸器に近い部分でベビーパウダーを使うと、赤ちゃんが吸いこんで呼吸器疾患につながる可能性が指摘されています。
あせも・かぶれの治療効果と勘違いされたため
ベビーパウダーはあせもやかぶれを予防する製品で、治療する医薬品ではありません。そのため、あせもやかぶれにベビーパウダーを使用すると悪化する可能性があります。
効果を勘違いした消費者の間で「ベビーパウダーはあせもやかぶれが悪化する」という話が広がったため、使われなくなったという理由もあります。
ベビーローションなどを使い始めたため
赤ちゃんの肌ケアは、ベビーパウダーより効果が期待できるベビーローション、ベビーオイル、ベビーワセリンに変わった背景があります。
ベビーパウダーを使ってはいけない?
まーさ
ベビーパウダーが使われなくなった理由を見ると、使っちゃダメとは言わないまでも躊躇する人が増える気はしますね。
和光堂カスタマーセンターの見解
本当にベビーパウダーは使っちゃダメなんでしょうか。310rich [ミドリッチ]の藤村さんが、ジョンソン&ジョンソン、和光堂のカスタマーセンターに以下を問い合わせてます。
- 汗腺(毛穴)に詰まるのは本当か
- 吸引すると身体に悪いのか
- あせも部分につけると悪化するのか
詳細は上記リンクで確認してほしいのですが、概要だけ説明します。
汗腺(毛穴)に詰まるのは本当か
どちらの製品も毛穴に詰まることは考えにくい、肌に刷り込まない限り毛穴が詰まることはない、毛穴に詰まるという根拠はない
吸引すると身体に悪いのか
多少吸い込んでも害にはならないが吸い込まない方が良い、大量に吸い込むとむせることはある
あせも部分につけると悪化するのか
あくまでも予防なので肌トラブルがある部分に使用しないで欲しい
使い方を間違えれば肌トラブルは起きる
というわけで使い方など注意点はありますが、カスタマーセンターの回答では世間で言われるほどベビーパウダーにリスクはないように感じます。
たしかにベビーローション、ベビーオイル、ベビーワセリンも使い方を間違えれば肌トラブルを起こしますし、そもそも肌に合う・合わないがありますよね。
もちろん赤ちゃんは繊細なので、ベビーパウダーを吸い込んでアレルギーが出ることもあります。そのため使うのは自由ですが、異変を感じたら医師に相談しましょう。
ベビーパウダーの正しい使い方
まーさ
ベビーパウダーを使いたいママは、正しい使い方を知っておきましょう。
- STEP.1身体の汚れをきれいに落とすおむつ替えの後にベビーパウダーを使う場合は、汚れをシャワーで流してきれいにします。ベビーパウダーは全身に使うので、パフが汚れると全身に菌を塗布してしまいます。
- STEP.2身体の水分をしっかり拭き取るベビーパウダーは、水分を全部吸収して蒸発を促すわけじゃないです。お風呂後はしっかり水分を拭きとって使用しないと、粉末がダマになります。
- STEP.3上半身と下半身でベビーパウダーを使い分けるベビーパウダーには粉と固形があります。下半身には普通のパウダー、上半身には固形パウダーで使い分けると空気中に飛び散る心配は少ないです。
- STEP.4ベビーパウダーを付けすぎない和光堂のサイトでは、「パウダーをつけすぎると汗の逃げ場がなくなり、だまになったり、そこに微生物が繁殖したりして、かえって皮膚トラブルを誘発する」とあります。少量のパウダーを手のひらですり合わせて、肌に伸ばしましょう。
- STEP.5パフでポンポンしない母は「ポンポンするよー。」と言てっましたが、パフでポンポンはたくとベビーパウダーが飛び散ります。パフに少量とり、軽く押さえるように塗布しましょう。
- STEP.6ママの手やパフは清潔にする粉パウダーは手のひらでのばし、固形パウダーはパフで塗布します。そのためママの手やパフは清潔に。パフは汚れたら交換できるようにいくつか用意しましょう。
成分の心配がある人は、和光堂、ピジョン、資生堂、ジョンソン&ジョンソンなど有名メーカーの商品を使えば間違いないですよ。
ベビーパウダーの賢い使いみち
まーさ
「ベビーパウダーは危険!」など一部過剰な情報を見かけますが、どんな製品も正しい使い方をしないとトラブルは起きます。
もちろん正しく使っても赤ちゃんには合わない場合があるので、使用後に肌トラブルが起こったら小児科や皮膚科を受診してください。
ちなみに15,265人を対象に行なった「ベビーパウダーの賢い使い方は?」というドコモのアンケートによると、ベビーパウダーは以下の使いみちでも活用されているようです。
- 制汗剤の代わり|33%
- フェイスパウダー代わり|15%
- サンダルのベタつき防止|8%
- 靴の臭い消し|6%
- ネックレスの絡まり解消|5%
- ワイシャツの汚れ防止|4%
- 洗顔料に混ぜてスキンケア|3%
- スニーカーの汚れ防止|2%
- 衣類汚れの応急処置|1%
- ファーのお手入れ|1%
ベビーパウダーの賢い使い方は? | みんなの声
たしかにベビーパウダーは赤ちゃんの制汗剤ですが、大人でも使えます。また気になる足元の匂いや湿気防止など意外とマルチプレイヤーなので、1度試してみてください。
赤ちゃんの肌ケアは保湿をメインに
赤ちゃんの肌ケアで重要なことは、乾燥を防いで保湿することです。乾燥すると、肌が傷ついて肌荒れの原因になります。
そのため入浴後に肌の水分を拭き取ったら、ベビーローションで保湿ケアが一般的です。
ベビーローションで保湿すると肌内部の水分でバリア機能が維持され、外部刺激から赤ちゃんを守ってくれます。
湿疹やあせもは肌の油分でできるわけじゃなく、汗が蒸発して肌内部の水分を奪い、肌のバリア機能をなくすことが原因です。
詳しくは以下を参考にしてください。おすすめのベビーローションも紹介しています。
そのためベビーパウダーを使ってもいいんですが、ベビーローションを併用して保湿するなど総合的に赤ちゃんの肌ケアをしましょう。